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2018年10月 9日 (火)

アベノミクスの行き詰まりをIMFラカルド専務理事指摘

【国際通貨基金】(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は毎年恒例の【対日4条協議】のために来日していたが10月4日、協議終了にあたり声明文を発表した。
【IMF】とは187カ国が加盟する国際連合の専門機関で、通貨や為替の安定、財政危機に陥った国に資金を融資し、財政再建を監視する。融資の原資となる資金は加盟国の出資金である。
【IMF4条協議】は【国別サーベイランス】とも呼ばれ、IMF協定の第4条に基づき、国際通貨基金(IMF)が通常年一回実施する、各加盟国の経済政策に関する包括的な協議(コンサルテーション)のことをいう。
ラガルド氏は声明文の冒頭の部分で「今年の4条協議の中心テーマは日本の人口構造の変化でした。特に高齢化関連の問題、就労者の減少等です。特にフォーカスしたのは、この状況が日本経済にどのような課題になるのか、財政の影響、もちろん金融システムへの影響について探ってまいりました。いかにこのチャレンジに日本は立ち向かっていくのか、どういう対応策を示すのかということが、今後、他国が学ぶべきスタンダードになるのです。既に、もしくはこれから日本と同じような状況になる、高齢化問題に直面する、就労人口の縮小に直面する国が他にもあるからです。
それでは、日本の成長見通しはどうでしょうか。まず、今年は1.1%と推計しています。来年は0.9%です。これは大幅にポテンシャルを上回っている数字です。短期的な成長の基調は堅調です。来年10月に消費増税が2ポイント予定されているにもかかわらずです。しかし、もちろんこの策によって2020年の成長は抑えられるのではないかと思っています。インフレは今後ともゆっくりめに上昇していく、しかし、向こう数年間は2%の目標を下回ると見ています。」と述べている。
現在、日本の社会が抱えている問題点は少子高齢化による就業人口の減少である。就業人口の減少と高齢化によって就業希望者と就業者を求める企業の間にミスマッチが起こり、有効求人倍率も業種によって格差が生じている。
有効求人倍率が最も高い業種は建設・土木業と保安関連業、次いで介護と保育事業、医療関連事業、物流関連事業である。ところがこれら事業は受注事業なので経営は安定せず、一部の専門職以外の一般従業員の給与水準が低いために応募者が少なく、人手不足による倒産といった事態が起こりかねない。これらの業種は非正規従業員多用している。
日本の【完全失業率】は現在2%台半ばで世界でも失業率が低い国家であるが非正規労働者の比率が30%台半ばと非正規従業員の比率が世界で最も高い国でもある。この非正規従業員の比率が高いことは国民全体の所得が低いことを意味し、そのことが個人消費の低迷となり、日本の経済成長率の伸びの足枷となっている。
ラガルド氏は日本政府に【アベノミクス】の見直しを要請している。つまり、アベノミクスの3つの柱のうち【大胆な金融緩和】と【財政出動】では経済成長率を2%以上に引き上げることは困難であることをIMFは指摘しているのだ。
労働政策で規制緩和をすることをIMFは日本政府に求めている。   (おわり)

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