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2018年7月 1日 (日)

トランプ政権の輸入制限措置国内製造業に影響が出始める

トランプ米政権が3月下旬に導入した鉄鋼の輸入制限が、米国製造業の経営に深刻な影響を与え出した。米国製造業の復活を選挙公約に掲げたトランプ大統領にとって想定外の事態が発生したことになる。
中国やEUなどの鉄鋼・アルミニュウㇺ製品へ高率の輸入関税を課したことによって原材料の仕入れ価格が上昇して米最大級のくぎ製造業者は倒産の危機に直面し、さらに米輸入制限に対抗するEUの25%の報復関税の対象となった二輪車大手、【ハーレー・ダビッドソン】は国内生産施設の一部を海外に移転すると表明しており、メーカーは対応に苦慮している。
米政府は、6月1日から日本や中国、欧州連合(EU)などの輸入鉄鋼に25%の追加関税を課したが米国内では昨年から高率関税という輸入制限措置を予測していたことから鉄鋼価格は昨年から大幅に上昇していた。その影響を受けてくぎ製造業者【ミッドコンチネントネイル社】は輸入コストが上昇し、経営危機に陥り、中西部ミズーリ州の工場で60人を【レイオフ】(一時解雇)した。米メディアは6月25日、米輸入制限措置の波紋の影響で解雇を迫られた国内初の事例として同社の【レイオフ】を一斉に報じた。
【ハーレー・ダビットソン】の生産拠点の海外移転計画の発表は【EU】の報復関税が引き金になったが米国の製造業の国内回帰を唱えていたトランプ大統領にとって想定外の痛手であろう・
輸入制限措置によって国内では製造業の倒産件数が増え、【EU】の報復関税によって米国製造業の生産拠点の海外移転が加速するという2つのリスクに晒される可能性が高まったと言えよう。
7月以降、中国とメキシコさらにカナダの報復関税が実行に移される。その影響は農産品や食料品、飲料に深刻な影響が表れることになるであろう。特に豚肉や牛肉などの食肉、チーズなどの酪農製品、オレンジジュースなどの果実飲料やバーボンウイスキーといったアルコール飲料は企業の経営に影響が及ぶばかりでなく、これらの製品の産地を選挙地盤とする与党共和党の上下両院連邦議員の中間選挙での得票数に深刻な影響を与えることになりかねない。
【EU】、【中国】、【メキシコ】、【カナダ】の報復関税の狙いは共和党の有力議員に圧力をかけて【米国の輸入制限措置】を1日も早く撤回させることである。中間選挙前に国内企業の倒産件数が上昇し、失業率が企業倒産と企業の生産拠点の海外移転が増えれば変わり身の速いトランプ政権は輸入制限措置を中止せざるを得なくなる。   (おわり)

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