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2016年7月11日 (月)

参院選改憲勢力憲法改正発議要件を確保

7月10日投開票の第24回参院選で与党【自民党】は改選議席50を5上回る55議席、【公明党】は改選議席9を同じく5超える14議席を獲得し、与党は目標とした過半数を軽くクリアーした。
自民党は参院の単独過半数となる57議席にはあと一歩届かなかったが【神奈川選挙区】で当選した中西健治氏(無所属で自民党推薦)が入党する見込みなので実質的な獲得議席は56議席である。
東北地方の6つの1人区で議席を得たのは【秋田選挙区】の石井皓郎だけだったことが単独過半数を阻んだ最大の原因となった。自民党と公明党は公明党が候補者を擁立しない選挙区では公明党支持者は自民党候補者に一票を投じ、見返りに自民党の候補者の後援会会員の票の一部を比例区で公明党の候補者に回すという選挙協力をしているが今回の選挙では東北各県で公明党支持票が野党統一候補に20%以上流れている事実が出口調査で判明している。公明党支持者は自民党が単独で過半数を確保すれば公明党を蔑(ないがし)ろにすることを警戒したものと見られている。
【自民党】単独過半数には1議席及ばなかったが選挙後、解党した【みんなの党】の現職議員で、現在無所属の渡辺美知太郎氏の自民党入りが決定しているので自民党は単独過半数を確保したことになる。
今回の参院選のもう一つの注目点は【改憲勢力】(自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党、無所属)が非改選組87議席(自民党65、公明党11、おおさか維新の会5、日本のこころを大切にする党3、無所属2、無所属クラブ1)と合わせて参院の定数242の3分の2を超えるかであった。選挙結果は自民党55、公明党14、おおさか維新の会7、無所属1の合計76で3分の2を超えたのである。これによって【改憲勢力】は「憲法改正の発議権」を獲得したことになる。
【マスメディア】は参院選で【改憲勢力】が参院の定数の3分の2を超えると直ちに【憲法改正】が成就するような論調で警鐘を鳴らしていた。しかし、【発議権を確保】しても簡単に憲法改正が実現するわけではない。
日本国憲法第96条第1項は、憲法の改正のためには、「各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする」と規定されているが具体的な規定はなかったために06年5月18日に【日本国憲法の改正手続きに関する法律】を制定した。
憲法改正が実現するには【国民投票】を実施し、【憲法改正案】に対する賛成の投票数が投票総数の過半数を超えなければ国民の承認を得られたことにはならない。現時点では憲法改正が簡単に実現するとは考え難い。
【改憲勢力】といっても一枚岩ではない。自民党は【集団的自衛権行使】を改正案の眼目にしたいのである。公明党は憲法改正という表現を使わずに【環境権を新たに創設するという条文】を追加する【加憲】という立場で、集団的自衛権行使には慎重な立場だ。
【おおさか維新の会】は「教育の無償化」や「地方分権】が中心で集団的自衛権行使にかかわる憲法9条は現状維持。
憲法改正の草案をまとめるだけでも相当な時間が必要となる。国民のコンセンサスを得るのは容易な作業ではない。   (おわり)

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