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2017年1月19日 (木)

文部科学省の天下り斡旋はなぜ露見したのか

文部科学省の幹部らが同省の前高等教育局長を早稲田大学に再就職させたことは官僚の天下りの斡旋を禁じた国家公務員法に抵触する懸念があるとして政府の「再就職等監視委員会」が昨年以来調査していたが、文部科学省は、一時、調査に対して虚偽の説明を行い、天下りに関して組織的な関与を隠蔽しようとしていたことが天下り先の早稲田大学の関係者への取材で判明した。
【高等教育局】は大学などに関する業務を所管しているから【早稲田大学】に就職したことは国家公務員法で禁止している利害関係先に就職したことになる。2007年成立の【改正国家公務員法】は、再就職の斡旋だけでなく、職員本人が在職中に利害関係企業などに再就職の要求をしたり、経歴を提供したりといった「求職活動」も禁じている。
前高等教育局長は在職中に早稲田大学に再就職の相談をしていたという。
前高等教育局長を受け入れた【早稲田大学】は日本大学とともに文部科学省OBの受け入れ者数の多いことで定評がある。因みに2016年度【私立大学経常費補助金ランキング】で日本大学(95億2000万円)に次いで【早稲田大学】は2位の約90億2000万円であった。
前局長は文化庁著作権課長を経験したことから【著作権法】に通暁し、早稲田大学では著作権法を講義していたが早稲田大学のホームページには外部との調整を学校側にアドバイスするという役割が掲載されていた。【外部との調整】は文部科学省からの補助金獲得に関してアドバイスをすると【再就職等監視委員会】は理解したのであろう。ホームページが命取りになったことになる。
文部科学省は利害には関係が少ない省なので財務省や経済産業省、農林水産省のように天下り先が豊富にある省ではない。管轄している【独立行政法人】は26、【特殊法人】は2つに過ぎない。高等教育局が管轄している独立行政法人は大学入試センターと大学改革支援・学位授与機構、放送大学学園であるが3つの組織の理事長で天下っているのは国立大学の学長経験者や事務次官経験者である。高等教育局長の天下り先は数少ない。
【朝日新聞デジタル】は1月18日、組織ぐるみの天下り斡旋問題について『文部科学省前高等教育局長の大学への再就職が、出身府省の職員による「天下り」のあっせんを禁じた国家公務員法に違反する疑いがあるとして、内閣府の再就職等監視委員会が同省幹部から事情を聴いていることがわかった。監視委は文科省に対し、あっせんに関与したとみられる同省幹部らの処分を勧告することも検討している。
関係者によると、文科省の前局長は2015年8月に退職し、その後、早稲田大教授に就いた。監視委がこの経緯を調べたところ、前局長の再就職に同省の人事課が関わっていた疑いがあり、事務次官経験者を含む複数の幹部らから事情を聴いているという。
国家公務員法は公務員の再就職について、出身府省の職員によるあっせんや、利害関係のある企業への求職などを禁じている。監視委は調査で違法行為がわかれば各府省に是正を勧告するが、今回、文科省に勧告がなされれば初めてとなる。』と配信した。
【天下り】の根絶は難しい。一つにはキャリア官僚は同期入省の中から1人しか省の頂点の事務次官にはなれないために事務次官競争に敗れたキャリア官僚は50代半ばで退職する。そのために退職後の生活の面倒を見る必要性が生じるので【特別会計】を利用して天下りの組織を作り上げている。
この構造を廃棄しない限り【天下り】は消滅しない。   (おわり)


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