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2018年3月 7日 (水)

米国の鉄鋼・アルミ輸入関税は中間選挙向けの政治ショーか

トランプ大統領は3月1日、ホワイトハウスに米国の鉄鋼・アルミ製造の大手企業の幹部を招集し、鉄鋼・アルミ企業の工場の稼働率を高めるために輸入鉄鋼製品には25%の、輸入アルミ製品には10%の輸入関税を課すると伝えてた。1カ月前の2月1日に大手鉄鋼企業数社が署名した輸入した鉄鋼製品への関税を要望する嘆願書に対する回答ということになる。
米国の粗鋼生産量は住宅バブルがピークに達していた2007年には09810万トンであったが2015年には約2000万トン減少して世界第4位の7891万トンである。日本は第2位の1億515万トンであるが1位中国は8億380万トンので日本の約7.6倍の生産量である。中国の鉄鋼メーカーは国営企業なので需要に関係なく従業員の給与を減らさないために生産制限とは無縁であるために在庫が積み上がるのである。
鉄鋼メーカの粗鋼生産量ランキングの1位はルクセンブルグに本拠を置く【アルセロール・ミッタル】が9546万トン、2位が合併した中国の【宝武鋼鉄集団】が6351万トン、、日本の【新日鐵住友】は4位で4616万トン、ベストテンには中国の国営企業が5社がランクインしている。日本は2社。
米国は電炉メーカーの【ニューコア】が11位で2195万トン、かつては米国繁栄の象徴であった【USスチール】は24位で1422万トンにしか過ぎない。10年前の2006年の生産量が2125万トンであったから10年で生産量が700万トン減ったということになる。
【USスチール】は1901年に設立された名門企業でトランプ大統領誕生に貢献した【ラストベルト地帯】の中心となるペンシルベニア州ピッツバーグ市に本社を置き、ラストベル地帯を形成している8州のうち4州で高炉による粗鋼を生産している。
いわば今回の輸入関税は11月に実施される中間選挙で共和党に勝利をもたらすための政治ショーという側面は否定できない。
昨年の米国の鉄鋼製品の輸入量は3592万トンであるが、米政府がターゲットにしている中国からの輸入量は78万トン、国別の輸入量では11位にである。但し、米国政府は中国は韓国や台湾などを経由して輸出している迂回輸出をしているという見解を採っている。
日本は178万トンを輸出してるが日本の鉄鋼製品は高付加価値の鋼鉄のパイプで原油や天然ガス採掘用のパイプでアメリカの鉄鋼メーカーは製造不能である。
今回の輸入関税を課すために米国内法の【通称拡大訪232条】を適用することになる。この国内法は国家安全保障を輸入制限発動の根拠にしている。
日本の鉄鋼メーカーは関税を適用されてもさほど米国市場では影響を受けないが日本の鉄鋼メーカーの幹部が危惧しているのは、関税を課され米国への輸出が減少する他国の企業が日本の最大の輸出先である東南アジア市場でダンピング合戦を繰り広げその影響が日本のメーカーの輸出量の減少に結び付くことことであろう。
米国が輸入制限を実施すればEUなどは報復措置として米国製品に関税を課すことになり、その影響はブーメラン現象となって米国経済に打撃を与える。
米国の与党共和党の議員の間には関税反対の動きが広がりつつあるという状況だ。   (おわり)

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