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2017年1月29日 (日)

トランプ大統領の大統領令連発は世界に混乱をもたらす

トランプ大統領の前任者のオバマ大統領は2期目の中間選挙後からアメリカ議会に【ねじれ現象】(下院は野党共和党が多数派。上院は与党民主党が多数派)が起こり、法案成立が困難になったため、大統領令を多用した。
アメリカ憲法の第1条は議会に関する規定が書かれているようにアメリカでは議会の権限が強いことがその原因である。トランプ新大統領は旧来の政治手法を無視する形で就任早々【大統領令】を多用している。
【米大統領令】とは、「 大統領が議会の承認を得ることなく連邦政府や軍に直接発令することができる権限】を指す。権限の制限範囲は憲法で明確に規定されていないが、議会を通さずに政策を実現する有力な手段となる。
一方、存在を無視された議会は反対する法律を作ることで大統領令に対抗できるほか、最高裁判所が違憲判断を出すことがありブレーキ役となっている。
寅アンプ大統領は就任1週間で以下のような9つの【大統領令】に署名している。
①メキシコ国境にグレートウォール
②オバマケア撤廃
③ISIS壊滅計画
④TPPからの正式離脱
⑤妊娠中絶を支援する国際団体、ペアレントフッドへの資金供与中止
⑥中東・北アフリカ7カ国の出身者および難民の受け入れ停止
⑦カナダからメキシコ湾への原油パイプラインの建設
⑧製造業の手続き簡略化
⑨入国審査厳格化
現在、共和党は上院と下院の過半数を制しているので時間をかければトランプ大統領は法案を成立させることは可能である。だが、トランプ大統領は旧来の政治手法の破壊をいとわない性癖の持ち主なのである。これはいずれ与党共和党内に分裂を生むことになるであろう。
トランプ大統領は1月24日に【TPPからの離脱】の大統領令に署名したが署名を巡って共和党の最高の実力者ライアン下院議長はトランプ氏を支持すると明言したが共和党の重鎮マケイン上院議員は声明を出して「アメリカの経済やアジア太平洋地域での戦略的立場に重大な結果を招く深刻な誤りだ」として強く批判した。早くも共和党内に混乱が生まれている。トランプ大統領は歯牙にもかけないであろうが。
さらに、【中東・北アフリカ7カ国の出身者及び難民の受け入れ停止】の大統領令は世界各地の空港で混乱を生じさせている。
【NHK NEWS WEB】は29日夕刻、テロ対策のために27日に署名した【大統領令】に関して『アメリカのトランプ大統領がテロ対策として特定の人の入国を停止したため、アメリカ各地の空港で難民など60人以上が入国できず拘束されるなどしています。訴えを受けた裁判所はそうした人たちを母国に送り返すことを認めない決定を出し、混乱が深まっています。』と報じた。
トランプ大統領は今後も【大統領令】を多用し続け、世界中に混乱が広がることを楽しむことになるであろう。世界は当面静観する以外に方策は立てられない。   (おわり)

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