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2015年9月12日 (土)

世界株式市場と金融市場の不安定化は中国が元凶

8月25日の上海総合指数の再暴落によって世界同時株安の状況が進行している。この事実によって世界経済と金融市場のアキレス腱が中国であることがはっきりしてきたと言えるであろう。国際金融市場を不安にしている資源国やアセアン、アジアNIES諸国の通貨下落、経済悪化はひとえに中国経済の急減速に端を発している。李克強国務院総理が信頼に足るとした鉄道貨物輸送量、粗鋼生産量、発電量、輸出・輸入額など中国の基本的なミクロデータはいずれもゼロないしはマイナス圏にあり、7%成長と言う公式統計は実態を反映していないことは明白で、中国の経済は失速したと考え出した経済専門家がここにきて急増している。
6月以降の中国の代表的な株価指数の動きを見てもそれは一目瞭然であろう。中国政府は昨年の7月以降、意図的に株価の上昇を煽ってきた。7が月間で4度の銀行金利(貸出金利と預金金利)の引き下げ、金利が下がるたびに株価は上昇し14年7月には2000ポイント台であった【上海総合指数】は15年6月12日には5178ポイントまで上昇した。
しかし6月15日から下落に転じ、7月8日は3507ポイントにまで暴落している。率にして30%を超える下落であった。その後、7月23日には4123ポイントまで戻したが、また下落に転じ、8月25日には3000ポイントを切る2964ポイントとなった。翌日の26日にはさらに2850ポイントまで下がった。この再下落が引き金になって世界同時株安状況が生まれたのである。
日本の代表的な株価指数【日経平均株価指数】は8月10には2万808円であったが、中国の株価大暴落の影響を受け、9月8日には1万7427円にまで1か月で3000円も値を下げている。9月11日の終値は1万8264円であるが株価が上昇する好材料はなかなか見出し難い。
日経平均株価指数が反発して上昇し、それが維持されるには①「中国経済が着実な成長軌道に戻ること」あるいは②「中国経済の悪化が世界に波及しないこと」、のいずれかが達成される必要がある。その見極めがつくまでは、中国問題が市場を圧迫し続けることになる可能性が高い。
ところで、中国経済の減速は国際的な共通認識なった。アメリカの大手金融グループ大手の【シティグループ】も中国経済が国際経済の足枷になるという調査結果を発表している。
【ブルームバーグ】は10日午前、『シティグループが世界経済に対する警告を発した。8日遅くに公表した分析リポートでチーフエコノミストのウィレム・ブイター氏は世界が今後2、3年に中国発のリセッション(景気後退)に陥る可能性を55%と見積もった。
「世界経済がリセッション入りする実質的なリスクが増しているとみられる。新興市場、特に中国が主因の景気後退だ」と同氏は書いている。
同氏が中国について懸念する理由は、同国の成長ペースが恐らく、既に4%近くまで減速しているとみていることだ。中国政府は7%前後を今年の成長率目標に掲げている。成長率が2016年半ばに2.5%まで低下しその水準にとどまれば、中国が緩やかなリセッションに陥ると同氏は予想する。
ブラジルや南アフリカ共和国、ロシアといった中国以外の新興市場国も既に苦境にあり、先進国・地域の経済はまだ勢いに欠ける。商品相場と貿易、インフレは弱く、企業利益は低迷しつつある。
中国についてブイター氏は「循環的なハードランディングのリスクは高く、急速に上昇しつつある」とし、主要分野での余剰生産能力と債務の大きさ、さらには株式と不動産の相場調整を理由に挙げた。
中国人民銀行(中央銀行)は政策金利と預金準備率を引き下げているが、債務が金融政策による支援の余地を狭めるため需要低下への対応が不十分になる恐れがあると説明。また、8月に実質切り下げた人民元の行き過ぎた値下がりを当局は望まず、財政出動を急ぐことにも慎重だと指摘した。
先進国・地域へは、中国の苦境は貿易の減少を通じて波及するだろうと分析。また、米国債などで保有する6兆ドル規模の準備資産を中国が取り崩せば国際金融市場を揺るがしかねないほか、質への逃避でドルが急騰する可能性があるとも指摘した。』と配信している。
日本企業は中国への依存率を下げる対策を講じる必要性が生まれたと理解すべきで、中国への投資は再考する必要がありそうだ。  (おわり)

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