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2017年6月18日 (日)

中国はパリ協定遵守のリーダーになる覚悟があるのか

地球温暖化の元凶とされる【二酸化炭素】(CO2)排出量大国の中国とアメリカが【地球温暖化】対策の国際ルールである【パリ協定】の締約国となり2016年11月に【パリ協定】は発効した。
これまでアメリカと中国は自国の産業の発展を優先させて国際的な地球温暖化対策の推進には非協力的であった。だがオバマ大統領は環境問題には積極的に取り組んでいたためにパリ協定に署名した。【パリ協定】は二酸化炭素の削減目標を各国が独自に設定し、一定期間内にその目標を達成できなくても罰則はないということもあってアメリカも中国もパリ協定に署名し易かったという側面があった。
オバマ大統領の後任となったドナルド・トランプ大統領は選挙公約に米国中西部のラストベルト(錆び付いた工業地帯)の白人労働者の雇用を守ることを掲げ、【パリ協定】からの離脱を明言していた。【パリ協定】が目指している二酸化炭素の削減量を達成することは旧来の製造業を疲弊させ、白人労働者の雇用を奪いかねないからだ。
戦後誕生したアメリカ大統領の中で就任時の支持率が最も低い(41%)トランプ大統領は今後の政権運営のためにも1年半後の中間選挙のためにもトランプ大統領は最も強固なトランプ大統領の支持基盤である中西部の白人労働者の支持を繋ぎ止めるためにも【パリ協定離脱】の道を選択した。
トランプ大統領の【パリ協定】からの離脱宣言によって【パリ協定】遵守の推進のリーダー役のお鉢が二酸化炭素の最大の排出国中国に回ってきたのだ。中国は1990年代から経済発展に邁進した代償として北京や上海などの大都市で深刻な大気汚染を引き起こしている。そのために中国政府としては建前としてEUとともに【パリ協定遵守】の旗振り役を演じると明言している。しかし中国政府の見解を額面通りには受け取れない
中国の国民は自国の汚染された空気や水に嫌気がさしているが、オフィスや工場では環境を無視するための代償をいまだに支払っている。環境を浄化する技術をを否定する中国人はほとんどいないであろう。再生可能エネルギーや電気自動車のような新しい産業は、雇用とGDPを押し上げる要因となる。他の歓迎すべき波及効果は、石油輸入の減少やエネルギー効率の上昇が挙げられる。
しかしながら、環境技術分野における固定資産投資が成長を支える一方、汚染対策にかかる費用は、低迷した2016年の中国経済を支えた従来の鉄鋼、セメント、板ガラスなどの産業が負担しなければならない。
【ロイター】は6月17日午後、環境技術の費用負担について『中国環境保護省と南京大学の研究によれば、北東部の工業地帯では、重工業への締め付けによって、向こう4年間で20万人近くの雇用喪失と、2830億元(約4.6兆円)相当の国内総生産(GDP)低下を招く恐れがある。また、中央銀行の調査によると、2020年までの環境目標に対する投資には、少なくとも年間2兆元(約32.4兆円)が必要だという。
11兆ドル(約1178兆円)規模の経済大国にとって、耐えられない重荷ではないはずだが中国政府はその実現にてこずっている。例えば、再生可能エネルギー事業者への補助金をちゃんと出しておらず、昨年は88億ドル不足していた。
環境に配慮した事業に資金使途を限る債券グリーンボンドを含む、いわゆる「グリーンファイナンス」構想は進化しているが、水準と透明性に関しては根強い懸念がある。』と配信した。
【パリ協定遵守】は中国の産業構造の大規模な転換を意味するので中国政府にとって簡単ではないのである。   (おわり)


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