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2016年5月23日 (月)

日本の稼ぐ力が戻りつつある。

日本の2015年のサービス収支(旅行収支と知的所有権収支)は【旅行収支】は1兆1217億円の大幅黒字、【知的所有権収支も2兆4034億円の黒字となった。16年に入っても旅行収支と知的所有権収支は黒字の傾向が続いている。
それに対して貿易収支では11年の東日本大震災による福島第1原発事故を契機に原発が次々に停止し、その電力の穴埋めに天然ガスを燃料とする火力発電所が増強されたために原油高と天然ガス高と天然ガスと原油の輸入量が増えたことにより、日本の貿易収支は大幅な赤字となり、14年の貿易収支の赤字は過去最大の12兆7813億円でこのうちの10兆円余は原油・天然ガス代金であった。福島原発事故は日本経済の重い足かせとなったのである。
ところが15年に入ると原油・天然ガス価格が14年に比較して40%前後下落したので、15年の貿易赤字額は前年の16分の1の6434億円となり、日本の稼ぐ力を示す【経常収支】の黒字は5年ぶりの高水準16兆6413億円となった。経常黒字の構造が従来の【ものの輸出】から【サービスや投資】に移っていることを明確に示している。
5月23日財務省は2016年4月の【貿易収支】を発表した。【日本経済新聞】(電子版)は23日午前、【貿易黒字3ヶ月連続、4月、熊本地震で輸出減】と題する以下の記事を配信した。:「財務省が23日発表した4月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を引いた貿易収支は8235億円の黒字(前年同月は583億円の赤字)だった。黒字は3カ月連続。原油安や円高で輸入額が前年同月比23.3%減となったのが要因。熊本地震の影響で米国向け自動車輸出が減り、財務省は「(地震の影響を)引き続き注視する」とした。
輸入額は5兆657億円で16カ月連続の減少。2011年2月(4兆9520億円)以来の低水準となった。原油価格の下落に伴い、原粗油は51.8%、液化天然ガス(LNG)が44.5%、石油製品は59.3%とそれぞれ減少した。為替が前年同月の水準に比べ、7.2%円高に振れたのも輸入減の一因。数量ベースでみた輸入は7.5%の減少だった。
一方、輸出額は5兆8892億円で7カ月連続の減少となった。数量ベースでも4.6%減と2カ月連続のマイナス。とりわけ自動車(6.7%減)の落ち込みが大きい。熊本地震で部品供給が滞り、トヨタ自動車が4月下旬に国内工場の生産を停止したのが響いたもようだ。市況の悪化で台湾向けの鉄鋼輸出も振るわなかった。
地域別の動向をみると、対米国では6148億円の黒字だったが黒字幅は縮小した。輸出額は1兆2005億円で前年同月比11.8%減。熊本地震の影響で自動車の対米輸出は4.4%減と、1年5カ月ぶりに前年を下回った。輸入額は5857億円で、18.1%減だった。」。
【サービス収支】が昨年に続き好調、その上、昨年まで赤字で経常収支の足を引っ張っていた貿易収支までが黒字に転換したのであるから今年の経常収支は日本のGDP成長率を牽引するようになる可能性が高い。
4月は熊本地震の影響でアメリカ向けの車の輸出が減少したが、現在アメリカ市場で販売台数が伸びているのは【フォード】、【トヨタ】、【スバル】(富士重工)である。車がなくて輸出が減ったのであるから、5月からは車の輸出は伸びると思われる。5月の貿易黒字は1兆円を超えるかもしれない。経常収支の黒字を阻害する要因がないのでGDPの拡大が現実味を帯びてきたと言える。   (おわり)

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