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2018年7月29日 (日)

財務省最高幹部クラスの人事異動は財務省改革には効果なし

政府は7月27日、例年ならば6月下旬に発表する財務省の局長以上の最高幹部の人事異動を1月遅れで発表した。
今回の人事異動の遅れは社会問題化した大阪市の学校法人【森友学園】への国有地売却の決裁文書を改竄したという前代未聞の国家公務員服務規程違反の責任を最終的には誰に取らせるかという政治課題に結論を出すことに時間がかかったためであろう。
省庁の中の省庁と言われていた財務省の最高幹部がリスクの大きい公式文書の改竄を独断で部下に指示することはあり得ないのである。本来、小学校を開設する財政的な裏付けのない【森友学園】へ国有地が売却されたことは客観的にみて政権中枢部の政治家の指示があったことを意味するであろう。
国有地売却を担当する財務省理財局に支持を出せるとしたら現在の安倍政権の中では麻生太郎財務大臣、菅義偉官房長官、安倍晋三首相の3人に絞られるであろう。マスコミ報道から判断して麻生財務大臣が関与したという可能性は極めて低い。麻生財務相は自分は【森友学園】問題には一切かかわっていないという思いがあるから監督責任をマスコミから追及されても辞任しなかったのである。
安倍首相が直接犯罪と認定されかねない公文書改竄を指示することはあり得ないので改竄問題の黒幕は菅官房長官の可能性が想定される。
【森友学園】への決裁文書の改竄問題は佐川宣寿当時の理財局長を首謀者に仕立てて決着図った。佐川局長に菅官房長官の意思を伝えたのが当時の財務省大臣官房審議官の矢野康治現財務省官房長である。
矢野氏は安倍首相の選挙区山口4区の票田下関市の県立下関西高から一橋大学に進学している。2012年から3年間菅官房長官の秘書官を務め、2017年には【森友学園】問題の後処理の功績を評価され東大出身者以外では2人目(一橋出身者では初)の官房長に就任している。官房長経験者は主計局長に昇進後、財務省の事務方のトップ事務次官に昇進するする。2000年以降の事務次官経験者で官房長就任後主計局長を経験していないのは1人だけである・
ともかく矢野官房長は異例の出世をしたということになる。それを可能にしたのは2014年5月に誕生した【内閣人事局】で、官邸の意向で官僚の人事はいかようにもなるシステムが確立してしまったのだ。権力の行使は抑圧的であるべきであるが安倍政権ではそうした慎み深さが欠落しているようだ。
今回の財務省の人事異動では決裁文書改竄時の文書管理の責任者の官房長であった岡本薫明(しげあき)主計局長が事務次官に昇進し、決裁文書改竄問題で国会審議の矢面に立たされた大田充理財局長が主計局長に横滑り、事務次官級ポストの財務省No2のポスト【財務官】には浅川雅嗣財務官が留任、主税局長と国際局長も留任した。空席だった国税庁長官には国税庁次長の藤井健志氏が昇格した。
動静が注目されていた矢野官房長も留任している。矢野氏は来年の人事異動で主計局長に昇進すれば2年後の事務次官の最有力候補となる。
今回の人事異動は麻生財務大臣が続投となったことから官僚の責任を追及できない事態になった。佐川前国税庁長官をスケープゴートにしたことによって財務省は改革する意思がないことを国民に公表したようなものである。   (おわり)

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