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2015年9月 8日 (火)

中国財政相、 G20で中国の経済減速の長期化に言及

トルコの首都アンカラで9月5日まで開かれていた20カ国・地域の財務相、中央銀行総裁会議において中国の楼継偉財務相は中国経済の先行きについて、生産・在庫が過剰であることから「5年は苦難の調整)と語っている。
【生産・在庫】の過剰を生み出した原因の発端は、08年の100年に1度と言われたリーマンショックという金融危機を乗り切るために中国では4兆元(56兆円)規模の景気刺激策を採用したことである。これによって中央のお墨付きを得た地方政府は中央政府負担の1.18兆元と地方政府の予算、ヘッジファンドの投資、銀行投資を財源に道路、高速鉄道、住宅建設などに邁進した。
中国の地方政府は地方債を発行する権限を与えられていないので地方の金融会社に別会社を設立させ、新会社の発行する高利回りの私募債を地方政府が保証する形態を取ったり、ヘッジファンドが投資家から高利回りを条件に集めた資金を公共事業につぎ込んだのである。正確な金額は把握できないが公共事業に投入された資金は08年から13年の間に3000兆円とも云われる。
中国は資本主義国ではないので需要と供給のギャップは考慮に入れないのだ。国営企業の従業員の給料を払うために需要に関係なく生産は同じペースで続く。生産調整をすれば国営企業の従業員の給与が下がり、社会問題化しかねないからだ。その結果生まれたのが住宅バブルで、これも実需ではなく、投資のために共同住宅の一室が買われていた。ところが住宅バブルの様相を呈してきたために政府は住宅の戸数の購入制限を13年から始めると急速にバブルは萎んで行った。その後に残ったのは人が住んでいない共同住宅の群れと不良債権と化した私募債や【理財商品】であった。さらに過剰となった生産設備と生産した商品(セメント、鉄鋼製品など)の在庫の山である。
【共同通信】は7日深夜、中国の楼財務相の発言について『トルコの首都アンカラで開かれた二十カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の四日の討議で、中国の楼継偉財政相が自国経済の先行きについて「今後五年間は厳しい状態が続く。もしかしたら十年間かもしれない」と説明したことが六日分かった。会議筋が明らかにした。
これまでのG20で中国は楽観的な景気見通しを前面に出すことが多かった。だが、人民元相場の切り下げで中国経済への懸念が高まり、世界同時株安になるなど市場が混乱。国際社会から「経済政策が不透明だ」との批判を受け、厳しい現状を率直に説明する異例の対応に追い込まれた形だ。
経済成長が頭打ちになっていることを認める発言で、金融市場は中国の政策運営や景気指標に敏感に反応する不安定な状態が当面続きそうだ。
G20閉幕後の中国政府の発表によると、楼氏は会議で中国経済の現状は「想定の範囲内」とする一方「五年間は中国経済にとって構造調整の痛みの時期だ。苦難の過程になるだろう」と述べた。ただ発表では、難局が十年間続く恐れがあるとの発言には触れなかった。』と配信している。
ところで、国営の新華社は8月下旬に中国地方政府の負債は日本円で460兆円に達していると報じている。中国国内で地方政府が主導する新たな大型プロジェクトは約150件あるが、その資金調達は【株バブル】で得た個人投資家の資金を投入する計画であったのだ。地方政府が資金を調達する能力は今や残っていないので。ところが【株バブル】が弾けてしまったので地方政府が主導するプロジェクトも風前の灯となってしまった。
さらに【AIIB】(アジアインフラ投資銀行)設立の新の目的は参加国のインフラ整備事業を受注して生産と在庫調整を完了する予定であったが中国経済の失速が白日の下に晒されたのでその影響は参加各国にも波及し、インドネシアの高速鉄道計画のように中止になる可能性が出てきた。それ故に中国の計画は幻想となるかもしれない。   (おわり)

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