« 「ロシアゲート」によってトランプ大統領は弾劾されるのか | トップページ | 先進国首脳会議は連携を強化できるのか »

2017年5月25日 (木)

加計学園の獣医学部新設認可を巡る文科省の文書流出の衝撃

岡山市に本拠を置く岡山理科大学などを経営する学校法人【加計学園】の加計孝太郎理事長を安倍首相は【腹心の友】と呼び、その交友関係は40年に及んでいる。さらに加計氏は安倍首相の有力なスポンサーとも言われて、首相夫人の明恵氏が私的に海外旅行をする際には加計理事長は常に同行している。
【加計学園】は小泉内閣時代に創設された規制緩和のための【特別区域(特区)制度】を利用して岡山理科大学に【獣医学部】を新設しようとして2007年から14回申請書類を提出していたがことごとく却下されてきた。
ところが2014年に安倍内閣が経済成長戦略の一環として【国家戦略特区】を新設すると岡山理科大学の計画は大きく前進することになった。
2016年1月には内閣府が広島県と一体で愛媛県今治市(岡山理科大の濃獣医学部の誘致を2007年から計画)を【国家戦略特区】に指定、11月には国家戦略特区【諮問会議】が「設置されていない地域に限り」との条件付きで52年ぶりに【獣医学部】の新設を認めた。
2017年1月、内閣府と文部科学省は、18年4月に開設する一校に限定して特例で【獣医学部】の新設を許可し、その事業者を公募している。公募期間はわずか8日間であったために応募できたのは用意万端が整っていた加計学園のみである。内閣府と【加計学園】の出来レースという印象は拭えない。
【国家戦略特区】は、狭い地域に限り、規制緩和や税制面の優遇で民間投資を誘因して、「世界で一番ビジネスがしやすい環境」を創り出すという名目でアベノミクスの成長戦略と位置付けられたが、【加計学園】の事例は「特区」の名を借りた利権漁りである。先進国の首相たるものは親しい友人のビジネスに便宜を図るべきではないであろう。
「『特区』は法律や規制の網から除外し、お試しの特別区域をつくるものですが、そこで成功すれば全国に広げるのが本来の制度です。しかし、今の国家戦略特区は、特別扱いが目的になってしまっている。今回の獣医学部新設のように、最初から『1校に限って』というのは制度の趣旨から逸脱しています」とノンフィクション作家の森功氏は述べている。
【朝日新聞】は5月17日朝刊で「内閣府が大学設置権限を持つ文部科学省に対して「平成30年(2018年)4月開学を大前提」に早期の開学を求め、これを「官邸の最高レベルが言っていること」と圧力をかけていた可能性があることに言及している。。朝日新聞は「新学部『総理の意向』」「文科省に記録文書」「内閣府、早期対応を求める」との見出しでこれを報じた。
これに対して菅官房長官は作成者の名前も日付もない文書なので【怪文書】の類だとコメントしている。しかし、実際にはこれらの文書類は文部科学省に保管されていた文書類で、辞任した前文部科学事務次官の前川喜平氏かその周辺の人物が漏洩した文書と官邸は特定している。
前川氏は船舶用冷凍機の製造分野では世界でも3指に入る【前川製作所】の創業者の孫で、実妹は中曽根康弘元首相の長男の中曽根弘文参院議員に嫁いでいて官僚を辞任しても生活に困らない。内閣官房内に【内閣人事局】を創設して官邸の意向をごり押しすることに前川氏は警鐘を鳴らすために内部文書を漏洩したのであろう。
筆者には安倍内閣の崩壊の兆しが芽生えてきたように思えてならない。   (おわり)

|

« 「ロシアゲート」によってトランプ大統領は弾劾されるのか | トップページ | 先進国首脳会議は連携を強化できるのか »

6国政を斬る」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 加計学園の獣医学部新設認可を巡る文科省の文書流出の衝撃:

« 「ロシアゲート」によってトランプ大統領は弾劾されるのか | トップページ | 先進国首脳会議は連携を強化できるのか »