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2017年2月15日 (水)

発足直後のトランプ政権にとって安全保障担当補佐官辞任は痛手

【ホワイトハウス】は2月13日、閣僚級である国家安全保障問題を担当する大統領補佐官のマイケル・フリン氏が辞任したことを明らかにした。
フリン氏は陸軍入隊後、情報畑を歩き、イラク戦争やアフガン戦争に従軍し、陸軍中将に昇進後、アメリカ合衆国国防総省の諜報機関である【国防情報局】長官を2012年~14年まで務めた。【国防情報局】は軍事情報を専門に収集、分析する機関で、長官は統合参謀本部の偵察作戦支援担当の幕僚を兼務する。
陸軍除隊後、外交アドバイザーとして活躍。イスラム教を【悪性の癌】と言って憚らず、イスラム過激派やイラン、北朝鮮などの反米反イスラエル国家への強硬姿勢を貫いている。2016年に大統領選に立候補したトランプ氏の軍事顧問に雇用され、選挙戦を支えた。
選挙戦中の10月に自民党の招きで来日し、菅官房長官とも会談している。外交問題には弱いとされる菅氏はアメリカとのパイプ作りに役立つと踏んだのであろうが、フリン氏の辞任によって菅氏の目論見は敢(あ)え無く潰(つい)えたということになる。小池東京都知事嫌いの菅氏は都知事選で増田寛也氏を強引に擁立したり、千代田区長選でも強引に介入したりしたが小池都知事に煮え湯を飲まされている。小池氏に対する感情過多で政治的勘が狂ってしまったのであろう。
フリン氏は補佐官就任前の去年12月、ロシアのセルゲイ・キスリャク駐米大使と電話で会談し、この中でロシアに対する制裁をめぐって協議したかどうかについて、当初、協議していないと説明していた。しかし、アメリカメディアは、実際には制裁をめぐる協議が行われていたと伝えていたのである。
アメリカでは政府の許可を受けていない民間人が外交交渉に介入することを禁じる1799年に施行された【ローガン法】が存在するが、フリン氏はこの法律に抵触する可能性がある。そのために辞任は不可避だったのだ。
就任3週間で信頼していたフリン氏を失うことはトランプ大統領にとって痛手であり、トランプ政権内部が弱体化することになりかねない。トランプ大統領が短命で終わるリスクが高まったともいえる。
アメリカ政府の高官は日本と異なり【政治任用】なので、短期間で実績を残すことが要求される。フリン氏は大統領側近の権力争いに巻き込まれ、功を焦ったという側面があったかもしれない。
【朝日新聞デジタル】は2月15日早朝、フリン氏の辞任について『「次期安全保障担当アドバイザーとしての義務のなかで、数多くの外国の閣僚や大使から電話を受けていた。円滑な政権移行を促進し、外国の指導者とトランプ氏の間に必要な関係を構築するためのものだ」
フリン氏が13日にホワイトハウスを通じて公表した辞任の声明の冒頭にはこう書かれていた。トランプ氏の最側近としての自負と無念さがにじみ出ていた。
辞任につながる発端は、昨年12月29日。オバマ前大統領が、大統領選中にロシアが民主党などにサイバー攻撃を仕掛けて介入した問題で、ロシア外交官35人を米国から追放するなどの制裁措置を発表した。フリン氏は直後から、セルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使と複数回、電話で話していた。米メディアは、フリン氏がトランプ政権が発足したら、制裁の内容を見直す方針をロシア側に伝えていたとの疑いを報じた。』と配信した。
トランプ大統領は政権発足当初から難問に見舞われている。自ら招いた側面が大きいのであるが。安倍首相は政権運営の手法を苦境に陥っているトランプ大統領にアドバイスしてあげるべきであろう。   (おわり)


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