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2018年1月25日 (木)

地球温暖化対策に反するトランプ大統領の政策は妥当なのか

ドナルド・トランプ米大統領は政権発足後68日目の2017年3月28日、地球温暖化対策を目的とする規制を見直し、国内の化石燃料産業の振興を目指す大統領令に署名した。トランプ氏は昨年の大統領選で、米国の石炭産業を復活させると公約していたからである。
アメリカの石炭生産量は2014年以来3年連続で減少している。2014年の生産量は9億9910万ショートトン(st)、2015年が8億9540万st、2016年が7億3870億stであった。2016年と17年(予想値)の生産量を地域別にみると、【東部地区】が1億8260万st,と8870万st、【中部地区】が1億4960万stと1億6060万st、【西部地区】が4億065万stと4億2440万stとなっていて17年の予想生産量は3480万増えている。
石炭産業が斜陽化している最大の原因はシェールガスの掘削技術が進歩してシェルガスの生産価格が下がり、15年の後半から原油価格の暴落に連動してシェールガスの価格が大幅に下落し石炭価格との差が縮小したために石炭の需要が減少したのである。
アメリカでは石炭の消費量の約95%は火力発電所である。燃料効率から言って価格にそれほどの差がなければ火力発電相は燃料としてCO²の排出量が少ないシェールガスを購入することになる。
アメリカは石炭の輸出国であるが主な輸出先は輸出量が多い順から【オランダ】、【ブラジル】、【インド】、【カナダ】、【日本】、【韓国】などであるがすべての国の輸出量が年々減少している。その結果、輸出量は14年が9730万st,、15年が7400万st、16年が6063万stと減っている。
アメリカの石炭の生産量は2018年には14年比で27%、消費量で39%減少すると経産省管轄の独立行政法人【石油天然ガス・金属鉱物資源機構】(JOGMEC)は試算している。
【地球温暖化対策】の枠組みを決めた【パリ協定】が発効したことによって温暖化の元凶とされるCO²の排出量を削減するという流れが世界の趨勢である。トランプ大統領はその流れに竿を指したのである。アメリカの大統領の影響力は絶大であるがこの【パリ協定】の離脱と化石燃料業界を保護するというトランプ大統領の政策は自らの再選を果たすことを目的とした利己的な政策で妥当性がない。
【ロイター】は1月19日、石炭産業の労働者の雇用状況について『 トランプ米大統領が再生を目指す石炭セクターの雇用は昨年、全体では小幅に増加したものの、主要生産地の多くで減少し同氏の取り組みがつまずいたことが明らかになった。
ロイターが入手した鉱山安全保健局の未発表の暫定データによると、国内全体の石炭鉱業の雇用者数はトランプ大統領の1年目に771人増加し、5万4819人となった。
アパラチア山脈周辺の州が主導し、ウェストバージニアで1345人増となったほか、バージニア、ペンシルベニアなどでも増加した。
しかし、オハイオ、ケンタッキー、メリーランドといった他のアパラチア地方の州や、パウダーリバー盆地が広がるモンタナ、ワイオミング両州、さらにインディアナ、ニューメキシコ、テキサスなど他の一部の州では雇用は減少した。
減少が最も大幅だったのはテキサス州で455人。次いでオハイオ州の414人となった。
昨年96人増だったペンシルベニア州も、デーナ・マイニングが約400人を雇用する鉱山を閉鎖すると今月発表したことから近くマイナスに転じる見込みだ。
労働統計局のデータによると、米石炭セクターの雇用は1980年代半ばの3分の1足らずで、依然として歴史的低水準付近。より安価な天然ガスに市場シェアを奪われている。』と配信した。
時代の趨勢に逆らう政策は成功しないであろう。   (おわり)
   

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