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2018年8月27日 (月)

対中追加関税の効き目なく苛立つトランプ大統領

中国の税関の総元締めともいうべき【海関総署】の2018年7月13日の発表によれば中国から米国への輸出総額は第1四半期(1~3月)が前年同期比14.8%増の999億ドル、第2四半期(4~6月)は前年同期比13.6%増の1179億ドルであった。
この数字から判断する限り3月23日に発動された鉄鋼・製品への25%、アルミニュウㇺ製品への10%の追加関税の効果は表れていない。もっとも米国の鉄鋼輸入量は2017年が3592万トンであるが中国からの輸入鉄鋼製品の占める割合は2.0%の78万トンで金額にして3億ドルであるから中国は追加関税の影響はそれほど受けないのであろう。
米国7月6日に中国製品340億ドル分に25%の追加関税を発動し、8月23日にはさらに中国製品140億ドル分に25%の追加関税を課した。しかし、3月末のドル/人民元の為替相場は1ドル=6.2人民元であったが8月26日の為替相場は1ドル=6.8人民元と人民元安となり、トランプ大統領は、8月22日にワシントンで【米中貿易戦争】の深刻化を避けるために2か月ぶりに再開された米中通商協議直前に「中國は完全に為替操作をしている。】と例のごとく激しく非難した。トランプ大統領の非難は、中国の輸入品に対して制裁関税を課しても人民元安が後押しして中国の輸出が一向に衰えない状況に苛立ちを覚えたからであろう。
米国は9月には制裁関税の第3弾として2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に追加関税を発動することになる可能性が高くなった。第3弾の制裁関税が発動されれば中国の輸出は減少するであろう。
7月6日に発動された340億ドル分の中国製品が米国の輸入に占める割合は7.22%にすぎなかったが8月23日に発動された第2弾は米国の輸入品全体に占める中国製品の比率は14.67%に上昇している。第3弾の比率は23.17%とさらに上昇するので中国の輸出量は9月の第3弾以降は確実に減少することになると思われる。
中国製品の輸入が減少することは廉価な中国製品が品薄となり、米国国民は値上がりした中国製品を購入することとなり、しわ寄せは米国の消費者に及ぶことになる。
ところで、米中通商協議で妥協点を見出すことは恐らく難しいであろう。現在、対中国の通商政策の実権を握っているのは対中国強硬派のロバート・ライトハイザー米国通商代表(USTR)とピーター・ナバロ国家通商会議(NTC)委員長と言われている。米中通商協議の米国側の担当者はライトハイザーUSTRで米国の主張を一方的に押し付ける交渉スタイルで知られているので米中通商協議が話し合いで解決する確率は非常に低い。そのために市場関係者の間でささやかれ始めた協議の着地点は【人民元】の切り上げ、つまり人民元高を実現することである。
1985年為替相場が固定制から変動相場制に移行した。これは【プラザ合意】と呼ばれているがこの結果、日本円は1ドル=230円から1ドル=120円と急激な円高となった。
米中通商協議は人民元高を中国に容認させることによって解決が図られるかもしれない。   (おわり)

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