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2018年9月 4日 (火)

既存の政党に拒否反応を示す一般国民

TBS系のJNN(ジャパン・ニュース・ネットワーク)が先週末(8月25~26日)に実施した世論調査によれば9月20日投開票の【自民党総裁選】に関しては安倍首相の支持率は41%、石破茂元幹事長の支持率は40%で拮抗した結果となった。今後、総裁選中に安倍首相と石破氏の討論会が実施されれば支持率が逆転する可能性は極めて大きい。
石破氏は対外的には庶民的感覚を失わず人気の高かった故田中角栄元首相の薫陶を受けた【最後の高弟】と呼ばれ、現在の日本政界では第一の論客であるという評価を受けている。総裁選では安倍首相の勝利は動かないと思われるが来年の参院選を考えた場合自民党は難しい選択を迫られることになる。安倍首相の支持率は自民党支持層では石破氏を圧倒しているが無党派層では石破氏支持46%、安倍首相支持29%と石破氏が大きく首相を引き離している。
8月中旬に実施されたNHKの月例政治意識調査では自民党の支持率35.6%、野党第一党の【立憲民主党】が5.6%で約1年で立憲民主党の支持率は半減した。問題なのは【支持政党なし】のいわゆる【無党派層】が46.2%と50%に近づき、【わからない、無回答】の3.8%を加えると50%に達したことだ。
JNNの調査での政党支持率では【自民党】30.5%、【立憲民主党】5.5%、【支持政党なし】54.2%となった。来年の参院選で【キャステイングボード】を握るのは過半数を超えた支持政党なしの【無党派層】になる。【無党派層】増大の原因の一つは国民の目から見た場合公平性を欠き、縁故主義政治を招来した安倍首相にある。
来年の参院選を考えた場合来年改選期を迎える参院議員にとっては今回の総裁選は悩ましい総裁選となる。無党派層に不人気な安倍首相で参院選は勝てるのかという懸念が出てきたからだ。自民党第3派閥の竹下派の参院議員21人全員が石破氏支持となった根本原因はここにある。
石破氏は総裁選で勝利できるとは思っていないであろう。石破氏は、総裁選後、新党設立を視野に入れていると言われている。国民の政治に対する絶望感は【無党派層の50%超え】に表れているのである。
【NEWSポストセブン】が8月28日に政治記者、評論家、学者52人による【戦後歴代最低の総理大臣】というテーマの実名アンケート調査結果の記事を配信した。
不名誉な第1位となったのは民主党政権時代の菅直人首相、2位が現職の安倍晋三首相、3位が民主党政権時代の鳩山由紀夫首相であった。この人選は国民が政治に絶望している原因を端的に表している。
野党には政権担当力がないことと現在の自民党政治は公平性が著しく欠落しているということだ。アンケート調査には表れなかったが国民の政治への絶望のもう一つの要因は一向に改善されない大都市と地方の所得格差である。【アベノミクス】で日本の経済は改善したかのように政府は喧伝しているが2013年から2017年の日本のGDPの推移を見れば政府の主張を鵜呑みできないことが理解できる。
【IMF】(国際通貨基金)の資料によれば安倍内閣が政権運営を始めた2013年の日本GOPは508兆7805億円、前年の498兆8031億円より約10兆円増えたがこの大きな要因は円安がもたらしたものである。2014年が510兆6010億円、2015年が517兆6010億円で15年までのGDPの増加も【円安】が大きく貢献している。2016年が522兆4568億円、2017年が531兆4043億円でGDPは数字の上では順調に拡大したことになっている。
ところが16年から日本は諸外国に遅れること6年でGDPの計算方式を国連が改定した新国際基準の計算方式を採り入れたのである。新しい計算方式では【研究開発費】をGDPに加算することになった。
日本の2016年の【研究開発費】は18.4兆円であるから旧来の方式では2016年のGDPは504兆円と前年比で2,5%のマイナスということになる。2017年の【研究開発費】は18.9兆円であるから2017年のGDPは従来の計算方式では約512兆7000億円で2015年のGDPを下回った状態で経済成長が続いたとは言い難い。日本は依然として低成長時代が続いているというべきであろう。    (おわり)


  

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