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2017年10月23日 (月)

曖昧な立ち位置の政党には風が吹かなかった衆院選

10月22日投票の衆院選の開票の結果、前回の衆院選(2014年12月)よりも定数が10減少したにもかかわらず自民党が前回の283議席を1議席上回る284議席を獲得して連立相手の公明党の29議席をプラスすると313議席となり、憲法改正の発議に必要な衆議院の3分の2(310議席)を超える議席を確保した。選挙結果は自民党の圧勝と言えよう。
選挙戦直前に民進党リベラル系(左派)の議員が結集して立ち上げた【立憲民主党】が選挙前の議席15議席の3倍を超える55議席を獲得して野党第一党となった。しかしながら【立憲民主党】は野党第一党としては戦後最小の勢力である。
今回の【立憲民主党】の大躍進の原因は憲法改正に関する立ち位置が共産党とともに自民党と正反対の立場の改正反対(護憲)で明確であったからだ。つまり反自民の受け皿になったということである。だが投票率が53%台と戦後2番目の低さであったことから受け皿の役割を十分果たしたとは言い難い。
保守中道を標榜した【希望の党】は準備期間不足と2つの希望の党幹部の発言が有権者の反発を買い選挙前の議席57を6議席下回る結果となった。敗戦の原因とされる発言の一つは小池氏の側近で小池東京都知事誕生に貢献した若狭勝氏(東京10区)の【次の次(の衆院選)に政権を狙う」という発言で【希望の党】に期待していた有権者が離れてしまったと思われる。若狭氏は2014年の第48回選挙で比例東京で当選した政治経験が乏しい政治家で本音を語ってしまったということであろう。
2つ目は小池百合子希望の党代表の「民進党議員全員を受け入れるわけではない」という排除の論理を明確にした発言である。民進党リベラル派は護憲派なので憲法改正賛成の立場に立つ【希望の党】とは相いれないので小池代表の発言は誤りではないが発言のタイミングが早すぎたのである。
今回の衆院選は【保守(自民党)】、保守中道の【希望の党】、革新色の強い【立憲民主党】の三極の争いであった。
三極に分裂した場合中道の主張は曖昧となり、有権者の共感を得るのは甚だ難しいのである。【希望の党】と歩調を合わせた国政政党でありながら大阪府限定の地域政党の色合いが濃い【日本維新の会】もカリスマの橋下徹前大阪市長を欠き、【森友学園問題】で大阪の有権者の不興を買ったこともあり、選挙前の14議席から4議席減の10議席となった。
今回の選挙で【立憲民主党】の出現に一番影響を受けたのは【共産党】である。護憲が明白な政党を支持したい有権者にとって民進党は憲法改正に関しては曖昧な政党であると感じていた。そのために不本意ながら共産党に投票していたのである。ところが【立憲民主党】が誕生したために不本意に共産党に投票していた有権者が大挙して立憲民主党】に移動したのである。
今回の選挙では議席が増えたのは厳密に言えば【立憲民主党】だけである。自民党は1議席が増えたがこれは【立憲民主党】が比例の候補者不足で自民党に1議席回ってきたのである。今回の選挙では【憲法改正】問題が争点の一つとなったため【立憲民主党】に風が吹いたが次回の選挙では【憲法改正問題は決着がついていると思われるので【立憲民主党】に風が吹く可能性は低い。   (おわり)

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