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2017年2月14日 (火)

現実の壁にぶつかり政策の変更を余儀なくされるトランプ大統領

ドナルド・トランプ米大統領は1月27日、米国から「イスラム過激派テロリストを締め出す」目的で、新しい入国審査制度の導入を命じ、シリア難民の一時受け入れ停止や、2017年の難民受け入れ総数をこれまでの半分以下の5万人に制限するなど、複数の措置を含む大統領令に署名した。
大統領令の要点は次の通り:①米国の難民受け入れ事業を120日間停止。②米国の難民受け入れ事業に【相当の修正】を加えるまではシリア難民の受け入れを禁止。③イラク、シリアを含むイスラム圏の【懸念地域】からの入国を90日間停止。【懸念地域】には前記2国のほかにイラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンが含まれる。
④宗教弾圧を理由にした難民申請の検討を優先。ただし申請者が母国で宗教的少数者(キリスト教信者を優先)に限る。⑤2017年の難民受け入れ上限をオバマ政権下の上限の半分以下の5万人に制限。
【移民・難民の入国制限】に関して大統領令署名以前の1月26~26日に行われた米大手世論調査会社【ラムスセン】の調査では入国制限賛成派は57%、反対派は33%、署名後の1月29日に実施された【ロイター】の世論調査では賛成が49%、反対は41%であった。【ラスムセン】の調査でトランプ大統領は【移民・難民の一時受け入れ停止】に自信を持ったのであろう。
ところが、大統領令が発令され、全米各地の空港で入国制限が行われ混乱が始まると高名な世論調査会社【ギャラップ】の調査結果は賛成42%、反対55%、ニュース専門テレビ【CNN】は賛成47%、反対53%、米国三大ネットワークテレビの一つ【CBS】は賛成45%、反対51%と反対が賛成をすべて上回った。
こうした気に染まない調査結果が出るとトランプ大統領は例のごとく、「否定的な世論調査結果はフェイク(虚偽の)ニュースだ」と2月6日には言い出す始末である。大統領に就任したからにはこうしたことにも耐えるべきであろう。
2月3日、米シアトルの連邦裁判所判事はトランプ政権の入国制限の差し止めを命じた。米司法省は4日、直ちに上告した。トランプ政権が発足して2週間で早くも連邦裁判所がトランプ政権に立ちはだかったことになる。
2月10日の日米首脳会談においてトランプ大統領は選挙中に在日米軍の駐留費用の負担増を要求すると喧伝していたにも拘らず駐留経費に関しては一言も触れなかった。2年前に締結した【日米ガイドライン】で米軍の駐留経費の日本側の負担分に関しては既に決定していて3年後にならないと改定は不可能なのである。トランプ大統領は大統領に就任して初めてそうしたことをレクチャーされ、現実の壁に阻まれ、選挙中に掲げていた公約を断念せざるを得ないのである。
さらに【雇用の確保】をトランプ大統領は選挙期間中に何にもまして訴え続けていた。その中でアメリカの雇用を奪った犯人として批判の対象にされたのが、日本の自動車産業であり、日米貿易の不均衡においても悪者にされたのは日本の自動車産業であった。トランプ大統領の日本の産業に関する知識は1980年代の知識の域を一歩も出ていないのである。日本はアメリカの車を輸入する際に関税は全くかけてはいない。それに対してアメリカは日本車に対して2.5%の関税をかけている。現状を理解すればトランプ大統領は日本に無茶な要求はできないはずだ。政治経験が皆無なトランプ大統領が世界のリーダーに成長するには時日を要するであろう。ともかくトランプ大統領は現実の正確な情報を理解する必要がある。   (おわり)

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