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2018年8月 2日 (木)

EUが9月から導入の新燃費試験の対応が遅れたVW

欧州の自動車業界には新たな混乱が生まれている。その原因はEUが2018年9月から導入する新たな燃費試験【乗用車等国際調和排出ガス・燃費試験法】(WLTP Worldwide harmonirized Light vihicles Test Procedure)がその発端である。
【WLTP]】は乗用車および小型商用車(英: LDV:Light-duty Vehicle)の燃費や二酸化炭素および大気汚染物質の排出レベルについて、国際的に整合した標準試験方法を定めるものである。
これにより、現在は各国や地域が独自に設定している排出ガス・燃費の試験サイクル・試験方法が統一され、自動車メーカーは一度の試験で複数の国・地域での認証に必要なデータが取得可能となる。
2014年3月に、スイスのジュネーブで開催された国際連合自動車基準調和世界フォーラム 第162回会合において、【WLTP】は世界統一技術規則(GTR)として成立した。
【国土交通省】は2016年10月31日、日本国内の排出ガス燃費試験の基準を従来のJOBモードから2018年10月より【WLTP】に全面的に移行すると発表した。日本の【マツダ】は2017年型発売の車種【CX-3】が【WLTP】モード走行試験の認可を既に取得している。
EUでは2014年には【WLTP】への移行が決まっていたがドイツの【フォルクスワーゲン(VW)】と【ダイムラー】(ブランド名メルセデス・ベンツ)は【WLTP】への対応が後手に回り、【VW】は生産を一時停止、【ダイムラー】は今期の業績の見直しを余儀なくされた。
両社が【WLTP】への対応が遅れた原因は米国で排ガス不正問題を起こし、その後始末に時間を要したということだ。15年にVWの排ガス不正が発覚した後、VWはディーゼル車のソフトウエアの書き換えに追われた。ダイムラーも17年に300万台以上の無償修理を実施、18年に入っても当局から一部車種でリコールを指示され対応を迫られている。
ディーゼル不正問題が長引く中で、本来であれば新制度に対応するはずの試験部門の人員や設備が十分に確保できなかった可能性が大きい。
7月に入って【VW】は組み立て工場の周辺の土地確保に動いているという。生産した車両を検査が終わるまで新車を駐車して置くスペースが必要なためだ。確保した土地は【VW】の本社と工場の所在地のドイツの北西部州【ニーダ―ザクセン州】のヴオルフスブルグ市(人口12万3902人)、同州の北西端の貿易港で工場にあるエムデン市(人口5万486人2016年12月31日)、同州南部の【ハノーバー市】(人口53万2864人)、VWグループの高級車【アウディ】の本社・工場のある南部の州バイエルン州インゴルシュタット市(人口13万2438人)である。
【VWグループ】の2018年上半期(1~6月)の世界新車販売台数は前年同期比7.1%増の551万8600台で世界2位である。生産しても販売できないという想定外の事態に【VW】は追い込まれた。昨年に続いて世界新車販売台数一位は微妙な情勢になってきた。   (おわり)

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