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2015年12月15日 (火)

消費税率の10%への再引き上げは予定通り実施されるのか

「自民党税制調査会は16日午前、宮沢洋一会長就任後、初の幹部会を党本部で開き生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率の導入について検討を開始した。」という記事を【毎日新聞】(電子版)は10月16日午後に配信した。その後、自民党税調内の議論では生鮮食品の税率だけを8%に据え置きくという結論になっている。これは自民党税調の議論の末に集約された意見ではなく、軽減税率の適用範囲を狭くして税収を少しでも多く確保したいという財務省の意向を尊重した結果である。現在の自民党税調の宮沢洋一会長も前任者の野田毅氏も財務省の前身の大蔵省出身で財務省寄りなのだ。
その後、11月11日から自民、公明両党は消費税率10%への引き上げ時に導入する軽減税率の制度設計に向けた与党協議を開始した。対象品目の選定をめぐっては自民党が、混乱なく導入できる線引きは「精米」を含めた「生鮮食品」が軸になると表明したが、公明党は、「酒類を除く飲食料品」か、譲歩案として「生鮮食品と加工食品」に適用するよう求めた。
与党間の協議は約1カ月間続き、大筋が見えてきたの12月10日で、その時点では税調の手を離れ、両党のNo2の幹事長間の話し合いに舞台は移り、自民党が大幅に譲歩して軽減税率の対象は公明党が主張していた生鮮食品と加工食品を含む飲食料品で決着した。
公明党の山口那津男代表は13日、福岡市で行った街頭演説で公明党が軽減税率の対象品目を拡大したと聴衆にアピールしている。福岡県は来年7月の参院選で定数が2から3に増えるので、公明党はそれを契機に候補者を擁立することを決定しているからだ。参院選の対策として【軽減税率】では自民党は公明党に対して【安保関連法成立】の借りを返したことになる。
ところで、消費税率再引き上げは17年4月1日からである。現在の時点で議論すべき問題ではないと言えなくはないのである。増税実施の判断は来年秋でも間に合うのである。再引き上げの時期に関しては成文化されているので増税実施の判断は改めてする必要がないと言えば言えなくもないのであるが、安倍首相はGDPの成長率次第で再先送りを視野に入れている可能性がある。
14年4月1日からの消費税率引き上げに際して財務省は増税の悪影響は軽微であると首相に進言し、首相は消費税率引き上げを17年ぶりに実施したが、その後の日本経済は一進一退という感じで、アベノミクスは大きな成果を上げたとはいい難い状況にある。首相は税率引き上げによる揺り戻し警戒していると思われる。
年内に財源問題は先送りしたが、【軽減税率問題】にめどをつけたのは明らかに【参院選対策】である。筆者は来年の1月4日から通常国会を始めるという国会日程を重視すると衆参同日選挙の可能性が高いと考えている。もし衆院選挙を先延ばしするならば第3四半期(7月~9月)のGDP速報値の数値がが悪ければ、税率再引き上げの時期を1年先送りし、直後に(10月下旬)衆院解散というシナリオもあり得ると想定している。今の時期の軽減税率の品目の決定は早すぎるのである。   (おわり)

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