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2018年10月

2018年10月31日 (水)

日中関係が真の協力関係に発展する可能性は低い

安倍首相は第2次安倍政権が2012年12月に発足して以来、初めて訪中し、10月26日に習近平国家主席と日中首脳会談を行った。中国が日中首脳会談に応じたのは米中関係が悪化したからである
アメリカは、本年1月に中国企業などの不当廉売により国内企業が打撃を受けた【太陽光パネル】の関税上乗せを決めたのに続いて、3月には国家の安全保障を理由に、【通商拡大法232条】により、輸入品の鉄鋼製品に25%とアルミニウム製品に10%の追加関税を発動した。中国などの不当な安売りで国内企業の供給力が落ち、兵器製造や防衛技術の維持が難しくなることと兵器に使われる鉄鋼やアルミニウムの供給を海外からの輸入に頼っていては国家安全保障上万全とは言えないとの理由からである。
さらに、アメリカは4月3日、アメリカ企業が保有する【知的財産権】を中国企業が侵害したとして、中国からの輸入品500億ドル相当に25%の関税を課す政策について、対象品目の原案を明らかにした。中国政府が2015年から進めている製造業を高度化する政策【中国製造2025】で中国がターゲットとする航空・宇宙分野、IT(情報技術)、機械などが対象となっている。ただし、発動は6月以降に先送りした。
ところで、日本政府はアメリカが脱退した【TPP】を内容はそのままに参加国11カ国の【TPP11】として生かす方策を模索して【TPP11】の締結に漕ぎつけた。
【TPP11】は2019年1月には発効する可能性か高まっている。【TPP11】が発効すれば【TPP11】加盟国で中国との関係が深い【ベトナム】や【マレーシア】と日本の関係はこれまで以上に深化する。その上、【東南アジア諸国連合「ASEAN」】、の主要メンバーであるタイ、インドネシア、フィリピンが【TPP11】への参加を希望していると言われている。これら3国の参加が実現すれば中国が東南アジアで親密な関係を維持し続けるのはラオスやカンボジアといった経済発展が遅れている諸国だけとなる。その結果、東南アジアにおいて日本の存在感が増大し、中国の存在感が低下する可能性が高まってきた。そこで中国は日中関係の改善に乗り出したのである。
経済発展が遅れている諸国の国民の購買力では中国製品の大量購入は望むべくもない。そのため中国は2013年からアジアの発展途上国へのインフラ輸出を考えて、日本が主導権を握っているアジア・太平洋地域の発展途上国に対する融資と技術援助に特化した国際金融機関の【アジア開発銀行(ADB)】の二番煎じの国際金融機関【アジアインフラ投資銀行(AIIB】)を2016年に立ち上げた。【AIIB】は参加国はADBを上回っているが資金や人材に不足している。
中国は【AIIB】を設立するにあたってアジアの開発途上国のインフラ整備のために【一帯一路】計画を打ち上げた。【AIIB】には融資資金が不足しているので融資金の大半は中国の【国家開発銀行】と【中国輸出入銀行】が中心になって調達している。
インフラ建設に関しては中国の国有資産監督管理委員会の管理下にある【中央企業】と呼ばれる巨大国有企業が施工を担当する事例が多い。その結果【AIIB】の融資によるインフラ建設は融資を受けた国にはメリットはほとんどなく巨額の借金だけが残るという事例が多発して、中国に対する不満が増大しているという。
中国が第三国のインフラ整備に日本の協力を求めたのは日本が関与することによって公平性を演出できるからであろう。日本は{AIIB】に参加しなかったように今回も深く関与することは避けるべきであろう。利益を享受するのは中国の国営企業ばかりだからだ。   (おわり)


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2018年10月30日 (火)

法定最低賃金の引き上げは経済成長に貢献するのか

東アジア(日本、中国、韓国)と東南アジア主要国にはここ数年、【法定最低賃金の引き上げ】という【ポピュリズム(大衆迎合主義)】が蔓延している。各国の経済成長率に見合った【法定さ低賃金の引き上げ】は所得格差を減少させ、個人消費を増大させる効果がある。その一方で、経済成長率の低い地域での地域経済の実情を無視した【法定最低賃金の引き上げ】は中小・零細企業の負担を増やし倒産のリスクを高めるという負の効果を高める。
【三菱UFJ銀行】国際業務部が作成した2017年12月18日時点での【アジアの最低賃金の動向】によれば、【インドネシア】の【月額最低賃金】はドル換算で、【ジャカルタ特別市】が2016年が238ドル、2017年が前年比8.6%増の258ドル、2018年が4.5%増の273ドル。ジャカルタ特別市の東部に隣接し、トヨタ系列の自動車バネ大手メーカー【中央発條】や【スズキ】などの日系企業が進出しているブ【カシ兼】の最低賃金は、250ドル、272ドル、284ドルと引く挙げられてインドネシアで最低賃金が一番高い地域である。最低賃金が一番低いのは日系企業の工業団地が存在しない中火ジャワ州の【スラマン市】で、最低賃金は16年が146ドル、17年が163ドル、18年が171ドウである。
【べトマム】では数多くの日系企業が進出しているハノイ市、ホーチミン市、ハイフォン市で形成される【エリア1】の最低賃金が一番高く、16年が157ドル、16年は前年比7.2%増の168ドル、18年が3.8%増の175ドル。一番低いのが田園地域で形成される【エリア4】で、121ドル、130ドル、136ドル。【エリア1】と【エリア4】の賃金格差は月額39ドルで、日本円に換算して2万円に満たない月給で約4200円の【エリア1】と【エリア4】の格差は大きい。
【カンボジア】の最低賃金は16年が140ドル、17年が9.3%増の153ドル、18年が11.1%増の170ドルで、東南アジア一の2年連続の最低賃金引き上げ率である。
【フィリピン】は【マニラ首都圏】が16年が254ドル、17年が5.1%増の267ドル、18年は未定である。最低賃金が最も低いセブ島182ドル、17年は前年比0.8%増の184ドル、18年は未定。
【タイ】のバンコクの16年の最低賃金は257ドル、17年が前年比3.3%増の266ドル。【マレーシア】は本土のマレー半島が16年が239ドル、17年が前年比3.7%増の247ドル、飛び地の島嶼部のサバ・サラワク州が16年が220ドル、17年が3.7%増の227ドル18面は未定。【ミャンマー】が16年が84ドル、17年も同額の84ドル、18年は未定。
東アジアでは、【最低賃金】が最も低いのは中国で17年が【最低時給】は一番高い北京が22元(1元=約16.7円換算で367円40銭)、天鎮20.8弦((347円37銭)、上海が20元(334円)。【月額最低賃金】は、上海が最高で2300元(3万8410円)、深センが2位で2130元(3万5541円)、浙江が3位で第一段階が2010元(3万3567円)、天津が4位で2050元(3万4235円)、北京が5位で2000元(3万3400円)。
2018年は上海市が120弦上がって2420元、深刻な不況に追い込まれている遼寧省が1620弦、広西省が280元上がって1680元、チベット自治区が250元上がって1650元である。中国では全国同時に再定位賃金が決まるわけではない。
【韓国】では2017年の時給の最低賃金は6470ウォン(約640円)であったが18年には7530ウォン(約750円)と110円引き上げられた。韓国では従業員10人以下の零細企業が81..1%を占めている。そのために韓国経済の基盤は脆弱である。
110円という大幅な時給の【最低賃金の引き上げ】は零細企業を直撃して倒産に追い込まれた企業が今年になって激増している。上半期(1~6月)の倒産件数は836件と上半期としては過去最高である。韓国の年間倒産件数の最多は金融危機に見舞われた1998年の1343件である。今年の倒産件数はこれを上回る可能性が高い。文政権の経済政策の失敗である。韓国経済は破滅に向かっていいると言えよう。   (おわり)

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2018年10月27日 (土)

マツダはトヨタの傘下に入るのか

日本の製造業を代表する【自動車産業】の主戦場は現時点では米国である。米国で【住宅バブル】が弾けた2008年の米国新車販売台数は1324万2701台であった。同年9月に住宅バブルが弾けて100年に1度と言われる金融危機【リーマンショック】が起こっている。【リーマンショック】の影響が顕著になったのは翌年の2009年で、米国の新車販売台数は前年比21.2%減の1042万9553台である。
【リーマンショック】の影響を最も受けたのは信用力の低いにも拘らず住宅ローンで住宅を購入した低所得者層で、中所得者層で住宅を購入しなかった人たちには住宅などの資産価値が下がった程度の損害を受けただけであったから2010年の新車販売台数は前年比10.3%増の1158万8783台、11年が1277万8171台、12年が1449万1873台、13年が1560万0199台、14年が1652万2000台、15年が1747万9469台と6年連続で高い伸びを示した。
16年は伸びが鈍化したが1755万0351台と過去最高の販売台数であった。2017年の新車販売台数は1723万0436台で16年を下回ったので米国の自動車の需要は最盛期を過ぎたのかもしれない。2018年1~9月の販売台数は前年比0.9%減であるから今年の新車販売台数は1700万台に届かいない可能性が出てきた。
2017年の日本メーカーの米国販売台数は、①【トヨタ】234万4518台、②ホンダ164万1429台、③【日産】159万3464台、④【スバル】64万7956台、⑤【マツダ】28万9470台、⑥【三菱】10万3686台で、合計は671万0229台であった。日本車の米国市場のシェアは約39%である。
【日本車】の日本での新車販売台数の最高は【バブル最盛期】の1990年の約777万台で、それ以降、販売台数は減少傾向にあり、2017年の新車販売台数は523万4166台台で最盛期より254万台減っている。
2017年のメーカー別の販売台数は、①【トヨタ】155万6301台(シェア45.9%)、②【日産40万8560台(12.0%)、③【ホンダ38万1835台(11.3%)、④【マツダ】16万2274台(5.0%)、⑤【スバル】12万1989台(4.3%)、⑥【スズキ】10万9580台(3.2%)、⑦【レクサス】4万5605台(1.3%)、⑧【三菱】3万5984台(1.1%)、⑨【ダイハツ】2万8067台(0.8%)。
日本では【レクサス】ブランドを含めたトヨタ車と【トヨタグループ】のダイハツのシェアは48%で他のメーカーを圧倒している。しかしながら日本のどのメーカーも日本の市場だけでは企業として生き延びられない。
日本メーカーの中で企業存続のための対応に腐心しているのが【マツダ】である。世界販売台数は2014年が137万5064台、15年が153万4000台、16年が155万9123台、17年が158万3638台と増え続けているが円相場の動向によって利益が安定しない。
【自動車産業】は100年ぶりの【CASE】(つながる車、自動運転、シェアリング、電動化)と呼ばれる100年に一度の次世代技術革新期に入ったと言われている。これに対応するには膨大な研究開発費を投じなければならない。【マツダ】一社だけではこの研究開発費を捻出できない。
それ故に【マツダ】は2015年5月から【トヨタと】との提携関係に入った。生産と開発を中心に協業分野を増し、17年8月には資本提携関係を結び、米国アラバマ州での工場の共同建設や電気自動車(EV)や【Conected Car】(つながる車)といった次世代技術の共同開発など具体的な協業項目を決めた。
【日本経済新聞】が10月23日に報じたように【トヨタ】と【マツダ】の販売金融の一体化が実現すれば両社の提携関係は一層深化し、事実上【マツダ】は【トヨタ】の傘下に入ることになり、その結果、【トヨタ】はドイツのVWを抜いて販売台数で世界一の座に復帰することになる。   (おわり)

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2018年10月24日 (水)

日本企業にも波及し出した米中貿易戦争の影響

10月23日の東京株式相場は3日ぶりに大幅反落し、TOPIX(東証株価指数)は1年1カ月ぶりの安値。中国景気やサウジアラビアなど海外情勢の不透明感が強く、リスク回避から電機や化学など素材中心に全業種が下落。新築着工の落ち込みなどから業績予想を大幅に下方修正した【LIXILグループ】株が急落し、住宅関連株も軒並み売られた。
【TOPIX】とは東京証券取引所一部上場全銘柄を対象とした株価指数のこと。1968年(昭和43)1月4日を基準日とし、その時価総額を100として上場株式の時価総額から算出。【日経平均株価】とともに日本の代表的株価指数の一である。
【TOPIX】の終値は前日比44.59ポイント(2.6%)安の1650.72、【日経平均株価】は前日比604円04銭(2.7%)安の2万2010円78銭。【TOPIX】は2017年9月15日以来、日経平均は8月13日以来の安値。
【日経平均株価】は10月2日の第4次安倍改造内閣発足のご祝儀相場なのか前日比24.86円高の2万4270円86銭であったがそれ以降、値下がりを続け10月11日には前日比1084円という大幅安の2万2594円となった。【日経平均株価】は16営業日で2260円の急落であった。
日本の株価の暴落の最大の要因は中国経済の減速である。【中国国家統計局】が10月19日に発表した2018年の【第3四半期】(7~9月)の【国内総生産(GDP)】は物価変動を除いた実質で6・5%増だった。【第2四半期】(4~6月)より0・2ポイント下落してし、リーマン・ショック直後の09年1~3月期以来の低水準になった。米国との通商紛争の影響がじわりと出始めた結果であろう。
【米中貿易戦争】の影響で中国経済の驚異的な発展を支えてきた貿易が盛んな中国沿岸部を中心に民間大手企業の経営破たんが7月以降増えている。山東省では米国からの大豆輸入にまで事業分野を拡大した化学大手の【山東晨巍曦集団】が破産手続きに入った。創業者の邵仲毅氏は中国の長者番付100位以内に入ったほどの富豪である。
山東省は【タイヤの故郷】と呼ばれているが山東省には中国のタイヤメーカー500社のうち200社が集積している。省内の大王鎮に本社を置くタイヤ大手【山東永泰集団】は8月に破産し、その他、山東省内の35のタイヤメーカーも破綻した。
江蘇省には米国輸出が多い太陽光発電設備メーカーの多くが経営危機に直面している。大手の【協鑫グループ】は常州工場などを閉鎖した。専門家の試算によれば約250万人の雇用に悪影響が及ぶという。
その他、人件費が高騰した中国国内から人件費が安い東南アジア諸国などへの生産拠点の移転を検討する中国企業が増加している。
そうした動きは中国に生産拠点のある日本企業にも伝染して、精密小型モーター製造で世界一のシェアを誇る【日本電産】(本社京都市南区)は、米国の中国で製造された製品に対する25%の輸入関税を回避するため中国工場をメキシコに移転する計画を検討している。米中貿易戦争が長引けば中国を脱出する外資系企業が増えることになり、中国経済はさらに減速することになる。   (おわり)

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2018年10月23日 (火)

中間選挙で与党共和党は上下両院の過半数を維持できるのか

トランプ政権の約2年間の施政の是非に判断を下す【中間選挙】まで2週間をきった。
現時点での米国議会の勢力地図は【上院議会】が与党共和党が51議席、野党民主党が49議席である。上院議会の定員は各州2名で合計100名で2年ごとに定員の3分の一(33名、6の倍数の年は34名)が改選される。今年は6の倍数の年であるので34名さらに補欠選挙が加わるので35名が改選される。今回の改選議員の内訳は共和党9人、民主党26人で共和党は上院の過半数を掌握するには9議席を死守すればいいので民主党が上院の過半数を制するのは当初から困難とされていた。
【条約承認】に関する権限と政府閣僚や各省局長クラスの高級官僚等のいわゆる政治的任命職と、 連邦判事、 陸海空軍および海兵隊の将官ポストに任命するための【大統領指名への承認権】は、 条約承認の件と同じく、 上院弐だけ付与されている。それ故に米国の上院選への国際的な関心は高く、日本にとっても貿易問題に関して上院選に無関心ではいられないのである。
【下院議会】の定数は435議席で、下院議員の任期は2年で、選挙のたびに全員が改選される。下院議会の現有勢力は共和党が236議席、民主党が193議席、欠員が6議席である。各種の世論調査の結果によれば下院では【民主党】が過半数の議席を確保する可能性が高い。
ところで、中間選挙が間近になって共和党の勝利が確実されてきた上院でも波乱が起こる可能性が出てきた。今回、共和党の改選議員の選挙区は、アリゾナ州、コネチカット州、ミシシッピー州、ネブラスカ州、ネバダ州、テネシー州、テキサス州、ユタ州、ワイオミング州の9選挙区である。このうち民主党議員と共和党議員が接戦を演じているのはアリゾナ州とネバダ州である。アリゾナ州では民主党の女性新人候補カイルステン・シネマ氏が優位に立っているとされていたが共和党の女性新人候補のマーサ・マクサリー氏が猛迫して予断を許さない状況になっているという。ネバダ州は民主党の新人候補が優勢とされている。
下院選挙では共和党の敗北を覚悟しているのかトランプ大統領は起死回生の秘策として中間層向けの大幅減税を中間選挙直前に打ち出すという情報が駆け巡っている。さらに下院選での敗北の責任逃れをするために10月16日、トランプ大統領はメディアとのインタビューに応じ、「私は候補者を助けているだけで、選挙結果はトランプ政権への人気投票ではない。仮に共和党が下院で敗北したとしても自分のせいではない」と述べ、中間選挙の勝敗の責任は自分にはないという考えを示した。
中間選挙では民主党が、下院選で23議席を積み増して下院の過半数を制する可能性のほうが大きい。とにかく上下両院のどちらかでも民主党が過半数を奪回すれば、トランプ大統領の政策目標の多くが頓挫するリスクが高まり、、トランプ政権はこれまで以上に厳しく監視されることになるであろう。国際社会はそれを望んでいる   (おわり)


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2018年10月21日 (日)

米中貿易戦争を契機に米国農業は落日を迎えるのか

7月6日、 アメリカが中国から輸入される818品目に対して340億ドル規模の追加関税措置を発表。それに対して中国も米国から輸入される農産物を中心に同規模の報復関税を発動して【米中貿易戦争】が開始された。
その結果、米中貿易戦争の拡大によって、世界の穀物生産業界に地殻変動が起きている。
トランプ米政権による中国製品向けの課税措置に対抗して、中国政府は米国産の農作物に関税を課した。その中には、金額ベースで米国最大の輸出農産物となる大豆に対する25%の関税も含まれる。米国㋨大豆農家は、昨年だけで120億ドル相当の大豆を中国に輸出していた。
【大豆】の世界3大生産地は、米国、ブラジル、アルゼンチンである。2017年の米国の大豆生産量は1億1720万8380トン、ブラジルの生産量は9629万6714トン、アルゼンチンが5879万9258トンである。2018年の生産量はブラジルの生産量が米国を凌駕すると思われる。
2016年以降、中国はブラジル産大豆の輸入量を増やし、米国産大豆の輸入量を減らしているからだ。【2016~2017年】の中国の大豆輸入量は9349万トンであったがブラジル産が4538万トンで輸入量の48.5%を占め、米国産大豆は3684万トンで39.4%であった。
【大豆】の用途は87%が食用の大豆油製造、飼料用が7%、食用が6%である。大豆の搾りかすは飼料用として利用されている。大豆の利用法としては日本だけが特殊で豆腐、納豆、醤油、味噌など食用が大半である。
【米国産大豆】に25%の報復関税が課されたことにより【米国産大豆の輸入コスト】は1トンあたり700~800元(1元は約16.7円)増え、ブラジル産大豆よりトンあたり300元(約5000円)前後高くなる。これでは米国産大豆の輸入量は中国では大幅に減少することにならざるを得ない。
【米国産大豆】の生産量が多い州はイリノイ州(1位)とアイオア州(2位)で中国向けの輸出が今年に入ってから激減したために農業関連業者には不況の嵐が吹き荒れている。それに対してブラジルの北東部の新興都市【ルイスエドワルド】は大豆バブルで繁栄している。バブルの恩恵は大豆の作付け面積が拡大したために農業機械業者や建設資材業者にも波及している。
ところで、【豚肉】の生産量が多いのは中国で、世界の豚肉生産量の50%を占めている。2016年の中国の【豚肉生産量】は5412万9762トンで2位の米国の1132万0182トンを大きく引き離している。豚の飼料として大量に消費されるのが大豆そのものと大豆搾油後の【搾りかす】である。
中国の旺盛な大豆需要に支えられてブラジル産の大豆の輸出は増加の一途を辿っている。ブラジル産大豆の輸入量が増えた結果、これまで米国産大豆を輸入していた中国の民間の大手企業は倒産に追い込まれたり、業績不振に陥っている。中国製品の輸出業者や米国製品の輸入業者は今後破綻する企業が増えることになる。   (おわり)

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2018年10月19日 (金)

虚偽の情報を流し米中対立を煽るトランプ大統領

中国の2017年の対米輸出額(米国の中国からの輸入額)は5050億ドル6000万ドルに対して米国の中国向け輸出額は1304億ドルで輸出額から輸入額を引いた対中国【貿易黒字額】は1304億ドル―5050億6000万ドル=-746億4000万ドル(約41兆2100億円)であった。つまり日本円に換算して約41兆2100億円の赤字ということである。
だがこの赤字額は不正確である。というのは中国からの輸出額というのは中国内で製造された製品を中国から輸出した場合の総額であって、この中には米国企業が中国内の生産拠点で製造した製品も含まれているからである。中国は原材料を輸入して製品を組み立てて輸出しているケースが大半である。中国企業の製品の場合は輸出の取り分は輸出額の3分の1程度と試算されている。
極端な例を挙げれば中国で生産された米アップル社の【iPod】(携帯型デジタル音楽プレイヤー)の300ドルの機種の場合、製造コストは150ドルで、製造は日本、中国、台湾、シンガポールが担当し、中国の取り分はわずか6ドルとされている。それ故に米国の対中貿易赤字の41兆2100億円というのは事実ではない。
さらにトランプ大統領は、中国が2001年に【WTO】(世界貿易機構)に加盟して以降、米国は製造業で300万人の雇用を失った主張しているがこれも事実ではない。
米国の製造業の労働者の数は1979年にほぼ2000万人に達した後、5回を数える景気後退のたびに労働者は急減し、回復することはなかった。2016年12月時点の工場労働者数は1230万人で、800万人分近くの職が失われたことになる。
米国の製造業は,繊維や家電分野は労働コストの低い他国に譲り、ITを中心としたハイテク産業に力を注ぎ、宇宙工学や医薬品などの製造業にシフトしている。その結果、米製造業はオートメ化と上述のような産業構造の変革により効率化と利益率を向上させている。トランプ大統領が主張するようなラストベルト地帯の復権は望み薄であろう。
ところで、トランプ大統領は、貿易赤字の大きい国や地域の中国(貿易赤字第1位)メキシコ(同2位)、日本(同3位)、EUに圧力をかけて有利な貿易協定を締結しようとしている。
とりあえずメキシコとの【NAFTA】(北米自由貿易協定)の再交渉では米国の思惑通りに事が運んだ。メキシコの対米輸出額は2017年には3140億ドルでメキシコのGDP1兆1510億5000万ドルの27.28%に相当する。それに対して米国のメキシコへの輸出額は2430億ドルで米国のGDPの1.3%にしか相当しない。メキシコの輸出額の大半はメキシコに生産拠点を持つ米国や、日本、ドイツの自動車メーカーの自動車輸出代金である。メキシコにとって米国との関係は無視できないので最終的には米国の要求を飲まざるを得なかったということになる。
一方、中国の対米輸出額は2017年の中国のGDPの4.2%に相当するが年間GDPの成長率が6%台を維持している中国(中国の統計であるから信憑性は不確かである)にとって8カ月程度で稼ぎ出せる程度の額である。米国が圧力をかけても中国は動じない、というより米国の要求を飲めば習近平国家主席は国民の支持を失い、失脚の憂き目にあう可能性が高いので米国の要求に応じることはない。
【米中貿易戦争】は米国が中国の面子を立てて譲歩しない限り解決しない。貿易戦争が長引けば不利益を被るのは物価が高となる米国国民である。   (おわり)

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2018年10月18日 (木)

来年10月の消費税率2%アップは景気減速の要因になるのか

消費税率の10%への引き上げは安倍内閣によって2度先送りされてきた。財務省が主張する財政健全化の観点から来年10月の消費税率の10%への引き上げの3度目の先送りは難しい状況であったが、安倍晋三首相は、10月15日の臨時閣議で、消費税率を予定どおり引き上げる考えを示したうえで、消費の冷え込みを抑える対策などに万全を期すよう、関係閣僚に指示しした。
政権交代選挙となった2009年8月の第45回衆院選挙の選挙公約には民主党は消費税の引き上げを掲げていなかった。民主党は政権を獲得したものの経験不足と官僚の協力を拒否したために政権運営に行き詰まり、財務省の協力得る代わりに消費税率の引き上げを決定せざるを得なかった。
2012年12月の第46回衆院選挙で民主党は大敗し、政権担当わずか3年2か月で下野することになった。自民党が政権復帰後、再登板した安倍首相は民主党政権が約束した2014年4月1日からの消費税率8%への引き上げを実行した。
その際、財務省の安倍首相に対する説明は経済成長率を鈍化させない策を講じるので経済成長率の落ち込みは一時的なものでさほど深刻にはならないと説明していた。財務省の説明を信じて安倍首相は消費税率8%への引き上げを決断したとされる。
ところが2014年4月に消費税が5%から8%へ上がった際、増税前に盛り上がった駆け込み需要の反動で自動車や家電製品などを中心に販売が落ち込み、個人消費の冷え込みを招いた結果、財務省の事前の説明の経済成長の鈍化を極力回避するといった説明にも拘らず、増税直後の4月から6月までの第2四半期のGDPはマイナス1.8%に転落。東日本大震災の影響で景気が悪化した2011年年の1月から3月の第1四半期のGDPの落ち込みをを超える大幅なマイナスを記録した。この時のGDPの落ち込みの体験から安倍首相の財務省への不信感は抜きがたいものになったと言われている。
この苦い体験から安倍首相は、16日午前、首相官邸で、「対策に万全を期すために、きのう閣議決定を行った。先に3%引き上げた際の経験を生かしていきたい」と述べ、4年前の2014年に、消費税率を8%に引き上げた際の、消費の冷え込みを繰り返さないために、来年度や再来年度の予算案で万全の措置を講じる考えを強調した。
来年の消費税の2%引き上げは4年前の消費税率3%引き上げの際ほど消費の落ち込みは招かないであろう、というのは食料品に関して【軽減税率】を適用するので税率は現行の8%を維持するからである。
さらに【TPP11】の協定が2019年1月から発効する見通しであるし、【日・EU経済連携協定(EPA】も19年中に発効予定であるから食料品などの輸入関税が引き下げられ、物価が下がるからである。   (おわり)

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2018年10月17日 (水)

中国の地方政府経済の減速を想定し日本企業に投資を求める

米国のトランプ大統領が膨大な対米貿易黒字削減を中国政府に要求しているにもかかわらず中国の米国に対する貿易黒字は膨らみ続けている。中国政府も対米貿易削減への努力をしてはいる。例えば米国産のシェールガス由来の天然ガスや原油、米国企業が優位性を保っている航空機さらに半導体の輸入を大幅に増やしている。しかしながら大幅な企業減税によって米国経済は堅調に推移し、個人の所得も増え、個人消費が旺盛であるために米国の携帯電話やパソコン、玩具などの中国製品の輸入量は中国の米国製品の輸入量を大きく上回っている。その結果、中国の対米貿易黒字はさらに拡大している。
【中国税関総署】の7月13日の発表によると、2018年1~6月の中国の対米貿易黒字額は前年同期比14%増の1337億ドル(約15兆円)と上半期として過去最高だった。
【輸出】は前年同期比14%増の2177億ドル、【輸入】は同12%増の840億ドルだった。6月単月では輸出は前年同月比13%増の426億ドル、輸入は同10%増の136億ドルで黒字は同14%増の289億ドル。6月の黒字額も単月として過去最高だった。米国は中国との貿易協議で対米黒字を年2千億ドル圧縮するよう求めている。
【米中貿易戦争】に突入した7月の中国の対米貿易収支は【,中国税関総署】が8月8日発表した7月の貿易統計によると、米国の対中関税発動にもかかわらず、ドル建て輸出が予想外に増え、【対米貿易黒字】も依然として高水準を維持している。。【輸出額】は前年同月比11%増の約415億ドル、【輸入額】は前年同月比11%増の約136億ドルで貿易収支は280億ドルの黒字であった。1~7月の【対米貿易黒字】は1616億3000万ドルと、前年同期の1427億5000万ドルを上回った。
8月の貿易収支は、輸出の伸びは前年同月比9.8%と鈍化したが、【貿易黒字】は310億5000万ドルとこれまでの過去最大であった6月の水準を上回った。
ところで、10月12日に発表された8月の貿易統計によれば9月の【輸出】は前年同月比14.5%増と持ち直し、【貿易収支】は320億ドルの過去最大の黒字であった。この輸出と黒字の大幅拡大は中国企業が米国の関税発動前に前倒しで輸出したことが原因である。
【米中貿易戦争】の負の影響は来年から顕著になると中国政府の関係者や専門家は想定している。中国経済は来年以降成長が鈍化ずることは避けられない。しかし、リーマンショック以降、中国の地方政府はインフラ整備事業によって中央政府が決定した【経済成長率】の目標達成のために負債を重ねてきた。大半の地方政府はこれ以上の負債を重ねることは不可能な状況に追い込まれていると言われている。米中間の関係が悪化した現時点で中国が融資を含めた投資を頼めるのは日本以外にはないのである。
今年に入って日本企業の中国への投資を求めるために中国の地方政府の幹部が投資説明会開催のために続々と来日しているという。投資説明会開催は既に昨年の2倍に達していると。但し、中国への投資はリスクを伴うので慎重な市場調査と地方政府との信頼関係を築く必要性がある。   (おわり)

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2018年10月14日 (日)

国民は安倍内閣に飽きが来ている

安倍晋三首相は9月20日実施された【自民党総裁選挙】において圧勝して3年後の2021年9月19日まで自民党総裁を務めることになった。日本は議院内閣制を採用していることから安倍首相は総裁任期中に不測の事態が起こらなければ3年間首相を務めることを保証されたことになり、総裁としての在任期間は8年9カ月となって、戦後の首相としては最長の在任期間の記録を持つ首相として歴史に名を残すことになる。
安倍首相は現時点で故吉田茂首相(1946年5月22日~195412月27日)、故佐藤栄作首相(1964年11月9日~1971年7月7日)に次いで3番目に在任期間の長い首相である。
2006年9月に小泉純一郎首相が退陣後、2012年12月に安倍首相が再登板するまでの6年間で6人の首相が誕生したがすべての内閣が在任期間が約1年という短命内閣であった。12年12月から首相として再登場した安倍首相はこれまでに5年9カ月首相の座にあったことから国民は安倍首相に飽きが来ているのである。飽きが来た理由の一つは安倍首相が解決を約束した【拉致問題】、【北方領土返還問題】は解決のめどは立たず、安倍首相が最も意を注いでいる【アベノミクス】による日本経済の再生も道半ばであることである。
安倍首相は10月2日に【第4次安倍改造内閣】の組閣を行ったが、共同通信が10月3日に実施した【緊急全国電話世論調査】によれば安倍内閣支持率は、前回9月の調査から0.9ポイント減の46.5%であった。自民党総裁に3選された直後の内閣改造であるからこれまでの例から判断すれば支持率はご祝儀相場で上昇するのであるがわずかではあるが支持率が低下したことは極めて異例である。国民は安倍首相に興味を失ったと言えるかもしれない。
ところで、【毎日新聞】は10月6~7日に【全国世論調査】を行った。今回の内閣改造で「安倍内閣に対する期待が高まったか」という質問に対し、「期待できない」が37%、「期待が高まった」はわずか8%だった。最も多かったのは「変わらない」の47%だった。第4次改造内閣の評価が高くない最大の原因は森友学園への国有地売却交渉に関する公文書を財務省理財局が改ざんしたにも拘らず麻生財務大臣が責任を取らず、改造内閣でも留任したことに対して国民は怒りを通り越して呆れているからである。
安倍首相の看板の経済政策である【アベノミクス】に関しては【IMF(国際通貨基金)】のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は【4条協議】のために来日して、日本政府に対して【アベノミクス】見直しを要請している。【アベノミクス】が行き詰まっていることを国際機関が公認したことを意味する。
【自民党総裁選】の地方票の投票率は61.7%であった。幽霊会員が多数含まれていると言われているが自民党員・党友の投票で安倍首相に投じられた票は55.3%であるが棄権票が38.3%であることを考慮すると自民党の党員・党友は実際には安倍首相に35%程度しか投票していない。つまり安倍首相は国会議員を除けば自民党内でも人気がないことになる。これでは憲法改正は国民投票で否決される可能性が大である。   (おわり)


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2018年10月12日 (金)

米国の株安世界の株式市場に波及

10月10日のニューヨーク株式市場の【ダウ30種平均株価】の終値は、前日に比べて831ドル83セント安の2万5598ドル74セントだった。率にして2月8日以来の下げ幅の3.1%の下落で、値下がり額はことし3番目の大きさである。さらに新興市場のナスダックなど他の株式指数も大きく値下がりした。
米国の株安は日本にも波及し11日の【日経平均株価】の終値は、前日比915円安の1万2590円。この株価の急落で自民党総裁選を挟んでの株価の上昇分は吹き飛んだ。
米国の株安の影響は中国にも波及し、【上海株】の下落率は4%を超え、3年11か月ぶりの安値。その他【香港】、【韓国】、【フィリピン】の株価も年初以来の安値、【台湾】、【ベトナム】、シンガポール】、【タイ】、【インド】の株価も下落、さらに米国株、アジア株の全面安を受けて欧州株も大幅に下落した。
今回の米国株の急落の原因は3つの要素がある。一つ目は米中貿易摩擦の影響である。貿易摩擦の影響を投資家は過小評価をしていた。10月2日にはニューヨーク市場で【ダウ平均株価】は2日連続で過去最高を更新し、2万6773ドル94セントであった、
だが10日に国際通貨基金(IMF)が約2年ぶりに世界経済見通しを引き下げたことで、これまで米中貿易摩擦の影響を過小評価していた投資家も「先行きに不安を感じ始めた」と思われる。
その上、「高級品大手、仏【LVMH】(モエヘネシー・ルイヴィトン)の経営幹部が10日の決算説明会で「中国税関当局が海外から帰国した国民の検査を強化している」と述べ、欧州市場で株価が急落。米株市場では米ティファニーなどにも売りが殺到した。中国人観光客向け売り上げは欧米ブランドの業績を支えていただけに影響は大きい。市場は『追加関税によるコスト増以外にも、米中摩擦の悪影響が広がってきた』と身構える。」ということになった(10月11日日経新聞電子版より引用)
二つ目は米国の政策金利と長期金利(長期国債金利)の上昇である。政策金利が上昇すれば企業の収益率が低下し、企業業績に悪影響が及ぶ。長期国債金利が上昇すればリスクの高い株式投資よりも安全な投資先である国債購入に投資家は資金を移動させる。その結果、株価は下落することになる。
トランプ大統領は今回の株価暴落の原因を「調整であり、FBRによって引き起こされたと思う」と主張した。【FRB】とは政策金利を決定する米国の中央銀行の役目を担う【連邦準備制度理事会】を指している。トランプ大統領は中間選挙を目前にして株価の大暴落の原因の一つが自らが引き起こした【米中貿易摩擦】であることを否定することに躍起になっている。
三つ目はコンピューターを用いた高速の【アルゴリズム取引】である。アルゴリズム取引を行っているのは商品投資顧問(CTA)といった投機筋と言われている。【アルゴリズム取引】は相場変動率が上昇するとリスクを抑えるために株式の持ち高を減らす傾向がある。10日の午後に相場変動率が急上昇したためにコンピューターが投機筋が所有する株を機械的に売りの指示を出した可能性が高いのである。その証は上半期の上昇率上位の米アマゾン・ドット・コムが終値ベースで6%安まで売り込まれたことだ。
米国経済は不安材料が現時点では少ないので今回の大暴落は来週中には調整局面に入り株価は上昇に転じると思われる。   (おわり)

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2018年10月11日 (木)

日本最強の政党組織を誇る公明党の崩壊の始まり

法華経系の在家仏教の団体で、国内に公称827万世帯を擁する【創価学会】政治部が【公明党である。 だが学実調査によれば日本の人口の2%程度であるのでその調査結果を信じれば【創価学会員】の数は250万人前後である。但し、沖縄県は全国で創価学会員の比率が最も高く県議会選挙や市町村議会選挙の公明党の得票から判断すれば5%を超え、公明党支持者の数は7万人を超えている。
【創価】とは【価値創造】の意味。創価学会は価値の中心の【生命の尊厳】の確立を置き、それに基づいた【万人の幸福】と【世界の.平和】に実現を目指している。創価学会を日本最大の宗教団体にまで成長させた最大の貢献者は創価学会3代目会長の池田大作現名誉会長で、熱心な創価学会会員にとって池田氏は神のような存在に他ならない。
池田名誉会長は現在、病気療養中と噂され、この10年間公式の場に姿を現すことはなかった。その結果、現在の【創価学会の最高権力者】は原田稔会長と言われている。
池田名誉会長は【世界平和】の実現を目指していたことから【集団的自衛権の行使】には反対の立場を堅持していた。ところが安倍内閣は2014年7月1日に【集団的自衛権の行使容認】を閣議決定した。自民党と連立与党を形成していた【公明党】は連立与党に残ることを優先して苦渋の選択として【集団的自衛権の行使】の容認に舵を切った。創価学会現執行部の同意を得た上で。だが池田名誉会長の教えを金科玉条としてきた高齢者の会員は【集団的自衛権行使容認問題】で【公明党支持】に疑念を抱くようになったのである。
9月30日の沖縄県知事選で【公明党沖縄県連】は自民党とともに前宜野湾市長の佐喜真淳候補を推薦したが玉城デニー候補に8万票もの大差を付けられて大敗した。この結果は沖縄の創価学会員の多くが棄権か対立候補の玉城氏に一票を投じた結果であろう。
【公明党】ほど各種選挙において【票割】ができる政党はない。筆者の住む栃木県宇都宮市は人口約51万人であるが2015年の統一地方選挙の宇都宮市議会議員選挙で投票率40%という低投票率の中で公明党は6人の市議を誕生させた。その合計得票数は1万7694票。
市議選の2週間前に実施された栃木県県議会議員選挙の宇都宮市・上三川町選挙区では2人の県議を誕生させた。【公明党】の2人の候補者が獲得した票数は野澤和一候補が11318票、山口恒夫候補が1万1167票の合計2万3034票でそのうちの1351票は上三川町の票であった。2人の候補の票数の差が僅か151票ということは票割を行ったという証である。投票率が低かった県議選の票が市議選の票を3500票上回ったことは市議選で創価学会会員の棄権票が県議選よりも多かったことを意味する。
ところで、来年は統一地方選挙の年である。これまで選挙の実戦部隊の指揮を執ってきた地区幹部と言われる創価学会の地域の世話役が解任されている事例が増えているという。【集団的自衛権行使容認】に納得できない会員が処分されているのである。綻びの見え始めた【公明党】が従来通りの票を出せるかどうか筆者は今から注目している。   (おわり)

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2018年10月 9日 (火)

アベノミクスの行き詰まりをIMFラカルド専務理事指摘

【国際通貨基金】(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は毎年恒例の【対日4条協議】のために来日していたが10月4日、協議終了にあたり声明文を発表した。
【IMF】とは187カ国が加盟する国際連合の専門機関で、通貨や為替の安定、財政危機に陥った国に資金を融資し、財政再建を監視する。融資の原資となる資金は加盟国の出資金である。
【IMF4条協議】は【国別サーベイランス】とも呼ばれ、IMF協定の第4条に基づき、国際通貨基金(IMF)が通常年一回実施する、各加盟国の経済政策に関する包括的な協議(コンサルテーション)のことをいう。
ラガルド氏は声明文の冒頭の部分で「今年の4条協議の中心テーマは日本の人口構造の変化でした。特に高齢化関連の問題、就労者の減少等です。特にフォーカスしたのは、この状況が日本経済にどのような課題になるのか、財政の影響、もちろん金融システムへの影響について探ってまいりました。いかにこのチャレンジに日本は立ち向かっていくのか、どういう対応策を示すのかということが、今後、他国が学ぶべきスタンダードになるのです。既に、もしくはこれから日本と同じような状況になる、高齢化問題に直面する、就労人口の縮小に直面する国が他にもあるからです。
それでは、日本の成長見通しはどうでしょうか。まず、今年は1.1%と推計しています。来年は0.9%です。これは大幅にポテンシャルを上回っている数字です。短期的な成長の基調は堅調です。来年10月に消費増税が2ポイント予定されているにもかかわらずです。しかし、もちろんこの策によって2020年の成長は抑えられるのではないかと思っています。インフレは今後ともゆっくりめに上昇していく、しかし、向こう数年間は2%の目標を下回ると見ています。」と述べている。
現在、日本の社会が抱えている問題点は少子高齢化による就業人口の減少である。就業人口の減少と高齢化によって就業希望者と就業者を求める企業の間にミスマッチが起こり、有効求人倍率も業種によって格差が生じている。
有効求人倍率が最も高い業種は建設・土木業と保安関連業、次いで介護と保育事業、医療関連事業、物流関連事業である。ところがこれら事業は受注事業なので経営は安定せず、一部の専門職以外の一般従業員の給与水準が低いために応募者が少なく、人手不足による倒産といった事態が起こりかねない。これらの業種は非正規従業員多用している。
日本の【完全失業率】は現在2%台半ばで世界でも失業率が低い国家であるが非正規労働者の比率が30%台半ばと非正規従業員の比率が世界で最も高い国でもある。この非正規従業員の比率が高いことは国民全体の所得が低いことを意味し、そのことが個人消費の低迷となり、日本の経済成長率の伸びの足枷となっている。
ラガルド氏は日本政府に【アベノミクス】の見直しを要請している。つまり、アベノミクスの3つの柱のうち【大胆な金融緩和】と【財政出動】では経済成長率を2%以上に引き上げることは困難であることをIMFは指摘しているのだ。
労働政策で規制緩和をすることをIMFは日本政府に求めている。   (おわり)

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2018年10月 7日 (日)

米中貿易戦争の影響で18年8月の米国の対中貿易赤字過去最大

米商務省が10月4日に発表した2018年8月の貿易収支統計によると、8月の財とサービスを合わせた【貿易赤字】(国際収支ベース、季節調整済み)は7月から6.4%拡大し532億ドルとなった。7月の【貿易赤字額】は500億ドルである。貿易赤字拡大の原因は大豆の中国向けの輸出量が激減したことによる。7月6日から始まった【米中貿易戦争】の影響が端的に現れたのである。
8月の輸入額は前月比0.6%増の2627億ドル(28兆89979億円)、輸出額は前月比0.8%減の2094億ドル(23兆0340億円)であった。世界最大の輸出量を誇る米国産大豆の中国への輸出額rは前月比で28%減少して25億8000万ドル(2838億円)となった。今年に入り、大豆輸出額は減少しており第1四半期(1~3月)は40億3500万ドル(4438億5000万円)で前年比で5.9%減少していた。7月以降は激減し始めている。
2017~18年の穀物生産年度(17年9月~18年8月)の米国の大豆生産量は世界一の1億1950万トンで、そのうち5620万トンが輸出され、その57.5%は中国に輸出された。輸出額は1兆6170億円である。
米国が世界第1位の輸出国である【トウモロコシ】の中国への輸出量が激増したのが2010年からで10年の輸出量は160万トン、11年は170万トン、12年が500万トン、13年が300万トン、14年が90万トン、15年が30万トン、16年が20万トンである、2014年を境目として中国の米国産トウモロコシ輸入量は減少の一途を辿っている。その理由はウクライナへの経済援助の返済をトウモロコシの現物返済に変えたからである。
2017年、中国は、米国産豚肉(くず肉を含む)にとって輸出量で第3位(30万9284トン)、輸出額で第4位(6億6300米ドル)の輸出先であったが、今年の4月に中国産の鉄鋼に25%の関税をかけたことにより、中国は4月と7月に米国からの輸入商品に対して25%の報復関税を課した。その結果、米国産の豚肉の関税率は78%となり、中国では米国産豚肉は価格競争力を失い輸入量は激減することは間違いない。米国商務省の試算では18年の豚肉輸出の損失額は11億4000万ドル((1254億円)に達する見込みである。
米国にとって打撃となるのは農産物以上に【自動車】である。米国最大の自動車メーカーの【GM】の2017年の中国市場での販売台数は約400万台であった。【GM】は中国国内に生産工場を建設しているので米国からの輸入車数は10万台程度である。
米国からの輸入車に対する中国の輸入関税率は25%の報復関税を加えると40%となる。これでは【GM】を初めとする米国の輸入車は価格競争力が失われる。
輸入車以上に問題なのは【米中貿易戦争】の勃発によって米国車不買運動が起こることである。2010年の尖閣諸島の国有化によって日本車の不買運動が起こったし、昨年の【THAAD】の韓国配備によって韓国車の不買運動が起こっている。米国車不買運動が起こる可能性は極めて高い。
さらに米国で生産された【BMW】や【メルセデスベンツ】にも40%の輸入関税が課されるので【BMW】は高級車の生産拠点を米国から中国に移すことを検討している。【米中貿易戦争】の悪影響が米国にも及んでいる。   (おわり)

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2018年10月 6日 (土)

日本は米国農畜産品の関税をEUとのEPAやTPP以下にするのか

米国農務省(USDA)の資料によれば2017年会計年度(2016年10~2017年9月)における米国の農畜産物の輸出額は前年比8.4%増の1405億ドル(15兆4550億円)で213億ドル(2兆3430億円)の黒字であった。
輸出額のトップは中国で220億ドル(2兆4200億円)、2位がカナダで204億ドル(2兆2440億円)、3位がメキシコで186億ドル(2兆0460億円)、4位が日本で118億ドル(1兆2980億円)、5位がEUで116億ドル(1兆2760億円)である。米国にとって日本は米国産の農畜産物の輸出国として重要な国なのである。
米国は大豆、トウモロコシの世界一の輸出国であり、小麦は世界3位の輸出国である。米国にとって大豆の最大の輸入国は中国で米国産大豆輸出額の60%に当たる147億ドル(1兆6170億円)を2017年会計年度中に中国が輸入していた。2番目の輸入国がメキシコで、日本は3番目の輸入国である。大豆は搾油用とその【搾りかす】は家畜の飼料となる。
米国産【トウモロコシ】の輸入量のトップは永年日本であったが2016年からメキシコが日本に取って代わった。【輸入トウモロコシ】は日本では牛などの飼料である。2017年の米国産【小麦】の日本の輸入量は200万5000トンで、日本の小麦輸入量の46.3%は米国産である。
【畜産品】のうち日本は【牛肉】を米国から2017年には30万7559トン輸入したが米国にとっては日本は最大の輸出国である。米国産豚肉の日本の輸入量は39万3648トンであったが日本はメキシコ、香港に次いで3番目の輸入国である。
米国が日本に農畜産物の関税引き下げを強く要求する背景には日本市場で牛肉と小麦に関してオーストラリアとシェアで熾烈な争いを繰り広げているからである。オーストラリアを含む11カ国の【TPP】(環太平洋経済連携協定)は2019年中には発効する。米国が19年内にTPPあるいはEUと日本との間で締結した【EPA】(経済連携協定)並みかそれ以下の関税率の協定を日本との間で締結できなければ牛肉と小麦でオーストラリアに日本市場で後れを取りかねないから米国の農畜産業者は焦燥感に駆られて、トランプ政権に圧力をかけているのである。
農業団体と畜産業団体の強い要請を意識してパーデュー米農務長官は10月4日、日本との農産品を巡る通商交渉で、日本がEUと結んだEPAやTPPを上回る水準の関税率の引き下げを求める考えを示した。
日本とEUが今年の7月に署名したEPAは日本側がワインの関税をゼロにするほか、チーズも低関税の輸入枠をつくるなど農産品で一定の市場開放を約束した。日・EUのEPAとTPPは牛肉の関税を最終的に9%まで下げる。
日本がEUに農産品の関税削減で譲歩した要因は自動車関税でEUからの譲歩を引き出すためであった。日本車に課せられているEUの現行の輸入関税は10%であるがEUは段階的に関税を引き下げる。2019年から日本車の販売量はEU市場で大幅に増えることになる。
米国が米国産の農畜産品の市場開放を強く求め、米国の要求が実現するか否かは中間選挙の結果次第であろう。共和党が米国両院で現在と同じように過半数を掌握すれば日本車への25%の輸入関税の追加を恫喝の材料に米国は要求を強引に通すことになる。   (おわり)

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2018年10月 5日 (金)

中間選挙を前に話題作りに事欠かないトランプ大統領

トランプ大統領は、【ニューヨーク・タイムズ(NYT)】を批判し続けている。それに対して【NYT】は同紙が掲載する記事の中でトランプ大統領に対して【大統領】という呼称を用いずに【MR Trump】をという表現を使用している。つまり米国大統領に相応しい人物とは評価していないということである。
【NYT】は米国のリベラルを代表する正統派のメディアである。米国の【リベラル】とは「米国は移民国家であり、この国家は移民と奴隷によって作られてきた。それ故に国民の平等と民主主義は擁護されなければならない」とうい政治的な心情の発露なのである。
トランプ大統領はイスラム系の移民希望者やメキシコ人の移民希望者を排除する政策を採っている。【NYT】からすればトランプ大統領は批判されて当然の人物ということになる。
【中間選挙】を約1か月後の控えた10月2日に【NYT】は「トランプ米大統領が両親の脱税を手助けし、一族の富を蓄積していた疑いがある」と報じた。
【NYT】のトランプ大統領の父親の納税申告書200点超を入手してそれを分析した結果によると、トランプ大統領は兄弟と共に偽の企業を設立し、多額の資金を両親からの【贈与】と装っていた可能性があるという。
【NYT】によると、トランプ大統領が父親から譲り受けた不動産事業は、現在の価格水準で少なくとも4億1300万ドルに達するという。
大統領は選挙期間中自身の経歴について、実業家の父親から「ごくわずかの」借金をしてたたき上げた不動産王と称していた。
司法関係者の証言によれば【NYT】が報じた疑惑事件は時効を過ぎているので刑事事件には問えないという。但し、民事事件には時効はないという。
マスメディアは現在、膨大な資料の分析を進めている段階なので【NYT】の後追い記事が報じられるか否かは微妙である。
ところで、中間選挙に影響を与える可能性が高いのがトランプ大統領が米連邦最高裁判事候補のブレット・カバノー氏を支持する姿勢を貫くことを決断したことである。トランプ米大統領は米連邦最高裁判事候補のブレット・カバノー氏を支持する姿勢を貫くことで、共和党支持者に11月の中間選挙で投票所に出向かせ、共和党による下院支配を死守できると衝動的な判断を下した。
【ブルームバーグ通信】は10月4日午後、「ミシシッピ州で2日開かれた集会でトランプ氏は、カバノー氏による性的不適切行為を告発した複数の女性に同情する見せ掛けの態度をついにやめた。集会の参加者が「われわれはカバノー氏を望む」と連呼する中で、トランプ氏は疑惑に関する矛盾や欠落部分を指摘し、告発女性を攻撃した。」という記事を配信した。
さらに、同記事は「 共和党指導部は支持層が中間選挙に無関心でいることを恐れており、ホワイトハウスは共和党支持者に衝撃を与え、世論を二分するような問題を探している。ただカバノー氏に賭けるのはリスクがある。性的暴行疑惑のある人物を支持することで女性や穏健な支持者が離れ、民主党支持者を団結させるかもしれない。トランプ氏は支持層の怒りを買うと同時に、カバノー氏の指名承認獲得の機会を喪失する可能性もある。」と報じた。
【米連邦最高裁判所判事】候補のカバーノ氏の支持を表明せずにカバーノ氏の最高裁判事指名の鍵を握る3人の共和党上院議員ジェフ・フレーク氏(アリゾナ州選出)、コリンズ氏(メーン州選出)、マカウスキ氏(アラスカ州選出)はトランプ大統領を激しく批判している。
トランプ大統領は中間選挙を前に【危険な賭け】に打って出たことになる。トランプ大統領の賭けは共和党が中間選挙で苦戦しているという証なのであろう。   (おわり)

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2018年10月 4日 (木)

憲法改正への布石で第4次安倍改造内閣は12人の新閣僚を起用

安倍晋三首相は10月2日、内閣改造を行い、【第4次安倍改造内閣】の19人の閣僚の陣容を決め、菅官房長官が同日午後、閣僚名簿を発表した。
【第4次安倍改造内閣】の閣僚は、初入閣が12人、再入閣が1人、留任が6人である。昨年8月に発足した【第3次安倍第3次改造内閣】では初入閣は6人であったが、今回はその2倍の12人で、安倍内閣としては最も多い。
初入閣したのは、【総務相】石田真敏氏(66)(和歌山2区、当選7回 無派閥)、【法相】山下貴司氏(53)(岡山2区、3回石破派)、【文部科学相】柴山昌彦氏(52)(埼玉8区、8回、細田派)、【農水相】吉川貴盛氏(66)(北海道2区、二階派)、【環境相】原田義昭氏(74)(福岡5区、8、麻生派)、【防衛相】岩屋毅氏(61)(大分3区、8、麻生派)、【復興相】渡辺博道(68)(千葉6区、7、竹下派)、【国家公安委員長】兼【防災担当相】山本順三氏(64)(参院愛媛地方区、3、細田派)、【一億総活躍担当相兼沖縄・北方担当相】宮腰光寛氏(67)(富山2区、8、岸田派)、【IT担当相兼科学技術担当相】平井卓也氏(60)(香川1区、6、岸田派)、【地方創生担当相兼女性活躍担当相】片山さつき氏(59)(参院比例区、2、二階派)、【オリンピック・パラリンピック担当相】桜田義孝氏(68)(千葉8区、7、二階派)の12人である。
初入閣の12人のうち、衆議院で当選5回以上、参議院で当選3回以上で閣僚経験が無い、いわゆる【閣僚待機組】と呼ばれる議員からの起用は10人となっています。ただ、自民党内に【閣僚待機組】の議員はさらに60人余りが存在する。【憲法改正の発議】のためには入閣できず不満分子となって【憲法の発議】に反対しかねないこうした【閣僚待機組】の数を減らす必要がある。
【閣僚待機組】ではない2人は山下貴司法相と片山さつき地方創生担当相で、山下法相は東京地検特捜部検事出身で衆院2期生の時に【改正ストーカー規制法】や【空家対策特別措置法】など8本の議員立法を成立させ、【ミスター議員立法】と呼ばれ、3期生ながら適材適所の起用と言えよう。
参院から起用された片山さつき地方創生担当相は財務省主計官出身で即戦力となる逸材である。但し、地方の実情に通暁しているとは言い難く、【地方創生担当相】としての起用には一部マスメディアは疑問符を付けている。
【第4次安倍改造内閣】は留任した6人の閣僚、麻生太郎財務相、菅義偉官房長官、河野太郎外相、世耕弘成経産相、茂木敏充経済再生担当相、公明党の石井啓一国交相が実務担当者として国政を運営していく。外交と経済が一体化した国益をいかに守っていくかの手腕が6人の留任した閣僚に求められている。   (おわり)

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2018年10月 3日 (水)

沖縄県知事選での与党推薦候補の大敗の原因は何なのか

9月30日投開票の沖縄県知事選終盤戦に関するマスメディアの見立ては自民党、公明党、日本維新の党が推薦する前宜野湾市長佐喜真淳候補(54)が先行する自由党前幹事長で衆院議員(沖縄3区)の玉城デニー候補(58)を激しく追い上げているというものであった。
ところが開票を終わってみれば玉城候補が39万6632票を獲得したのに対して佐喜真候補の票は31万6458票で約8万200票の大差がついた。まさに大敗であった。
沖縄県を考える場合に避けて通れないのが米軍専用の基地の存在である。米軍だけが使用している基地(米軍専用施設)は日本にあるもののうち、その面積の約70%が沖縄に集中して沖縄の県土の約15%を占めている。
今回の知事選の最大の争点は世論調査の結果によれば52%の有権者が【基地問題】を挙げていた。
ところが、佐喜真候補陣営の選挙戦略は意図的に【基地問題に触れない】ことであった。その戦略を端的に表していたのが菅義偉官房長官の街頭演説であった。
菅氏は9月16日、那覇市内での街頭演説で、候補者の佐喜真淳氏、小泉進次郎衆院議員と並び、「携帯料金4割値下げ」を徹底アピール。テレビカメラの前でパネルを使ったアンケート調査までやってみせた。しかし、携帯料金の価格決定の権限は県知事はもちろん政府にもない。知事選の争点にはなりえない事項を街頭演説で取り上げたどいうことは動員をかけられて集まった那覇市の自民党・公明党支持者に肩透かしを食わせたことになる。
沖縄県は野党勢力が強い県の一つである。民主党政権下で行われた2010年の参院選での自民党が獲得した比例代表の票は9万3385票、公明党が9万4905票、【民主党】が11万8415票、【社民党】が12万0044票、【共産党】が36155票であった。自民党が政権奪還した後の2013年の参院選で【自民党】が獲得した票数は14万0234票、【公明党】が90990票、【日本維新】が69237票、【民主党】34431票、【社民党】が10万7391票、【共産党】が51346票、【生活の党】(現自由党)が11411票であった。
2016年の前回の参院選では【自民党】の獲得票数は12万3197票、【公明党】が10万4388票、【日本維新】が59385票。【民主党】が40354票、【社民党】が18万3344票、【共産党】が27476票、【自由党】が15412票であった。
2014年の前回の知事選で野党勢力と自民党の一部勢力が支援した翁長雄志の得票数は36万9820票、自民党が支持した現職の仲井真弘多知事の票は26万1076票で10万票の大差で現職が敗れた。
今回の知事選ではこれまでの知事選では旗色を鮮明にしてこなかった【公明党】が自民党とともに【佐喜真候補】を推薦した。ところが選挙では一枚岩になると思われた【公明党】の票が佐喜真氏の得票に反映しているとは思えない選挙結果であった。
自民党の一部の関係者の間では、菅官房長官の街頭演説が【公明党】票を離散させてしまったと囁かれているという。自民党は普天間基地の名護市辺野古への移設を選挙の争点として堂々と取り上げるべきであったのかもしれない。だが最大の敗因は佐喜真候補後の知名度不足である。   (おわり)
 

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2018年10月 1日 (月)

日経平均株価は今後も値上がりを続けるのか

2013年4月に本格的に始動した第2次安倍内閣は【アベノミクス】と名付けた経済政策を実行に移したがその際、主導的な役割を果たしたのが中央銀行である【日本銀行】である。日本国債を大量に買い入れることを柱とする【金融緩和策によって円安を誘導し、円安によって自動車や電機、半導体といった輸出主導型産業は価格競争力を取り戻して日本のグローバル企業は業績を回復した。
安倍首相の政治任用によって日銀総裁に就任した黒田東彦総裁はデフレ脱却のために2%の物価上昇率を掲げて努力を重ねてきたが5年を経過してもその目標を達成できない。【金融緩和】だけでは経済成長率は大きく伸びないということが経済の専門家の間で問題視されるようになってきた。
安倍首相を初め政府関係者は【完全失業率】が2%台で推移していることや【有効求人倍率】が1%台の半ばであることから【アベノミクス】の効果を強調しているが所得が伸びないために個人消費が低迷し、GDPの成長率の上昇に繋がらないのである。所得が増えない原因は平均年収が186万円という非正規雇用者の比率が雇用者全体の30%超えという点にあるのだ。非正規雇用者の比率を現状より大きく引き下げない限り日本のGDPの成長率は大きくは伸びない。
ところで、民主党政権の最後の年の2012年の名目GDPは494億9572億円(為替相場は1ドル=79.79円)、自民党が政権を奪還して政権運営に乗り出した最初の年の2013年の名目GDPは503兆1756億円(1ドル=97.59円)で前年より8兆2184億円増えたがその原因は前年比22.5%の円安効果である。
2014年の名目GDPは513兆8761億円(1ドル=105.94円)で前年に比べて約10兆6000億円増えたがこれも前年比8.59%の円安が一部貢献している。しかし実質的には成長率は2%以下である。さらに15年のGDPは531兆9857億円(1ドル=121.04円)で前年に比べてGDPは18兆1096億円増えた。12.48%の円安なので実質的なGDPの増加分は18兆1000億円-6.6兆円=11.5兆円でGDPの伸び率は2%である。
GDPの計算方法は国連が2009年に改定した計算方法を日本以外の国連の主要加盟国である米国、EU加盟国、中国、韓国などは2010年から採用している。2009年の改定によってGDPの計算に【研究・開発費】を加えることが認められ、日本以外の各国のGDPは大幅に増えた。日本だけは2016年から【研究・開発費】をGDPに加えるようになった。。
2016年の日本GDPは538兆4456億円であるが従来の計算方法では2016年の【研究・開発費】18Þ.4兆円は加算されないから2016年のGDPは520兆円となり、GDPは実質マイナス成長ということになる。2017年のGDPは546兆0430億円でGDPは前年より8兆0430億円しか増えていないので成長率は2%に満たない。GDPの推移でみる限り【アベノミクス】は色褪せてきているのである。
経済の先行きの見通しのバロメーターになるのが日本では【日経平均株価】である。今年の自民党総裁選の告示日の1年前の2017年9月8日の【日経平均株価】は1万9274円であったが昨年の最後の取引日の12月28日の株価は2万2782円で約110日間で株価は3500円ほど上がった。
2018年の最初の取引日の1月4日の株価は2万3506円でその後の株価は2200円台~2300円台で推移していたが総裁選告示日の翌週の9月10日から株価が上昇局面に入った。株価上昇の牽引役は【日銀】で、株価を買い支える【官製相場】を作り出し、これに便乗して外国人投資家は空売りによって株価を釣り上げて利益を得た。
9月28日の【日経平均株価】は2万4120円で、2万4000円台の高値は1091年11月15日の株価2万4099円以来の26年10カ月ぶりの高値である。今後、株価が上昇を続けられるか否かは企業の業績次第であろう。【米中貿易戦争の長期化】や【米国の中間選挙の結果】など不確定要素があるので株価の予測は難しい。   (おわり)

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