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2016年6月 2日 (木)

安倍首相の衆参同日選回避は盟友甘利氏の復権のためか

安倍総理大臣は、国会の会期末の6月1日夕刻、首相官邸で記者会見を行い、「内需を腰折れさせかねない消費税率の引き上げは延期すべきだと判断した」と述べ、来年4月の消費税率の引き上げを、2019年、平成31年10月まで、2年半再延期する考えを表明した。さらに、首相は自身の判断について国民の信を問うため、7月の参議院選挙では、自民・公明両党で改選となる121議席の過半数の61議席の獲得を目指すとしている。
【国民の信を問う】というのであれば議会制民主主義の常道として衆議院を解散して衆院選を実施すべきであろう。参院選での目指す獲得議席が改選議席121の過半数の61議席というのもハードルが低すぎるであろう。今回改選を迎える自民党議員数は50、連立与党の公明党の議席は9で、合計59であるから2議席を上乗せすれば目的を達成することになる。
筆者が指摘するまでもなく首相自身が発言内容に説得力がないことは百も承知であるに違いない。筆者は衆参同日選挙を信じていたが5月31日の報道を知って自らの迂闊さに臍をかむ思いであった。31日の報道とは何か。それは安倍首相の盟友甘利明前経済再生担当相が不起訴処分になったという報道である。
【毎日新聞】(電子版)は31日夕刻、『甘利明前経済再生担当相(66)を巡る現金授受問題で、東京地検特捜部は31日、あっせん利得処罰法違反と政治資金規正法違反(不記載、虚偽記載)で刑事告発されていた甘利氏と元公設秘書、元政策秘書の3人を容疑不十分で不起訴処分とした。「犯罪と認める十分な証拠はなかった」としている。』と配信している。
選挙には強い甘利氏ではあるが、甘利氏の選挙区は革新支持層も多い大和市を中心とする神奈川県13区である。不起訴処分になったとはいえ現金の授受は認めているので選挙戦では逆風が吹くのは間違いない。安倍首相は12年9月の総裁選での勝利の立役者の一人であり、第2次と第3次の安倍内閣で支えてくれた甘利氏の復権を強く願って同日選を回避した可能性があると筆者は考えたのだ。
【NHK NEWS WEB】は首相記者会見の内容について31日夕刻、『安倍総理大臣は「新興国や途上国の経済が落ち込んで、世界経済が大きなリスクに直面しており、こうした認識を伊勢志摩サミットで世界のリーダーたちと共有した。熊本地震の影響も含め、日本経済にとって新たな下振れリスクとなっており、最悪の場合、再びデフレの長いトンネルへと逆戻りするリスクがある」と述べました。そして「世界経済は想像を超えるスピードで変化し、不透明感を増している。リーマンショックのときに匹敵するレベルで、原油などの商品価格が下落し、さらに投資が落ち込んだことで、新興国や途上国の経済が大きく傷ついている」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「現在直面しているリスクは、リーマンショックのような金融不安とは全く異なるが、危機に陥ることを回避するため、内需を腰折れさせかねない消費税率の引き上げは延期すべきだと判断した」と述べ、来年4月の消費税率の引き上げを再延期する考えを表明しました。そして、再延期する期間について「2020年度の財政健全化目標は堅持する。そのためギリギリのタイミングである2019年10月には消費税率を引き上げることとし、30か月延期することとする。その際に軽減税率を導入する」と述べました。』と報じた。
これまで、財務省は増税を実現するために政府が約650兆円の資産を保有していることには意識的に言及せずに【負債の額の大きさ】だけを喧伝してきた。政府は国民に対して日本の財政状況は深刻な状況ではないことを公表すべきである。
13年4月から始まった大胆な金融緩和策によって日銀が国債を年間80兆円買い上げ、国債は700兆円程度に減っている。700兆円から政府の資産約650兆円を差し引けば日本の純負債は先進国の中で最低の水準になる。国民の消費意欲を向上させるために政府は財政状況を公表する義務がある。   (おわり)

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