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2018年4月13日 (金)

トランプ大統領中間選挙対策で農業団体に配慮

ホワイトハウスのウォルターズ副報道官は4月12日の声明で、トランプ氏が【米通商代表部(USTR)】のライトハイザー代表と【米国家経済会議(NEC】のクドロー委員長に対し、「(TPPが)より良い協定になるよう交渉できるかどうか、再検討するよう求めた」と公表した。一方、トランプ大統領はは同日、ツイッターに「TPPがオバマ大統領に提示されたものより、大幅に良いものになる場合に限って参加する」と投稿した。(ヨミウリオンライン4月13日投稿より引用)
トランプ大統領の本音はTPPに復帰する意思は薄弱である。TPPに復帰すればトランプ大統領は最大の支持基盤である【ラストベルト地帯】の白人の製造業従業員の支持を失うリスクがあるからである。しかしながら共和党で自由貿易を支持する議員はアジアで対中国の包囲網を築くためTPP復帰を政権に働きかけてきた。農業が盛んな州では、米国抜きでTPPが発効すれば、オーストラリア産牛肉などとの輸出競争で米国の農産品が不利になるとの危惧があるからだ。
農業団体もトランプ大統領にとって切り捨てることはできない有力な支持団体なのである。そのためには【農業団体】に配慮する発言が必要なのだ。米国がTPPに復帰せず、中国の知的財産侵害を理由に米国が制裁関税課せば中国が農産品に報復関税を課すことになる。その結果、米国の畜産業者は中国と日本という米国畜産業者にとっては2つの大市場を失うことになる。
米国は牛肉と豚肉の輸出大国である。豚の【繁殖農家】、【育成農家】,【肥育農家】を合わせた農家は年々減少傾向にあり、資料は古いが2012年の統計では養豚農家数は約6万8000戸であった。現在は6万5000戸程度にまで減少している可能性がある。農家の戸数は減少しているが規模は拡大していて5万頭以上飼育している大規模養豚農家は145戸である。養豚業の中心地は【アイオア州】でその他ミネソタ州なども養豚が盛んである。
牛肉の生産も米国は盛んで肉用経産牛と肉用肥育牛は3033万頭で、飼育が盛んなのはテキサス州、オクラホマ州、ネブラスカ州、サウスダコタ州、カンザス州、アイオア州、コロラド州などである。
トランプ大統領が農業団体に配慮を示し始めたのは昨年11月のバージニア州知事選、12月のアラバマ州上院補欠選、今年の3月のペンシルベニア州第18選挙区の下院補欠選挙で3連敗し、しかも上院補選と下院補選では負けるはずがないと思われた戦いで敗北を喫したのである。トランプ氏の人気が衰えたことを如実に物語っている結果となってしまっや。
11月の中間選挙では農業団体の指示が得られなければ政権与党の共和党は下院で過半数を下回る可能性が高いのである。下院で過半数を獲得できなければ米連邦議会では【ねじれ】現象が起きてトランプ大統領の政策は実現不能に陥りかねない。
今回のトランプ大統領のTPP参加の再検討指示は11月の中間選挙まで農業団体の共和党支持を繋ぎ止めておくためのリップサービスにしか過ぎないのかもしれない。   (おわり)

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