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2017年5月14日 (日)

FBI長官の解任はトランプ政権の寿命を縮めるのか

ドナルド・トランプ米大統領は5月9日、連邦捜査局(FBI Federal Bureau Investigation)のジェームズ・コミー長官を解任した。
【FBI】はアメリカ合衆国司法省傘下の警察機関の一つで、連邦法に関する事案の捜査を任務としている。具体的には、テロ・スパイなど国家の安全保障に係る公安事件、連邦政府の汚職に係る事件、複数の州に渡る広域事件、銀行強盗など莫大な被害額の強盗事件などの捜査を担当する。さらに、誘拐の疑いのある失踪事案では、事案認知から24時間を経過すると、広域事件として自治体警察からFBIに捜査主体が移される。
【FBI】のコミー長官の表向きの解任理由は、ホワイトハウスによれば、トランプ大統領がジェフ・セッションズ司法長官とロッド・ローゼンスタイン司法副長官の勧告を受け入れ、9日午後にコミー氏に解任を伝えている。ヒラリー・クリントン氏の私用メール問題捜査に関する同長官の対応について、司法省のロッド・ローゼンスタイン副長官が懸念を示したとホワイトハウスは説明した。
一方、コミー長官に近い関係者が、解任の理由として次の2点を挙げていることを一部マスコミが11日までに報じていることが判明している。
1.コミー長官がトランプ大統領に対して一切の個人的忠誠を約束しなかった
2.2016年の大統領選挙でトランプ陣営がロシアと結託した可能性について、FBIが捜査に本腰を入れていた
【ニューヨーク・タイムズ】は11日、公開書簡の中で『ローゼンスタイン氏が(コミー長官解任騒動に)巻き込まれたのは、トランプ大統領による更迭の「単なる口実」で、実際には大統領選でのトランプ陣営とロシア政府との接触に関するFBIの捜査が原因となっている』と記され。さらに公開書簡には、「トランプ大統領はローゼンスタイン氏に、明確なコミー氏の更迭命令を書かせるつもりだった。しかし書面中にそれがないということは、ローゼンスタイン氏が拒否したとしか思えない」と書かれている。
ところで、米調査会社【ギャラップ社】は1月23日、戦後誕生した大統領の中でトランプ米大統領の就任直後(1月20~22日)の支持率が45%で過去最低であったと発表した・。50%を下回るのは初めて。通常は「ご祝儀」で低くなる不支持の比率も、45%と過去最高である。
これまで就任直後で最も支持率が低かったのはブッシュ父大統領とレーガン大統領のそれぞれ51%。オバマ大統領は68%だった。
こうした低い支持率の下で船出したトランプ大統領は支持率を上げるために就任直後から選挙期間中に主張していた公約の難民、移民の入国制限のために議会の承認が必要のない【大統領令】を連発して実現しようとしたが裁判所の壁に阻まれ、減税や公共事業のための財源確保のために実施しようとした健康保険制度の【オバマケア】改正案は議会の反対で法案を撤回せざるを得なかった。
米政界では新大統領の就任から100日間は【ハネムーン期間】としてマスコミは批判を手控えるのが慣行になっている。4月でハネムーン期間は終了したのだ。今後、実績を上げなければトランプ大統領はマスコミの集中砲火に晒されることになる。
トランプ大統領にとってロシアとの関係はアキレス腱であるにも拘らずトランプ大統領は大きなリスクを冒してコミーFBI長官を解任した。凶と出るか吉と出るかはトランプ政権の今後のマスコミ対応にかかっている。トランプ大統領が弾劾されるリスクは決して低くはない。   (おわり)
 


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