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2016年3月29日 (火)

日本はトランプ氏の在日米軍撤退発言にどう応じるべきか

11月に実施されるアメリカ大統領選の共和党の有力候補に浮上してきたトランプ氏がニューヨークタイムズ紙とのインタビューで外交問題関して持論を展開し、「日本が在日アメリカ軍の駐留経費の負担を大幅に増額しなければ撤退させる」と述べ、注目を集めている。
【NHK NEWS WEB】は3月27日午前、トランプ氏の発言について『アメリカ大統領選挙に向けて共和党から立候補しているトランプ氏は、日本が在日アメリカ軍の駐留経費の負担を大幅に増額しなければ撤退させると主張するとともに、日米安全保障条約は不公平で再交渉したいと述べました。
ことし11月のアメリカ大統領選挙に向けた共和党の候補者選びでトップを走るトランプ氏は、アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」のインタビューに応じ、外交政策について自説を述べました。
この中でトランプ氏は「アメリカは強い軍事力を持った裕福な国だったが、もはやそうではない」と述べ、大統領に当選した場合、日本や韓国がアメリカ軍の駐留経費の負担を大幅に増額しなければ撤退させると主張しました。
さらに日米安全保障条約について、「アメリカが攻撃されても日本は何もしないが、日本が攻撃されたらアメリカは駆けつけなければならず、不公平だ」としたうえで、「再交渉したい」と述べました。』と報じている。
トランプ氏は【日米安保条約】の成立の経緯について勉強不足である。この条約を片務的にしたのはアメリカ側の以降である。アメリカは独立戦争、米西戦争(対スペイン戦)、ヨーロッパを戦場とする第2次世界大戦、太平洋を戦場とする【太平洋戦争】と対外戦争を経験している。その中で一番犠牲者を出したのが日本との太平戦争で、死を恐れない日本軍の勇猛果敢さに辟易したのだ。その苦い体験からアメリカは日本が軍事大国として復活することがないように日本国憲法では【戦争放棄】を謳い、日米安保条約においては明文化はされなかったが集団的自衛権の行使を禁じたのである。そして昨年安保関連法案の成立によって集団的自衛権の行使が限定付ではあるが可能になっている。
トランプ氏の発言は、共和党の大統領候補になるために【日本国憲法】や【日米安全保障条約に無知なアメリカの大衆向けの発言である。その点を我々日本人はまず理解しなければならない。
古今東西の歴史が証明しているように占領軍や駐留軍の兵士は【性犯罪】を犯し、国際問題を起こす。その際駐留国の司法制度で性犯罪を犯した兵士が裁かれれば極刑が待ち受けている。それを避ける意味でもアメリカは日本を含め駐留国にアメリカの駐留軍の費用の負担を求めていないのだ。
もし、トランプ氏が大統領に就任し、アメリカ軍の駐留費の負担の大幅増額を求めてきたならば日本は中国の経済力が衰えてきた兆しがあるかどうかを冷徹に判断した上でアメリカの要求を検討すべきだ。中国の経済力が衰え、軍事費が削減された状況が生まれていればアメリカの要求を全面的に飲む必要はない。
ところで、アメリカ軍の駐留経費に関して日本が負担している金額は2011年度で【思いやり予算】が1881億円、基地周辺対策費(賃貸料など)1737億円、米軍基地借り上げ賃料1656億円、在日米軍再編費1320億円など総額で7146億円である。アメリカ軍が負担している経費はアメリカの08年会計年度で47億ドル(1ドル=84円で4248億円)。現在はもっと削減されて日本政府の負担が増えているかもしれない。
日本がアメリカの要求を一部飲む代償は日米地位協定を日本側に有利になるように改定し、日本の法律で犯罪を犯したアメリカ兵を裁く権利を得ることだ。今から最悪の事態(トランプ氏の大統領就任)の対応を政府は考えておくべきであろう。   (おわり)

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