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2016年5月20日 (金)

衆院の選挙制度関連法案成立

自民党と公明党が提出した衆議院選挙の1票の格差是正や議員定数を小選挙区で6、比例区で4の合計10削減となどの衆院選挙制度関連法案の採決が5月20日の参院本会議で行われ、投票総数233、賛成152、反対81の賛成多数で成立した。
【小選挙区】が削減されるのは青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県でそれぞれ1づつ、【比例代表】は東北、北陸信越、近畿、九州で1づつである。
衆議院の1票の格差の是正は憲法違反の状態から脱却するためであり、定数削減は財政問題に起因するものであり本来別の問題である。
日本の国会議員の数は多すぎて財政の無駄であるという有権者の考え方が衆院議員の定数削減の根底にある。ところが日本が参考にした議院内閣制の発祥地のイギリスでは日本の参議院に該当する貴族院の定員は742名、衆議院に該当する下院の定員は646名、合計で国会議員の数は1368名で日本717名(参院242名、衆院475名)を大きく上回っている。しかもイギリスの人口は日本の人口1億2706万人の半分以下の6077万人だ。
同じ2院制を採用している【ドイツ】は人口が8259万人に対して国会議員の総数は667人(上院69人、下院598人)で人口の比率でいけば日本よりも国会議員は多くなる。人口6164万人の【フランス】の国会議員数は920人(上院343人、下院577人)で日本より多い。アメリカは日本より少ないと主張する識者がいるが、アメリカは連邦制国家で地方政府(州政府)の権限が強いので連邦政府の議員数は少なくても国政には支障がないのだ。政治制度は大統領制度で日本のような議院内閣制とはシステムが異なるので比較すること自体無意味なのである。
ところで、定数削減は財政削減論に端を発しているのであるから世界一高いといわれている日本の国会議員の報酬を減らせばいいのである。日本の国会議員の報酬は基本給が1552万8000円、期末手当635万円で合計2106万円。さらに領収書の要らない【文書通信交通滞在費】が毎月100万円、年間1200万支給されている。そのほか別途に立法事務費が年間780万円支給されている。
因みにアメリカの国会議員の報酬は1357万円、ドイツが947万円、フランス877万円、イギリス802万円である。東京の物価は世界一高いといわれた時期があったが、それでもニューヨークやボン、パリ、ロンドンの2倍にはなっていないであろう。さらに立法事務費が支給されている以上【文書通信交通滞在費】の大半は必要がない。議員報酬の削減に踏み込めば定数削減は必要なかったのだ。
制度というものは改正しても完璧なものにはなりえない。議員定数を削減すれば政治家のチェックが甘くなり官僚を利するだけであり、定数削減は人口減に悩む県の議員数の減少をもたらす。筆者には地方創生を謳う一方で過疎化に悩む地方を見捨てるような気がしてならないのである。今回成立した衆院選挙制度関連法が地方の停滞とならないことを願うばかりである。   (おわり)

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