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2018年9月21日 (金)

消費税率10%への引き上げは約束通り来年実現するのか

予想通り昨日(9月20日)行われた自民党総裁選で安倍首相が数字の上ではダブルスコアの圧勝であった。しかしながら【安倍一強】とは言い難い状況が選挙戦の終盤戦では生まれた。選挙戦中の読売新聞の世論調査では地方票は安倍首相が51%、石破元幹事長は36%獲得という結果であったが最終的には安倍首相の獲得票の比率は55.3%、石破元幹事長は44.7%と最終盤で石破元幹事長が8.7ポイント追い上げたのである。石破氏の地方票の上積みは安倍首相の今後の政局運営に影響を及ぼすことになるであろう。
ところで、民主党政権が短命に終わった要因の一つが選挙公約には掲げていなかった【消費税率】を引き上げたことである。民主党政権の最後の首相となった野田佳彦首相は12年6月に【消費税】を2014年4月1日から8%に引き上げ、15年10月1日から10%に再引き上げをするという法案を提出し、8月10日に参院本会議で可決成立した。野田首相の退陣と引き換えに【消費税率引き上げ法案】を成立させたのである。
首相の座に返り咲いた安倍首相は2014年4月1日からの【消費税率8%】に同意したが、安倍首相が懸念した通り消費税率の3%アップは日本経済の成長率を引き下げるとともにデフレ脱却の足枷となった。その結果、安倍首相は、【消費税率再引き上げ】(税率10%)の時期を当初の予定であった15年10月1日から1年半後の17年4月1日に延期した。
ところが、2016年4月に舛添要一東京都知事が辞任に追い込まれ、自民党に反旗を翻す形で小池百合子元環境相が立候補して、旋風を起こし、初の女性東京都知事に就任した。2017年の都議選では小池東京都知事が立ち上げた地域政党【都民ファーストの会】が都議選でも旋風を起こし都議会第一党の座を占めた。小池東京都知事が作り出した政治環境に対応するために安倍首相は【消費税率再引き上げ】の時期を2019年10月1日に再延期を余儀なくされた。
19年10月の消費税率引き上げは【標準税率10%】と【軽減税率8%】に分かれる。【軽減税率8%】の対象の品目となるのは酒・外食サービス以外の【飲食料品】と週2回以上発行の【新聞】である。日本の消費税率(外国では付加価値税)は諸外国の中では低い部類に分類されるが食料品の税率が高いので低所得層には負担が重いと言えるであろう。
総裁選での善戦で安倍首相に物申せる立場を確保した石破氏は消費税率引き上げには理解を示しているし、憲法改正案では安倍首相とは一線を画している。安倍首相が【消費税利引き上げ】の3度目の延期を決断すれば石破氏と一悶着あることになるし、憲法改正問題でも党内議論が喧しくなるであろう。
安倍首相としては来年7月の参院選前には【消費税率引き上げ】には言及できない。参院選で自民党が不利になるからだ。筆者の妄想にすぎないが安倍首相は11月の【中間選挙】で共和党の敗北を願っているのではなかろうか。共和党が下院で過半数を失えばトランプ大統領は【対中国強硬策】を軟化させ、日本やEUに対する自動車関税発動を断念する可能性が高まる。
【トランプリスク】が日本経済にとって脅威とならなければ安倍首相も【消費税率引き上げ】の予定通りの実施に踏み切るであろう。三回目の【消費税率引き上げ】延期はアベノミクスの失敗という評価を国民から下されかねないからだ。   (おわり)

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