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2018年3月23日 (金)

アメリカは関税によって貿易不均衡を是正できるのか

アメリカのトランプ政権は、日本時間の3月23日の午後1時すぎ、中国の過剰生産により鉄鋼製品やアルミニュウㇺが低価格で輸入されていることがアメリアの安全保障上の脅威になっているとして異例の輸入制限措置を発動した

トランプ大統領は22日、大統領令に署名をし、中国による知的財産権侵害への制裁措置としてライトハイザー米通商代表部(USTR)代表に少なくとも500億ドル相当の中国製品への関税賦課を指示した。【USTR】は関税引き上げ対象リストを15日以内に取りまとめるという。
しかしながら自由貿易協(「FTA)を締結している【EU】(ヨーロッパ連合),、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、メキシコ、韓国の7つの国と地域を当面、除外したがその一方で、日本を制裁対象に含めていて、国内外の反発にもかかわらず関税賦課を強行することになった。
日本の米国向けの鉄鋼製品は日本の鉄鋼輸出量の2%にすぎず、しかも日本の米国への鉄鋼輸出品は原油輸送用のパイプなどの米国鉄鋼メーカーが生産不能な製品である。それ故日本の鉄鋼メーカーは今回の措置でそれほど影響を受けることはない。
輸入制限措置の標的とされた中国は23日、米国との貿易戦争を恐れていないと表明した上で、米国からの鉄鋼や豚肉などの輸入品30億ドル(約3100億円)相当に相互関税を課す計画を発表した。中国などからの鉄鋼・アルミニウムへの米輸入関税に対する最初の反撃となる。中国の計画が実施されれば【米中貿易戦争】の勃発となる。
ところで、中国をターゲットにした知財制裁関税の大統領令署名が報じられるやニューヨーク株式市場で【S&P500種株価指数】の終値は2..5%の大幅な値下がりとなった。、これは6週間で最大の下げである。
【S&P500種株価指数】の下落を受けて輸出関連株を中心に日本や香港の株価指数も大幅に下落し、3月23日の東京株式市場の【日経平均株価】は午後一段安となり、取引時間中の下げ幅は一時1000円を超えた。終値は前日比974円13銭(5%)安の2万617円86銭と、昨年10月以来の安値となった。世界の株価は15日後の【USTR】関税引き上げ対品との発表待ちとなるので当面は小幅な値動きとなる可能性が高い。
円相場は対ドルで上昇し、2016年11月以来となる1ドル=104円台に突入したがその原因は米中貿易戦争に対する懸念や輸入制限措置を巡る与党共和党内の対立など米政権に対する不安から円買いが進んだ結果である。
トランプ大統領の【輸入制限措置】の真の狙いは11月の中間選挙対策である。まだ最終結果が発表されていないが3月13日投開票のペンシルベニア州第18選挙区の下院補選で共和党候補の敗北の可能性が極めて高い。
この選挙区は共和党の地盤で、16年の大統領選でトランプ大統領はクリントン氏に20ポイントの大差をつけて圧勝した選挙区である。
ラストベルト地帯に含まれるペンシルベニア州などの製造業の労働者向けに【アメリカファースト】を今一度中間選挙向けに訴える必要がトランプ大統領にはあるから【輸入制限措置】に踏み切ったということだ。
【関税賦課】では米中の貿易不均衡是正にはならない。米国にとって必要なのは製造業が技術革新に邁進し、高付加価値の製品を製造することであろう。   (おわり)

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