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2018年7月27日 (金)

米EU貿易摩擦緩和の方向へ

アメリカのトランプ大統領が7月25日、ホワイトハウスで【EU】(ヨーロッパ連合)のジャン=クロード・ユンケル委員長と会談し、EU側がアメリカ産の大豆やシェールガス由来の液化天然ガスなどの輸入を増やすなど歩み寄る姿勢を示したために、焦点だったEUからのアメリカへの輸入車の関税上乗せでは、当面、EU車を対象から除外し、棚上げすることを示唆たことによってし、貿易摩擦の激化はひとまず避けらた。
ブラジルとともに生産量で世界1・2位を争うアメリカ産大豆の主要生産州は共和党と民主党の勢力が拮抗している【スイング州】と呼ばれるアイオワ、イリノイ、オハイオ、ミシガンの各州である。アメリカの大豆生産量は2015~16年が1億0686万トン、2016~17年が1億1692万トンと生産量が増加しているが生産量増大の最大の要因は中国の大豆輸入量が年々増大しているからである。
米国の2015~16年の国内消費量は5447万トンそれに対して輸出量は5286万トンと国内消費量が輸出量を上回っていたが2016~17年には国内消費量が5552万トンに対して輸出量は5916万トンと国内消費量と輸出量が逆転し、2017~18年の予測では国内消費量5664万トンに対し輸出量は6056万トンとその差は拡大する傾向にある。
2016年の米国の対中国輸出量は3417万1000トンで中国の輸入量に占める割合は40.7%、、それに対してブラジルの中国への輸出量は3820万5000トンで45.5%である、2017年はブラジルの輸出量の中国の大豆輸入量に占める割合は53.4%に対してアメリカの大豆のシェアは33.5%であった、中国の報復関税の期間が長引けばアメリカの大豆生産農家は膨大な損害を被ることになり、中間選挙で共和党の勝利に暗雲が垂れ込めることになる。アメリカは世界最大の農産品輸出国であるからだ。
【報復関税】によってアメリカ産大豆は価格競争でブラジルやアルゼンチン、カナダ産大豆に太刀打ちできなくなる。それを見越して【EU】はトランプ大統領に助け舟を出したのである。【EU】の大豆消費量は2015~16年は1532万トンでそのうち1370万トンを輸入に依存している。輸入先はブラジルとアルゼンチンでアメリカからの輸入はごく少量である。そこで【EU】はアメリカ産大豆の輸入量の増量を提案したのだ。
だがEUは国家の連合体で【EU】加盟国の承認を得るには手続きが煩瑣なうえに、輸入業者は民間で経済合理性に基づかなければ【EU】の首脳が口約束してもそれが成果を上げるという保証はない。
【EU】としてはアメリカへのEU車の輸出関税の上乗せを当面回避したいのである。当面の【EU車】への関税上乗せは回避できたということになるが問題が解決したわけではない。   (おわり)

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