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2016年5月22日 (日)

財務省の代弁者が増税先送り論に抵抗

年初以来、日本の株式市場と外国為替市場は【中国経済の減速】と【原油価格の暴落】の影響を受けて激しい値動きを繰り返し、日本経済の先行きが見通せない状況が続いている。5月の10日過ぎから原油価格の上昇や中国の株式市場が落ち着いたこともあり、株価は1万6千円後半台で、対ドル円相場も110円に近い水準で小康状態を保っている。
ところで、5月18日に発表された2016年第1四半期のGDPの成長率が0.4%、年率換算で1,7%と低調であったため、市場関係者の間では【増税先送り論】が織り込み済みの情勢になった。民主党は政権の座にあった2012年に消費税率引き上げを法令化した経緯があり、消費税先送りに関しては態度を鮮明にしてなかったが5月18日に行われた党首討論の場で岡田代表は【消費増税先送り】を提案し、その際の財源は赤字国債の発行と述べた。。明らかに参院選挙を意識したパフォーマンスである。
これに対して苦言を呈したのが民主党政権下で財務大臣を務め、消費増税の道筋をつけた大蔵官僚(現財務官僚)出身の藤井裕久氏だ。5月20日に行われたTBSの日曜日早朝放映の【時事放談】の録画収録において藤井氏は『岡田さんは我々の後輩ですけどもね、やっぱり選挙目当てですよ、あれは。私はそう思っています。一つは、日本の消費税は目的税なんですよ。世界の中で150カ国くらい付加価値税やっていますがね、目的税にしている国はないんですよ。世界で唯一の国であって、そのことの増税をしないということは社会保障を抑えるということになる。抑えることができないなら、赤字国債になる。そして、赤字国債の話というのは、世界に三つ格付け会社がありますがね、みんなね、日本はいま、中国や韓国より下なんですよ。格付けとしてね、国債の。もっと悪くなりますよ。本当にそんなことをしていいのかと』と語っている。
藤井氏の増税先送り反対論は財務省の意見を代弁しているのである。14年5月30日に創設された【内閣人事局】により、各省の幹部職員の人事権が政府に握られたために【官庁の中の官庁】と絶大な権力を誇っていた財務省も政府に逆らえなくなってしまったのだ。政府の方針に異を唱えれば左遷か、天下りさせられるからである。
増税先送りするという意見に対して常套の脅し文句は藤井氏も述べているように「国債の格付けがさがり、国債価格が暴落する」というものである。国債の格付けが下がっても日本国債が暴落したことはこれまでは1度もない。
格付けが下がる理由は格付け会社の見解では財政収支の健全化の努力が認められない場合である。財政が悪化すれば増税すればいいというのが格付け会社の見解である。世界各国の負債は国際会計基準によって算出されている。バランスシート(貸借対照表)で一目瞭然であるが、日本の財務省は増税のために国際会計基準を採用せずに、負債だけを取り上げて財政が破綻状態にあると喧伝してきた。
国際会計基準では国家の負債から国家の資産を弾いたものが純然たる負債なのだ。日本政府世界一の資産を保有している政府で、650兆円を超える資産を保有している。日本の純負債は390兆円程度である。さらに日銀が金融緩和によって国債を毎年80兆円買い入れ,180兆円分の国債は償却したのと同然であるから財政収支が悪化しているのではなく、逆に現時点では改善している。日本の本当の負債は多く見積もっても200兆円前後で対GDP比で40%を下回っている。先進国では負債の比率が一番低い。格付け会社は日本の財務省やIMFに以降を受けて日本の格付けを下げてきたのだ。IMF国際機関を装っているが各国の財務官僚の寄せ集めの組織である。
麻生財務大臣は谷垣自民党幹事長ともども財務省の応援団の一人であるから、アメリカのルー財務長官に対して「消費増税は予定通り実施する」と述べたのだ。増税が先送りされれば、「安倍首相の決断で自分が関知できる問題ではない」という逃げ道を麻生財務大臣は用意している。   (おわり)

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