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2016年4月 5日 (火)

重工業大手3社(三菱、IHI、川崎)多額の損失処理を実施

日本の重工業の大手3社(三菱重工業、IHI、川崎重工)が16年3月期決算で様々な理由から多額の損失処理を行い大幅な純益減となった。
【三菱重工業】は世界最大のクルーズ運営会社アメリカの【カーニバル社】のドイツ子会社【アイーダ】(本社 ドイツ・ロストック市)から2011年に2隻の大型豪華客船【アイーダプリマ】を受注したが、度重なる設計変更により工期が長期化し、その結果納期の遅れが発生し、1年遅れの16年3月15日に1隻目をアイーダ社に引き渡した。工期短縮のために当初の予定人員の2.5倍の5000人超を投入したために人件費、宿泊費、その他諸経費が膨らみ1800億円を超える損失を計上したために16年3月期の営業純益を大幅に押し下げ、最終的には900億円の黒字となっている。三菱重工の16年3月期の受注高は4兆7000億円、売上高は4兆1000億円、IHI(石川島播磨重工業)と川崎重工の売上げ合計よりも1兆円以上多い。
【IHI】は13年末にシンガポール企業からドリルシップ(資源掘削船)の船体建造を受注したが発注元の再三にわたる設計変更の要請に適応できず、納期が遅れ、多額の損失を計上している。IHIはドリルシップを手がけるのは始めての経験で技術力が追いつかなかったということである。
【三菱重工】は2001年に同じ【カーニバル社】のイギリス子会社の【P&O】の大型豪華客船【ダイヤモンドプリンセス】、【サファイヤプリンセス】を建造した実績があるが15年間の技術の進歩や環境規制の厳格化に対応する能力が伴わなかったということであろう。
日本の造船業界は韓国、中国の造船業界に追い上げられ、価格の面では太刀打ちできないので、生き残るためには高度な技術を要する高付加価値の船舶建造を受注せざるを得ない。しかし、自信とは裏腹に技術が伴っていないことが露呈したのである。
【川崎重工】はブラジルに現地企業との合弁会社【エンセアータ】が受注した2隻のドリルシップの建造を開始し、1隻は完成させたが、1年を経過しても代金が支払割れないので221億円の損失を処置した。
経済紙【サンケイビズ】は4月5日、『三菱重工業、IHI、川崎重工業の重工大手3社は工事トラブルが相次ぎ、多額の損失を計上するなど強みとされてきた技術力が揺らいでいる。工事トラブルの原因は、工期の見通しの甘さや、取引実績のない海外顧客との調整不足、単純ミスなどさまざまだ。各社はリスク管理を高めると同時に、これまでのものづくりの手法を見直そうとしている。
「ものづくりの低下が否めない。今は緊急事態だ」と、自社の技術力に危機感を募らせるのは、IHIの斎藤保会長兼最高経営責任者(CEO)だ。同社は愛知工場(愛知県知多市)で建造実績のない掘削船を受注したが、発注元が何度も設計変更を要求。作業工程が混乱し、海洋設備の建造にも遅れが生じた。インドネシアのボイラー工場では、溶接材を取り違える信じられないミスで石炭火力発電所の工事をやり直した。
これらの工事トラブルで2016年3月期連結決算で最終損益が300億円の赤字に転落する見通しだ。IHIは3度も業績を下方修正しており、マーケットからの信頼はがた落ちだ。この緊急事態を受け、4月から斎藤氏が会長兼最高経営責任者(CEO)に就任し、満岡次郎氏が社長兼最高執行責任者(COO)に昇格し、二人三脚で現場を立て直す。』と配信している。
日本企業は技術力に優れているという思い上がりを謙虚に反省し、新しい技術の習得に努める必要ある。   (おわり)

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