« 都政の改革を自民党都連幹部の辞任だけで終わられてはならない | トップページ | TPP発効に暗雲 »

2016年8月 5日 (金)

二階自民党幹事長の総裁任期延長議論発言に波紋広がる

病気静養中の谷垣禎一氏に代わって自民党幹事長に就任した二階俊博新幹事長は8月3日午前の就任記者会見で、2018年9月に任期満了となる安倍晋三首相の自民党総裁の任期延長に関して「極めて重要な問題だ。議論をする場をつくっていくことが大事ではないかと思っている」と述べた。
二階幹事長の発言は、自民党の調整型の古いタイプの政治家が多用した党内世論や国民世論の動向を見極める手法で、現在ではあまり国民受けはよくない。二階氏はかつて小沢一郎氏(生活の党代表)とともに自民党を離党した経験があるので首相を目指すことは念頭にないらしく、安倍首相の総裁任期の延長を成功させてその功績によって自らは幹事長の座に長く居座り続ける下心が透けて見える。
自民内ではひたすら自派閥の拡大を図り、スキャンダラスな議員すらも取り込む二階幹事長の姿勢に不快感を抱く議員は多い。【路チュー事件】の当事者中川郁子議員と門博文議員、妻(二階派所属の金子恵美議員)の妊娠中に不倫をし、議員辞職をした宮崎謙介氏はいずれも二階派である。
また幹事長就任によってカネと公認権を握った二階氏の影響力が拡大することを懸念する向きも多い。さらに、【国土強靭化政策を実現させ、公共事業増加の旗振り役を任じる姿に「古い自民党への回帰の印象を持たれてしまう」といった陰の声も聞こえてくる。
ところで、二階幹事長発言に激しく反応したのは次の総裁選準備のために今回の第3次安倍第2次改造内閣で閣外に去った石破茂前地方創生担当相である。石破氏は4日、「任期の延長がいい悪いという問題以前に、やらなければならないことをきちんと認識すべきで、優先順位を間違えてはいけない」と述べ、二階氏をけん制している。
安倍首相からの総理の座の禅譲を期待している岸田文雄外相も3日、「3年の任期のうち、まだ1年も立っていない。任期のさらに先のことを今から話すのは、ずいぶん気の早い話ではないか」と述べ、疑問符をつけた。
自民党の総裁の任期を現行の内規の2期6年から3期9年に延長し、安倍首相が18年9月の総裁選に立候補し、勝利を収めれば東京オリンピックの翌年の21年9月まで首相の座に就いていることになる。
現時点で安倍首相の21年までの続投には52.5%の国民が疑問を呈している。安倍首相の続投が可能になるには18年9月までに【アベノミクス】が成功したと国民が実感することが必要不可欠であろう。
しかしながら、口先だけで円高に有効な手立てを講じない安倍内閣には市場は失望し、円高傾向が円安に転じる気配は見えてこない。円高がこの1年で約20%進行したために物価は下がり、再びデフレに突入する可能性が出てきた。自動車や電機などの輸出関連産業は為替差損で2016年第2四半期の営業利益は減益に転じた。
当面は円高の是正に政府、自民党は精力を注入すべきである。そういう意味では石破氏の発言は正論だ。
安倍首相の退任後の首相の座を目指しているのは現時点では石破氏、岸田外相、菅官房長官3人と思われている。首相の座に意欲を見せる3氏に共通している弱点は経済に弱い点であろう。これをどう補っていくのかが3氏に共通する課題となる。   (おわり)

|

« 都政の改革を自民党都連幹部の辞任だけで終わられてはならない | トップページ | TPP発効に暗雲 »

9政局」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 二階自民党幹事長の総裁任期延長議論発言に波紋広がる:

« 都政の改革を自民党都連幹部の辞任だけで終わられてはならない | トップページ | TPP発効に暗雲 »