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2017年5月28日 (日)

共同宣言で体裁を取り繕った先進国首脳会議

イタリア南部のシチリア島のタオルミーナで5月27日午前(現地時間)に開幕した先進国首脳会議(タオルミーナ・サミット)は28日午後閉幕した。
日米欧の主要7カ国(G7)は北朝鮮やテロ対策など外交・安全保障分野では共同歩調を維持できたが、事前に想定されたように【貿易】や【温暖化対策】問題に関しては初参加したトランプ米大統領に翻弄され、G7の結束が乱れた。
トランプ大統領は大統領選中に【保護貿易】を唱え、カナダとメキシコとの間で締結している【NAFTA(北米自由貿易協定)】とアメリカが主導して大筋合意に達していた【TPP(環太平洋経済連権威協定)】からの離脱を主張していた。トランプ大統領は就任直後に大統領令に署名して【TPP】離脱の手続きを完了している。
さらに気候変動に起因する温暖化対策の国際的な枠組みである2015年12月月に決定した【パリ協定】からの離脱も選挙公約であったがトランプ大統領は3月28日、バラク・オバマ前政権の温暖化対策を撤廃する大統領令に署名した。
トランプ大統領が署名した大統領令は、アメリカの二酸化炭素排出量縮減に向けてバラク・オバマ前大統領が取り組んでいた対策の大部分を無効にする。大統領令ではオバマ前大統領が2013年に策定した温室効果ガス排出削減策「クリーン・パワー・プラン」の再評価を環境保護局(EPA)に命じている。トランプ大統領は大統領令に署名した理由について「石炭作業員やエネルギー供給に携わる労働者、企業にとって、この規制はアメリカの産業に壊滅的な打撃を与えた」と述べている。
トランプ大統領の【貿易】や【温暖化対策】に対する取り組み方は到底G7に参加している他の6カ国首脳の共感は得られなかった。
【日本経済新聞】(電子版)は28日深夜、貿易問題に関するEUとアメリカの激しい議論の応酬について『 「大変な議論があった」。議長国イタリアのジェンティローニ首相は27日、サミット閉幕後の記者会見でこう明かした。首脳間で激しいやりとりとなったのは、貿易問題と地球温暖化対策。同首相は米国と他の6カ国の溝が大きかったとの見方を示した。
議長国イタリアは事前協議から対立が根深かった貿易と気候変動の討議を初日の最後のテーマに設定。首脳討議を経て、事務方が夜通しで首脳宣言の文言調整を進める戦略だった。だが、各国への説得工作は難航。日本政府同行筋によると「(閉幕直前の)2日目の昼ごろにようやくまとまった」という。
初日に開いた貿易の討議。欧州首脳は「保護主義的な措置は貿易拡大を阻害する」とトランプ氏に呼びかけたが、トランプ氏は逆に「米国の関税が低いなら他国も同じにすべきだ」と関税引き下げを要求。米製品に高関税を課すなら、米国も対抗措置で関税を引き上げると訴え、米国の輸出産業を守る姿勢を前面に打ち出した。
討議に同席したコーン米国家経済会議委員長は27日の記者会見で、「貿易問題は徹底議論した。大統領は不当廉売や補助金、非関税障壁といった不公正貿易を是正すべきだと強力に主張した」と述べた。
結果的に首脳宣言には「保護主義と闘う」との表現が残り、文書で見る限り、G7の結束は保たれたようにみえる。だが、安倍晋三首相は閉幕後の記者会見で「率直な意見交換があったが、一致できた」と述べ、討議が一筋縄ではなかったと示唆した。とりわけ米国と欧州の溝は大きい。』と配信した。
今後、事あるごとにEUとアメリカ間の【自由貿易】に関する話し合いは不可欠になる。   (おわり)


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