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2017年4月16日 (日)

選挙公約を次々に取り下げるトランプ政権

米国財務省は4月14日、年2回発表する【為替報告書】のうち【2017年半期為替報告書】を発表した。
【為替報告書】は、「半年次為替報告」とも呼ばれ、アメリカ合衆国(米国)の財務省が年二回、連邦議会に提出する
【報告書】「Semiannual Report on International Economic and Exchange Rate Policies」のことを指す。これは他国(関係国)の経済運営を分析・避難したり、為替介入などによって、為替レートを意図的に操作(米国債を大量に購入)して自国通貨安へ導き、輸出競争力を高めることを目指す国を牽制・非難するも内容となっている。
2017年の今回発表された【半期為替報告書】では【中国を為替操作国に認定する】ことを見送り、日本の監視を継続すると記している。
トランプ大統領は「中国を為替操作国に認定する」ことを選挙公約の一つに掲げていた。この政策の狙いは中国が自国貨幣【人民元】の価値を下落させることを牽制する狙いがあった。中国のGDPの成長率が7%を大きく超えていた時期には中国は意図的に人民元を売って米ドルを購入する為替介入を行っていた可能性が高かった。自国の通貨の価値を下落させる政策を採れば外貨準備高は増加する。
中国の外貨準備高が一番多かったのは2014年7月末の約4兆ドルであった。ところがその後、米国ドルの保有高は減少の一途を辿り、2015年12月末には3兆3300億ドル、2016年12月末には3兆105億ドル、2017年1月末には3兆ドルを割り込む2兆9980億ドルである。
中国の急激な米ドル保有高の減少は2014年8月以降は中国が自国通貨【人民元】の価格下落政策を採らなかったことを意味する。つまり流失する外貨に歯止めをかけるために中国政府は【人民元】買いを行っていたのである。
これでは【為替操作国】の認定を実施することは不可能であった。
トランプ大統領は1月20日の大統領就任直後に【中国の為替操作国】認定を言明していたが、4月に入って【中国の為替操作国】認定を見送った。この政策変更の理由にマスコミは【北朝鮮リスク】を回避するために中国に譲歩したという見解を示しているがそれは選挙公約の反故を糊塗する後付けの理由だ。
トランプ大統領の知見不足がここでも露呈したということであろう。【イスラム圏の移民・難民の入国禁止】、財源確保の確保を目的とする【オバマケア】(健康保険制度)の修正の断念に続く3つ目の選挙公約実施を先送りしたことはトランプ大統領の政権運営能力が著しく欠如していることの証になる。
トランプ大統領が大統領に就任してまだ100日に満たないために米国メディアの大統領に批判は抑制的であるが5月に入ればトランプ大統領の能力不足に対する批判が沸き起こる事態になりかねないであろう。   (おわり)

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