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2017年3月30日 (木)

日米が連携して中国を経済的に締め上げる政策に着手

【白人労働者の雇用の確保】がトランプ政権の最大の眼目である。その措置としてトランプ大統領が選挙戦中から主張してきたのは【対中貿易の不均衡是正】である。日本の2015年の対中貿易赤字額は約2兆円に拡大したがアメリカの赤字額は約43兆円というとてつもない巨額で、トランプ大統領でなくとも対策を講じざるを得ない。
アメリカの貿易不均衡の是正措置は廉価な中国製品に対する制裁のための【反ダンピング関税】である。
【反ダンピング関税】とは、海外からの輸入品価格が、計画的に国内より安値に設定されることによって、国内産業に実質的に被害が出た場合、通常の関税に上乗せして課税する懲罰的な措置だ。
トランプ政権発足直後の1月23日に米商務省は中国製タイヤに【反ダンピング関税】を課し、2月7~8日には米国貿易委員会(ITC)が道路舗装工事に使用される樹脂製素材【二軸ジオグリッド】と肥料用の硫酸アンモニウムに対して【反ダンピング(不当廉売)関税】と中国政府による補助金に対する相殺(そうさい)関税を課すことを決定した「。
【二軸ジオグリッド】に対す【反ダンピング税】の税率は372.8%、【相殺税】は15.61~152.5%である。
これだけの高率の関税を課されれば中国製品はアメリカや他国の製品とほぼ同価格になり、粗悪品の中国製品はアメリカ市場から締め出される可能性が高い。
ところで、中国の巨額な貿易黒字を支えてきたのは中国も加盟している【世界貿易機構(WTO)】の「発展途上国の経済成長を保護するための例外措置」である【特恵関税】である。日本は法令(関税暫定措置法及び関税暫定措置法施行令)によって、特恵関税の適用を受けることができる国及び地域、対象品目、関税率を定めている。現在は中国、メキシコなど138か国・5地域からの輸入品に対し、関税引き下げや免除が実施されており、長年、中国(香港地域及びマカオ地域を除く)も特恵関税適用国となってきた。
ところが財務省は昨年11月24日に新興国への特恵関税制度の基準を見直し、中国やメキシコなどを対象から除外する方針を公表した。「中国やFTA(北米自由貿易協定)によって日米・EUの企業の生産拠点なっているメキシコはすでに経済発展し、輸出競争力も十分であり、援助の必要性がなくなった」という判断で、19年度までの実施を目指すという。
安倍首相が訪米し、大統領選で勝利した就任前のトランプ次期大統領と個人的な会談を行った1週間後に日本の財務省は対中国貿易赤字の是正を広言しているトランプ氏と平仄を合わせたように【特恵関税】の適用国から中国を外すと発表したのである。露骨な日米が一致しての経済的な中国制裁である。
日本の【特恵関税】適用除外の報道に対してある中国メディアは「日本という【宝の山】を失うことになる」と報じた。
現在極東アジアで安全保障上の危機が高まっているが諸悪の根源は軍事力を前面に押し出しての中国の対外膨張主義である。それを抑え込むには中国経済の成長を阻止することが有効な手段となる。日米両政府をそれを実行に移し始めたということであろう。   (おわり)

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