« 東京都の29年度予算案公表される | トップページ | 東芝は最大の危機を乗り越えられるのか »

2017年1月26日 (木)

日本は米国と2国間経済協定を結ぶべきなのか

自民党の元防衛大臣の小野寺五典(いつのり)氏と民進党の副幹事長の玉木雄一郎氏は1月26日午前に開かれた衆院予算委員会でTPPからの離脱を宣言したアメリカのトランプ政権から経済連携に関する二国間交渉を求められた際の対応について安倍首相に質(ただ)した。
安倍首相は将来の米国との経済連携協定に関して「経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)が全くできないということはない」と述べ、日米二国間交渉に含みを残した。
トランプ大統領は選挙期間中からTPP離脱を表明ししていたが日本側は苦心してTPPの大筋合意に漕ぎつけたという思い入れがあり、選挙後にはトランプ大統領は変心すかもしれないという淡い期待を抱いていた。だがその淡い期待は消滅した。トランプ大統領はTPPのような多国間の協定はアメリカが譲歩する点が多く、アメリカには不利な協定だという思いが強いのだ。アメリカの製造業の雇用を守るには二国間の経済協定を締結するほうが有利だという思い込みがある。
トランプ大統領が雇用に拘るのは中産階級を再生することをアピールすることによって富裕層に利益を齎(もたら)す大規模な減税と法人税の減税を実施しようとしているからだ。
アメリカの景気を牽引しているのは東海岸のマサチューセッツ州と西海岸のカリフォルニア州を中心にIT産業や先端技術産業である。ところがかつてアメリカの製造業の中心地であった中西部地方は【ラストベルト】(錆ついた工業地帯)と呼ばれ、不況に喘いでいる。そこに選挙戦中に光を当てたことによってトランプ氏は大統領選挙で勝利を収めた。トランプ氏は近年では最も人気がない大統領であるが、【ラストベルト】では高い人気を誇っている。
【日本経済新聞】(電子版)は26日午後前、経済連携協定に関する安倍首相の答弁について『 安倍晋三首相は26日午前の衆院予算委員会で、トランプ米大統領の環太平洋経済連携協定(TPP)離脱表明に関し「日米でどのような経済連携の関係が良いか議論していきたい」と述べた。「粘り強くTPPについて米国に働き掛けていくが、経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)が全くできないわけではない」と米国との2国間交渉の可能性も排除しない考えを示した。
米国とのFTA交渉になった場合に関しては、農産品などを念頭に「わが国が守るべきものはしっかり守っていく」とも表明した。
米国の姿勢に関しては「そう簡単に米国がTPP承認へ大きく変化することはなかなか難しい状況だ」との認識を示した。米国抜きのTPP発効の可能性は「TPP参加国の中でも様々な議論があることは事実だ。今後も各国と意見交換を進めていきたい」と述べるにとどめた。』と配信した。
FTA交渉になった場合アメリカは農産品や金融に関しては相当強引に無茶な要求を突き付けてくる可能性が高い。これまでの日米の貿易交渉などではアメリカ側は名をとり、日本側は実を取るという繰り返しであった。アメリカの上級官僚は政治任用のため、短期間で成果を上げないと政権が交代すると失職することになる。そのためにかなり強引な妥協を日本に迫ることになる。日本の官僚は成果が上がらなくても失職することはないの時間をかけてアメリカの側の交渉担当者の焦りを誘い妥協を引き出していた。
今回はトラン大統領自身が2年後の中間選挙までに実績を残さなければならない立場なので相当強引な妥協を日本に迫ると思われる。日本側は交渉が成立しなくてもいいという覚悟で交渉に臨むべきであろう。   (おわり)


|

« 東京都の29年度予算案公表される | トップページ | 東芝は最大の危機を乗り越えられるのか »

13国際経済」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 日本は米国と2国間経済協定を結ぶべきなのか:

« 東京都の29年度予算案公表される | トップページ | 東芝は最大の危機を乗り越えられるのか »