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2017年4月 4日 (火)

日EU・EPA(経済連携協定)の第18回会合での大筋合意は不可能

日EU・EPAの第18回の会合が4月3日~5日の予定で始まった。2011年の民主党政権時代に日本とEUのEPA(Economic Partner Agreement 経済連携協定)の交渉協議について話し合われ、第1回の交渉会合が開始されたのが2013年4月であった。以来、交渉は東京とEUの本部があるベルギーの首都ブリュッセルで交互に行われ、2016年9月までに17回の会合が開かれてきた。その間交渉が進展しなかったのは日本が【TPP】の大筋合意に注力し、その後アメリカの議会の承認を待っていたからだ。
しかし、アメリカでは保護貿易主義を標榜するトランプ大統領の誕生により【TPP】交渉を主導してきたアメリカが【TPP】に参加しないという大統領令にトランプ大統領が署名した。その結果、日本は米国が要求する二国間の関税撤廃を目指す【FTA(自由貿易協定)】と日EU・EPAの大筋合意を多少のタイムラグがあるにしろ同時に目指すことになったなったのである。
【経済連携協定】(EPA)とは農林水産省の説明によれば「 EPAは関税の原則撤廃に加えて、知的財産の保護、競争政策、人の移動、技術協力などの幅広い分野含む協定。
( (※但し、最近はFTAも幅広い分野を含むものが多くなっており、EPAとFTAの違いは明確ではない。)」ということになる。
第18回交渉会合の日本側の首席交渉官は当初、赤石浩一経済産業省大臣官房審議官の予定であったが、前駐仏日本大使の鈴木庸一氏が経済担当の国際貿易特命全権大使に就任したために同氏が今回の交渉会合から首席交渉官を務めることになった。
日本がEUに対して要求していることは自動車などの工業製品に対する高い関税率の撤廃である。EUは現在日本の輸入車に対して10%、電子製品に対しては14%という高い輸入関税を課している。一方、EUは日本に対して農産品のチーズ、ワイン、豚肉などでTPPの合意以上の低い関税を要求している。ところが双方が主張を譲らないので大筋合意はほど遠いのである。
日本とEUにはそれぞれ譲歩できない事情が存在している。日本としてはEUの要求通りにTPPの大筋合意の農産品の税率以下に引き下げればこれから交渉が本格化する米国との【FTA】の交渉でTPPの大筋合意以下の関税の引き下げに応じざるを得なくなる。米国とは【TPPの大筋合意】の税率で交渉を纏めたいのである。
それに対してEU側はEUの2つの大国の1つのフランスでは5月に大統領選挙があり、ドイツでは9月に総選挙が実施されるので工業製品の関税撤廃を現時点では受け入れ難いという状況なのである。
そうした事情から駐仏大使の経験からEU事情を知悉している鈴木首席交渉官は今回の交渉では工業製品や農産品には触れずに問題を先送りして、秋以降に大筋合意のための詰めの作業に入る予定であると推測されている。
換言すれば今回の交渉協議では何の進展もないということである。   (おわり)

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