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2018年10月21日 (日)

米中貿易戦争を契機に米国農業は落日を迎えるのか

7月6日、 アメリカが中国から輸入される818品目に対して340億ドル規模の追加関税措置を発表。それに対して中国も米国から輸入される農産物を中心に同規模の報復関税を発動して【米中貿易戦争】が開始された。
その結果、米中貿易戦争の拡大によって、世界の穀物生産業界に地殻変動が起きている。
トランプ米政権による中国製品向けの課税措置に対抗して、中国政府は米国産の農作物に関税を課した。その中には、金額ベースで米国最大の輸出農産物となる大豆に対する25%の関税も含まれる。米国㋨大豆農家は、昨年だけで120億ドル相当の大豆を中国に輸出していた。
【大豆】の世界3大生産地は、米国、ブラジル、アルゼンチンである。2017年の米国の大豆生産量は1億1720万8380トン、ブラジルの生産量は9629万6714トン、アルゼンチンが5879万9258トンである。2018年の生産量はブラジルの生産量が米国を凌駕すると思われる。
2016年以降、中国はブラジル産大豆の輸入量を増やし、米国産大豆の輸入量を減らしているからだ。【2016~2017年】の中国の大豆輸入量は9349万トンであったがブラジル産が4538万トンで輸入量の48.5%を占め、米国産大豆は3684万トンで39.4%であった。
【大豆】の用途は87%が食用の大豆油製造、飼料用が7%、食用が6%である。大豆の搾りかすは飼料用として利用されている。大豆の利用法としては日本だけが特殊で豆腐、納豆、醤油、味噌など食用が大半である。
【米国産大豆】に25%の報復関税が課されたことにより【米国産大豆の輸入コスト】は1トンあたり700~800元(1元は約16.7円)増え、ブラジル産大豆よりトンあたり300元(約5000円)前後高くなる。これでは米国産大豆の輸入量は中国では大幅に減少することにならざるを得ない。
【米国産大豆】の生産量が多い州はイリノイ州(1位)とアイオア州(2位)で中国向けの輸出が今年に入ってから激減したために農業関連業者には不況の嵐が吹き荒れている。それに対してブラジルの北東部の新興都市【ルイスエドワルド】は大豆バブルで繁栄している。バブルの恩恵は大豆の作付け面積が拡大したために農業機械業者や建設資材業者にも波及している。
ところで、【豚肉】の生産量が多いのは中国で、世界の豚肉生産量の50%を占めている。2016年の中国の【豚肉生産量】は5412万9762トンで2位の米国の1132万0182トンを大きく引き離している。豚の飼料として大量に消費されるのが大豆そのものと大豆搾油後の【搾りかす】である。
中国の旺盛な大豆需要に支えられてブラジル産の大豆の輸出は増加の一途を辿っている。ブラジル産大豆の輸入量が増えた結果、これまで米国産大豆を輸入していた中国の民間の大手企業は倒産に追い込まれたり、業績不振に陥っている。中国製品の輸出業者や米国製品の輸入業者は今後破綻する企業が増えることになる。   (おわり)

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