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2018年9月17日 (月)

安倍首相は日露領土問題で成果を挙げられるのか

9月11~13日まで開催されたロシアが主催する国際会議【東方経済フォーラム】に出席のため開催地ウラジオストク入りした安倍晋三首相は10日夜、ウラジミール・プーチンロシア大統領と2時間半にわたる日露首脳会談を行った。
【東方経済フォーラム】は2015年から開始された国際会議で毎年9月にロシアの極東地方の中心都市ウラジオストク(人口約60万人)で開催される。この会議の目的はロシア極東部への外国からの投資を促すためである。
首脳会談後、プーチン大統領は「この問題は何十年にもわたって協議されてきており、速やかに解決されると考えるのはナイーブ(訳注 世間知らずの、考えが甘い、といった意味)というものだ」と語ったとフランスの通信社【AFP】は報じた。
安倍首相は日露間に横たわる北方領土問題は自分が責任をもって解決すると述べてきた。しかしながら北方領土返還問題が一向に進展しないので安倍首相が考えている解決の着地点が見えてこない。
【北方領土】は千島列島南端の【歯舞群島】(はぼまいぐんとう)、【色丹島】(しこたんとう)、【国後島】(くなしりとう)、【択捉島】(えとろふとう)の4島を指す。第2次世界大戦が勃発した1940年には【歯舞群島】には5281人、【色丹島】には1499人、【国後島】には7364人。【択捉島】には3608人の日本人が居住していた。しかし、5年後の1945年の第2次世界大戦終了直後にソ連軍が北方4島に進攻して島民を追い出し、その後、現在まで83年間、ロシア人やウクライナ人が定住してロシアが実効支配を続けている。
第2次大戦後、当時のソ連邦、現在のロシア連邦は米国と敵対関係に入り1991年のソ連邦の崩壊まで【東西冷戦時代】が続いた。日本領土の北方4島はソ連邦の日本と米国へ向けた最前線の軍事基地であり、ロシア連邦に衣替えした現在でもその役割は変化していない。
北方4島の海域はロシアの潜水艦のミサイル発射基地であり、軍事的にロシアが北方4島を返還することは現時点ではありえないのである。それを理解していながら安倍首相は大見得を切っている。将来的にロシアが北方4島を日本に返還する時期が来るとしたらそれは米露間の対立が完全に解消し、北方4島の海域が軍事的な価値を失った時である。
プーチン大統領がこれまでに22回にも及ぶ安倍首相との日露首脳会談に応じてきたのは日本からの投資と技術援助を引き出したいからである。ロシア経済は原油や天然ガスなどの資源売却の収入に大きく依存しているために国家の収入が不安定なのだ。原油・天然ガスの生産の大半はロスネフチとガスプロムという国営企業が行っているために原油価格が高騰すれば国庫の歳入は急増し、原油価格が急落すれば国家財政は大幅な歳入不足となる。国家の歳入を安定させるには【脱資源】がロシアには不可欠でそのパートナーが日本海を隔てて隣接する日本ということになる。
ロシアには米国の協力を得ようとする選択肢はない。永年敵対してきた米国に協力を求めればプーチン大統領の支持率は急落することは必定である、そこで日本にお鉢が回ってきたのである。
安倍首相は【北方領土問題】で国民に淡い期待を持たせることを止めるべきであろう。   (おわり)

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