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2015年5月18日 (月)

大阪市民の常識が大阪都構想を廃案にした

5月17日に投開票が行われた【大阪都構想】を巡る住民投票は、当日有権者210万4076人のうち期日前投票を含め有権者の66.83%に該当する140万429人が投票した。
投票結果は賛成69万4844票、反対70万5585票。その差1万741票、投票率にして0.8ポイントの僅差で【大阪都構想】は否決された。8日~10日に実施されたマスコミ各社の世論調査では【反対】が7%以上上回っていたから投票直前3日間で大阪維新の会が相当巻き返したことになる。
投票後の出口調査では産経新聞は賛成は51.7%と報じているので【期日前投票】で投じられた反対票の多さで反対派は勝ちを制したことになる。
【NHK NEWS WEB】は18日未明、『今回の住民投票は、大阪市の有権者およそ211万人を対象に行われ、大阪市の橋下市長が代表を務める大阪維新の会が、「大阪府と大阪市の二重行政を解消すべきだ」として「賛成」を呼びかける一方で、自民・公明・共産・民主の各党は、「コストもかかり、住民サービスも今より低下する」などとして「反対」を主張し、激しい論戦が繰り広げられました。
その結果、「都構想」は一定の賛同を得たものの、「大阪市の存続」を求める意見も根強く、「反対」が「賛成」を僅かに上回って多数となりました。これにより、大阪市はそのまま存続することになり、橋下市長が掲げた「大阪都構想」は実現せず、5年にわたる議論は決着しました。
大阪市選挙管理委員会によりますと、今回の住民投票の投票率は66.83%で、先月、統一地方選挙で行われた大阪市議会議員選挙の投票率を18ポイント余り上回りました。
今回の結果を受けて、橋下市長は17日夜、大阪維新の会の幹事長を務める大阪府の松井知事と共に記者会見し、「大阪都構想は、市民に受け入れられなかったということで、間違っていたということになるのだろう。僕自身に対する批判もあるだろうし、説明しきれなかった僕自身の力不足だと思う。今の市長の任期まではやるが、それ以降は政治家はやらない。政治家は僕の人生からは終了だ」と述べ、ことし12月までの任期は全うするものの、次の市長選挙には立候補せず、政界を引退する意向を表明しました。また、橋下市長は、記者団から、「将来、再び政治家に戻る可能性はあるのか」と質問されたのに対し、「ない。弁護士をやる」と述べました。松井知事は「知事としての残りの任期で、さまざまな問題解決に向けて働きたい」と述べました。』と報じている。
橋下徹大阪市長は敗戦後の記者会見で「大阪都構想を説明し切れなかった。】と述べている。前例のない領域に足を踏み入れる場合には具体的なイメージは誰にも描けないわけで、言葉では説明には限界がある。
筆者は【大阪都構想】についてずっと違和感があった。聖書の中に【カエサルのものはカエサルに、神のものは神に返しなさい】という語句がある。本来の意味から逸脱するが、橋下市長には【カエサルのものはカエサルに、大阪市民のものは大阪市民に返しなさい】といいたかった。基礎自治体の首長が自ら行政権の執行を住民から付託された基礎自治体を廃止するのは選挙民への裏切り行為であり、自己矛盾であると思ってきた。そういう観点から言えば、大阪都構想が否決されたことは良かった思っている。
【大阪都構想】を提唱したのは慶応義塾大学の上山信一教授であり、それを後押ししたのは失脚したみんなの党代表であった渡辺喜美氏の公務員制度改革に協力した改革派官僚と呼ばれた過去官僚達である。大阪市民でない人達が練り上げた構想なので古くからの大阪市民の共感を得られなかったという側面があるのであろう。
議員生活を続けるために自民党を脱党して【大阪石井の会】の設立に参加した大阪市議、大阪府議は今後どのような主張をして議員活動を続けるのであろうか。興味は尽きない。   (おわり)

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