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2017年1月23日 (月)

事実誤認に基づくポピュリズムでアメリカは繁栄するのか

第45代大統領就任後にトランプ新大統領が行った就任演説の主要部分は以下の引用部分であろう。
『何十年にわたり、私たちはアメリカの産業を犠牲にして海外の産業を豊かにしてきた。他の国の軍に補助金を与え、わが国の軍事力の非常に悲しむべき衰退を許してきた。私たちは他の国の国境を守る一方で、アメリカの国境を守ることを拒んできた。何兆ドルもの資金を海外で使う一方で、アメリカのインフラは絶望的な状況になり、崩壊してきた。私たちは他国を豊かにする一方で、わが国の強さと自信ははるか彼方に消えてしまった。
工場はひとつひとつ閉鎖され、海外に去って行った。何百万というアメリカの労働者が後に残さるということは思いも及ばなかった。中産階級の富は奪われ、世界中にばらまかれた。しかし、それは過去の話である。私たちは将来だけを見ている。私たちは、今日、ここに集まり、すべての都市、すべての海外の首都、すべての権力の殿堂の中心に向かって新しい信条を発信しているのである。今日から、新しいビジョンが我が国を支配することになる。この瞬間から、新しい信条は“アメリカ第一”になる。
貿易、移民、海外の事柄に関するすべての決定は、アメリカの労働者とアメリカの家庭に恩恵をもたらすために行われなければならない。私たちは、自国製の製品を製造し、わが国の企業から盗み、わが国の雇用を奪う他の国の破壊からわが国の国境を守らなければならない。保護は、偉大な繁栄と強さをもたらすだろう。』
トランプ大統領の性格は【攻撃性、最上志向、自意識過剰】によって形成されていると言われている。端的に言えば【極度のナルシスト】ということになるであろう。その性癖によって事実を自分に都合ようく歪曲して主張することになる。
【中産階級の富】が奪われた最大の原因は【リーマンショック】によって急激に需要が落ち込み、アメリカを代表するUSスティールや【GM】、【クライスラー】などが経営危機に陥り、それらの企業に部品などを供給していた中小、零細企業が倒産や廃業に追い込まれたためである。もちろんトランプ大統領が主張するように海外からの廉価な輸入品によって倒産や廃業に追い込まれた企業は存在するであろう。
ところで、就任演説の内容は選挙戦中にトランプ大統領が繰り返し発言した内容の繰り返しで目新しいものはないとマスコミなどの評価は低い。経済政策に関しても何ら具体的に踏み込んだ内容を発表していない。期待外れとの声が日本の経済界からは漏れ聞こえてくる。悪意に解釈すれば経済政策に関して処方箋をこれから考えていくということなのかもしれない。
何はともあれトランプ大統領は【ポピュリズム(大衆迎合主義)】の伝道師である。アメリカの【ポピュリズム】の権威ジョージタウン大学のマイケル・ケインズ教授はトランプ大統領について『歴代大統領と同様、トランプ氏もうそをつく。問題は、うそをついていると認識しているかが疑わしい点にある。彼は「瞬間」を生きている人だ。1週間前、1カ月前と違うことを言ったとしても、彼にとっては問題ではない。「無意識のうそつき」かもしれない。だからこそ、私は彼に悲観的なのだ。』とコメントしている。
日本人はトランプ大統領の発言にはあまり反応しないほうがいいのかもしれない。定見のないトランプ大統領の下では強いアメリカの復活は難しいであろう。   (おわり)

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