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2018年1月26日 (金)

トランプ大統領TPPに関する発言の真意は何か

毎年1月下旬に世界各国の首脳や経済閣僚、著名な企業経営者、経済の専門家などが参加する【世界経済フォーラム】が今年は1月23=26日の日程で開催されている。アメリカのトランプ大統領はアメリカ大統領として18年ぶりに参加している。このフォーラムはスイス東部のリゾート地として知られる人口1万1000人の基礎自治体【ダボス】で開催されるところから【ダボス会議】とも呼ばれる。
1月25日、トランプ大統領はダボスで、米国のビジネスニュース専門テレビの【CNBC】テレビ(Consumers News and Business Channei)のインタビューで昨年離脱した環太平洋連携協定(TPP)に米国が復帰する可能性について「以前よりももっと良い協定にできるならTPPに加わるだろう」と発言した。「ひどい協定だった。NAFTA(北米自由貿易協定)もひどい協定だったため再交渉している」とも付け加えている。
トランプ大統領はダボス会議に出席しているが、地球温暖化対策の枠組みを決めた【パリ協定】からの脱退やアメリカが主導して成立させた【TPP】からの離脱を実行していることからトランプ大統領が掲げる通商保護主義の「アメリカ第一主義」は、ダボス会議の趣旨には反しているため、歓迎されない雰囲気がある。ドイツのメルケル首相やフランスのマクロン大統領はトランプ大統領の【保護主義】をけん制する発言を行っている。
トランプ大統領は大統領就任直後の昨年1月下旬に「TPPから永久に離脱する」という内容の大統領令に署名した。その結果、TPPは長期間塩漬け状態になる危機に陥ったが、日本がリーダーシップを発揮して残った11カ国は協定を一部修正して2019年には発効させることで合意した。。「米国抜き」のTPP成立はあり得ないと高を括っていたトランプ政権は予期せぬ展開に困惑しているというのが真相であろう。
現在、日米間の貿易では米国産の牛肉には38.5%という高い関税が課sられているがTPP11の発効後にはアメリカの食肉業者の最大のライバルのオーストラリアの食肉業者が生産した冷凍牛肉には最大でも関税9%が課されるにすぎない。これでは米国の食肉業者は日本市場ではオーストラリアの食肉業者に太刀打ちできない。
TPP離脱後、アメリカの産業界は危機感を抱いてTPPへの復帰をトランプ政権に働きかけてきたという。なかでも共和党の大票田である食肉業者は千載一遇のビジネスチャンスの到来を無に帰さないために熱心にロビー活動を展開してきたのだ。
トランプ大統領のダボスでのテレビインタビューでの発言は米産業界へのリップサービスという側面とEU首脳の米国への警戒感を和らげる効果を狙ったという側面があるのであろう。
トランプ大統領は【TPPから永久に離脱すると】と大見栄を切った以上わずか1年でTPP復帰に舵を切るとは考えにくい。そのような観点からトランプ大統領のTPPへの復帰を示唆した発言に日本の政界ではその真意を訝しがっているのである。いずれにしてもトランプ大統領の【アメリカ第一主義】の前途には早くも暗雲が立ち込めたということであろうか。   (おわり)

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