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2015年11月 8日 (日)

12月と予想されるアメリカの利上げは中国から外資撤退を加速か

米国労働省は11月6日、10月の米雇用統計を発表した。発表された雇用統計は、農業分野以外の就業者が市場予想よりも9万人も上回る27万1000人となり、米国の景気の回復を裏付ける内容となった。失業率も市場の予測の5.1%から2008年4月以来7年半ぶりの水準となる5.0%に低下している。この結果,【FRB=連邦準備制度理事会】は12月に利上げに踏み切るという観測が広がりつつある。
このため、アメリカ国債の金利が上昇し、10年もの国債の長期利回りは2.3%台から2.34%台まで上昇した。
【ブルームバーグ】は6日、10月の雇用統計について『米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は今週、経済データで堅調さが引き続き示されれば、12月利上げの「現実的な可能性」はあると述べた。米当局のスタンスとは対照的に、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は今週、12月の政策会合で追加刺激策を検討する考えをあらためて示した。またイングランド銀行(英中銀)のカーニー総裁は、世界経済の減速を理由に挙げて、政策金利をしばらく過去最低で維持する必要があるとの認識を示した。
みずほフィナンシャルグループの米法人為替セールス担当ファビアン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)は米雇用統計について、「実に堂々たる数字だ」と評価。「早めの利上げを支持する数字であることは確かだ。そうなればドルには大きな支援材料となる」と続けた。
ニューヨーク時間午後5時現在、ドルはユーロに対し前日比1.3%高の1ユーロ=1.0741ドルと、4月22日以来の高値。対円では1.1%高の1ドル=123円13銭。』と配信している。
【FRB】の金利引き上げ決定によって影響を受けるのは新興国である。中国経済の減速によって【BRICS】の一角をなすブラジル(B)や南アフリカ(S)は資源の輸出が激減し、経済環境が悪化している。アメリカの金利が上昇すれば、外資はより効率のいい投資先をアメリカに求めて資本を移動させる。中国(C)からもハイリターンが望めなくなったので外国資本は逃げ出すことになる。中国から外資が逃げ出し始めたのは今年になってからではない。数年前からで、その理由は外資系企業の製造工場で働く中国人労働者の賃金の上昇である。工場労働者の賃金は上昇しつづけ、その結果、外国資本が中国を【工場】とするメリットは低減してしまったのだ。とすれば中国特有の「複雑怪奇な行政」(行政側との交渉には全て賄賂が必要)というマイナス面が重くのしかかる。「三十六計、逃げるにしかず」ということになる。
しかし、中国を工場とみなすか市場とみなすかで、結論は異なる。「単なる工場」とみなすなら、「逃げるにしかず」である。一方で、中国を「巨大市場」と考えるなら、中国に残る意味が出てくる。ただし、「主たる生産現場を賃金の安い東南アジアの他の国に移して中国に売る」という方法もある。東南アジアで中国より豊かな国はシンガポール、マレーシア、ブルネイの3カ国しかないからだ。
円安の進行している現在は、日本企業が中国工場を【国内に回帰】させるのも一つの選択肢である。中国の地方政府は日本企業の中国からの撤退を阻止しようとして「撤退するなら事務所や工場は全部置いていけ。撤退に伴う損害賠償金も支払え」ということになるらしい。そのため撤退したくても撤退できずに途方にくれている日本企業が増えているという。
日本ばかりでなくアメリカの製造業も一部の業種を除いて撤退を加速させる方向で検討に入ったようである。 
(おわり)

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