« 都議選自民党歴史的惨敗 | トップページ | 日本・EUの経済連携協定に関する閣僚協議で大筋合意に達する »

2017年7月 5日 (水)

米自動車市場の販売減は米国の雇用政策の転換となるのか

米調査会社【オートデータ社】は7月3日に2017年6月の米国新車販売台数を発表した。6月の販売台数は前年同月比3.0%減の147万4360台、1~6月の累計販売数は前年同期比2.1%のマイナスの845万2453台となり、自動車アナリストの予測では2017年通期の販売台数は1700万台を割り込むことが確実になった。
昨年の販売台数は史上最高の1755万台であったが今年に入ると一転して販売減に見舞われ出した。
1月の上位10社の販売台数は前年同月比で「【①GM(米)-4.8%】、②【フォード(米)-5.0%】、【③トヨタ(日)+2..1%】、【④FCA(イタリア)-7.4%】、【⑤日産(日)+2.0%】、【⑥ホンダ(日)+0.8%】、【⑦起亜(韓国)-10.3%】、【⑧現代(韓国)-19.3%】、【⑨スバル(日)+11.2%】、【⑩メルセデスベンツ(独)+1.7%】」であった。
【スバル】だけが2桁台の伸びとなったのはSUV(スポーツ用多目的車)の販売が好調であったためだ。1~6月期の販売不振の要因は乗車部門の販売台数が前年同期比で11.4%減ったことだ。SUVの4.7%層では補いきれなかった。
自動車の販売台数の減少は2008年9月に起こった100年に1度の金融危機といわれた【リーマンショック】により落ち込んだ自動車買い替え需要が2010~2016年の7年間で一巡したことと金融機関が信用力の低い顧客への融資を引き締めていることによっで起きたのである。
アメリカを代表する製造業の自動車産業の不振は今後失業率を高める要素となりうる。トランプ大統領は6月1日に地球温暖化対策の国際的な枠組みを決定した【パリj協定】からの離脱を表明した。トランプ大統領の狙いはアメリカの伝統的なエネルギー産業である【石炭産業】の保護と新興エネルギー産業である【シェールオイル】と【シェールガス】の採掘の拡大である。
【パリ協定】からの離脱によって【石炭産業】は短期的には延命することになるがアメリカでは【石炭】の用途は95%が火力発電用の燃料である。しかしながら火力発電の燃料は今後【シェールガス】が主力となっていく。将来的には【石炭】の需要は大幅に減少する可能性が高い。
トランプ大統領が選択した【パリ協定離脱】は地球温暖化を促進する【二酸化炭素】排出量を削減するという国際的な潮流に逆らうものである。この選択によって伝統的な産業を保護したことはアメリカの新たな産業を育成して新たな雇用を創出する方策を先送りしたことを意味する。
だがアメリカは世界でも地方自治が最も成熟した国家の一つである。トランプ大統領の【パリ協定】離脱宣言に対して米国のGDPの20%を占める【ニューヨーク州】、【カリフォルニア州】。【ワシントン州】の3州の知事は連邦政府に反旗を翻し、【パリ協定】を遵守する独自の環境政策を採ると宣言している。ボストンなど全米85の都市の市長も3州の知事に追従する動きを見せた。さらにマイクロソフト、グーグル、アップル、フェイスブックといった有力IT関連企業のCEO(最高経営責任者)が【パリ協定離脱】に反対を唱えている。【ABCニュース/ワシントンポスト」による共同世論調査によれば有権者の59%が【パリ協定離脱】に反対している。
トランプ大統領の【パリ協定離脱】宣言は有名無実化する可能性がある。   (おわり)

|

« 都議選自民党歴史的惨敗 | トップページ | 日本・EUの経済連携協定に関する閣僚協議で大筋合意に達する »

16アメリカ問題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 米自動車市場の販売減は米国の雇用政策の転換となるのか:

« 都議選自民党歴史的惨敗 | トップページ | 日本・EUの経済連携協定に関する閣僚協議で大筋合意に達する »