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2018年5月14日 (月)

新時代の国際競争に突入した自動車業界

【トヨタ】は5月9日、東京本社(東京都文京区後楽1-4-18)で【2018年3月期(2017年4月1日~2018年3月31日)決算】の説明会を実施した。
2018年3月期の売上高は前年比17.82%増の29兆3998億円、【営業純利益】は過去最高の前期比36%増の2兆4939億8300万円である。因みに前期【2017年3月期決算】(2016年4月1日~2017年3月31日)の売上高は前期比2.8%減の27兆5971億9300万円、【営業純利益】は前期比26.5%減の1兆8311億0900万円であった。
【当期の純利益】の予測は2017年末の時点で約2兆円であったが米国がトランプ大統領の肝いりで【連邦法人税】の税率を35%から21%に引き下げたことから最終純益は2兆4939億8300万円となった。
過去最高の営業純利益に貢献したのは「①連邦帆人税率の引き下げ、②為替差益、③原価改善効果」である。①によって利益は2919億円の増加、②は円安・ドル高で2017年4月~2018年3月の通期の円/ドルの為替相場は1ドル=111円で前期比で3円安で為替差益は2650億円、③の原価改善効果は1650億円であった。日本の自動車メーカーの共通の課題は利益が円/ドルの為替相場に左右されることである。
【トヨタ】の当期の世界新車販売台数は前期の1025万台より19万台増えて1044万1000台で、来期販売台数目標は1050万台である。トヨタの主要市場である米国と中国での今年の1~4月の累計販売台数は、アメリカが昨年同期より2万9829台増えて76万4381台、中国が3万5400台増えて43万9800台であるから目標の1050万台の達成は十分可能であるのでトヨタの来期の純利益は2兆円台を確保できる可能性が高い。
不安材料は円高が進み1ドル=110円以下の為替相場が続くことと、連邦法人税率の引き下げは財源の確保の見通しが立っていないので中間選挙後は連邦帆人税率を元に戻す可能性が否定できないことだ。
【トヨタ】は将来の生き残りを賭けて【自動運転】、【電動化】、【コネクテイッドカー(つながる車)といった新分野の研究開発に多額の投資を続けることになる。来期は1兆0800億円を見込んでいる。新分野の投資は短期間で結果が出るものではないので企業の体力勝負になる。つまり【研究開発】にどれだけの金額を投入できるかが今後の競争力を左右することになる。
【トヨタ】の資金力は同業の自動車メーカーの中では群を抜いているが新たな分野に参入してくるグーグルなどの異業種のIT業界の巨人たちに比べるトヨタの資金力は見劣りする。その不安を抱えているからこそトヨタは今回の決算説明会に金融関連業の銀行と保険業界の幹部の決算説明会参加を要請したのである。
自動車産業の未来は不透明である。トヨタと言えども新分野での国際競争に勝てるという保証はない。   (おわり)

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