« 先進国首脳会議は連携を強化できるのか | トップページ | 共同宣言で体裁を取り繕った先進国首脳会議 »

2017年5月27日 (土)

政治家と官僚機構の権力闘争の様相を帯びてきた加計学園問題

朝日新聞が5月17日朝刊で学校法人【加計学園】の獣医学部設置許可を巡る経緯を記した文部科学省の8種類の内部文書の存在を公表したことによって俄かに安倍首相の関与が問題視されるようになった。危機管理を得意とする菅官房長官はこれらの文書には作成者の名前も日付けも記されていないので怪文書の類であると切り捨て中央突破を強行した。しかしこの作戦は問題を大きくしただけで菅官房長官の判断は間違っていたことになる。
朝日新聞の報道を受けて官邸側は文科省の8種類の内部文書を流出させた人物の特定作業を行い、その人物を早い段階で文科省の前川喜平前事務次官かその周辺の人物と特定している。
前川氏は官邸側の反応などを見極めたうえで5月25日に記者会見を開き、朝日新聞が公表した文書は「私が在職中に専門教育課で作成されて受け取り、共有していた文書であり、確実に存在していたものだ」と述べている。
【読売新聞】は5月25日に前川氏が新宿歌舞伎町の【出会い系バー】に頻繁に出入りしていたという記事を掲載している。犯罪を犯したわけでもないのに退職した公務員の私生活の一面を記事にしたことは政権側の何らかの意図を読売新聞が具体化したと勘ぐられても仕方がないであろう。
読売新聞だけではなく一部のマスコミは前川氏の記者会見などに対して事務次官の辞任を強要させられた【腹いせだ】と事件を矮小化させようとしていた。
前川氏が記者会見を開いた意図は2014年5月30日に内閣官房内に新設された【内閣人事局】に各省庁の幹部職員の人事権が握られ、行政運営が公平性を失っているという現状に危機感を抱き、国民にその事実を知らせるということであったと考えられる。官僚側に立てば現状は【官僚制度崩壊】の危機なのだ。
前川氏の記者会見は官僚機構が安倍政権に反旗を翻した行動と捉えるべきなのであろう。筆者の邪推かもしれないが前川氏の背後には2度消費税率の10%への引き上げを先送りされて安倍内閣に憤懣やるかたない財務省などの省庁と7月には自民党の【第2派閥】に躍進する麻生太郎財務大臣率いる【麻生派】の影が見え隠れする。
【朝日新聞デジタル】は26日深夜、前川発言に対する官僚側の評価について『「今回の会見は、政治の力が圧倒的に強くなりすぎ、官僚側が危機感を持ったことの表れだ」とみる。「できることなら現職の時に発言するべきだったが、内閣人事局に人事を握られ、発言しにくい空気があるのだろう」とおもんぱかった。問題となった国家戦略特区を担当する内閣府の元幹部は「首相や官房長官の『直轄』事項となれば、他省庁は気にする。変なことをすればにらまれて、自分の人事だけでなく後輩にも迷惑をかけかねないから」と明かした。
金融庁の幹部は、官邸が強くなったことを「『官僚主導から政治主導へ』という国民の思いがそうさせた」と冷めた目で見る。50代の防衛省職員は「いまやメディアも政権側とそうでない側に二分され、記者にすら本音が話せない。目をつけられれば人事で不利になる」と声を潜めた。』と配信した。
都議選告示まで1カ月を切った段階で首相の関与を疑わせる【加計学園】問題が噴出したことによって都議選で自民党会派が都議会の第1党の座を【都民ファーストの会】に譲り渡す可能性が出てきた。自民党が都議選で敗北すればその影響は自民党の派閥力学に及び、安倍首相の求心力が衰えることになりかねない。   (おわり)

|

« 先進国首脳会議は連携を強化できるのか | トップページ | 共同宣言で体裁を取り繕った先進国首脳会議 »

9政局」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 政治家と官僚機構の権力闘争の様相を帯びてきた加計学園問題:

« 先進国首脳会議は連携を強化できるのか | トップページ | 共同宣言で体裁を取り繕った先進国首脳会議 »