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2017年4月25日 (火)

EUの行方を占うフランス大統領選挙

1958年に発足した第5共和制の下で【フランス大統領選挙】は2回の投票によって決定する選挙制度となった。爾来、大統領は右派の共和党(2002年に発足した大統領多数派連合が2015年に改名)か左派の社会党の2大政党に所属する国会議員から選出されてきたが今回、初めてこの慣習が崩壊した。
2回目の投票である決選投票に駒を進めたのは中道無所属のエマニュエル・マクロン元経済相と極右政党【国民戦線】のマリーヌ・ルペン党首である。
4月23日に行われた第1回の投票結果は以下の通り。【一位】「マクロン候補(無所属) 得票率24.01%、得票数865万7326票」、【二位】ルペン候補(国民戦線)ン得票率21.3%、得票数767万9493票」、【三位】「フィヨン候補(共和党)、得票率20.01%、得票721万3787票」、【四位】「メランション候補(左派党)、得票率19.58%、得票数706万0885票」、【五位】「アモン候補(社会党)、得票率6.3%、得票数229万1565票」。
決選投票に残れなかった共和党のフィヨン氏と社会党のアモン氏は決選投票でマクロン氏支持を表明した。フィヨン氏はマクロン氏支持の理由について「国民戦線の経済政策はEU離脱も含めフランスを破綻に導くものだ」と述べている。アモン氏は「国民戦線を打破するために、同じ考えではないが、マクロン氏への投票を呼びかける」と述べた。
決選投票に残ったマクロン氏とルペン氏の主張は大きく隔たっている。マクロン氏はEU(ヨーロッパ連合)との関係をさらに深化させることや【移民や難民】の受け入れに肯定的的である。それに対してルペン氏はEUからの離脱の是非を問う国民投票を実施することと【移民】の受け入れを厳しく規制すると主張している。
ところで、決選投票の行方であるが、常識的には2大政党の【共和党】と【社会党】の大統領選候補者が1回目の投票後に敗北を認めたうえでマクロン候補の支持を表明したのでマクロン氏が有利である。ところが昨年の英国のEU離脱の国民投票やアメリカ大統領選挙の結果はマスコミの予測が外れている。選挙の予測が難しくなったということなのであろう
【NHK NEWS WEB】は4月25日、『フランスの公共放送フランス2によりますと、1回目の投票を終えた有権者を対象に行った調査では、決選投票でマクロン氏に投票すると答えた人が62%で、ルペン氏に投票すると答えた38%を大きく上回り、マクロン氏の優勢が伝えられています。
しかし、今回2人に投票しなかった有権者のうち、移民の受け入れに反対する保守層やEUに懐疑的な急進左派の支持者がマクロン氏の支持に回るのかは最後までわからず、決選投票の行方は予断を許さない状況です。』と報じている。
今や各国の経済は地政学的なリスクの発生によって甚大な影響を受けるようになっている。4月23日のフランス大統領選の第1回の投票で中道のマクロン氏が極右のルペン氏に約98万票の差をつけて1位となったことによって先進国には安堵感が広がり、日本やアメリカでは株価が大幅に値上がりした。
できれば日本にとってはマクロン氏の当選を望むべきであろう。   (おわり)

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