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2014年6月 2日 (月)

拉致被害者と特定失踪者の帰還なくして経済制裁解除はない

日本の外務省の井原純一アジア太平洋州局長と北朝鮮の外務省ソン・イルホ朝日国交正常化交渉担当大使はスウェーデンのストックホルムで5月26日から3日間協議を重ねてきたが日本側は進展はみられないと発表していた。 ところが29日に合意したことを安倍首相が発表している。安倍首相に花を持たせるために合意を否定したことになる。
発表された合意文書の冒頭部分:『双方は、日朝平壌宣言にのっとって、不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、国交正常化を実現するために、真摯(しんし)に協議を行った。
日本側は、北朝鮮側に対し、1945年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨及び墓地、残留日本人、いわゆる日本人配偶者、拉致被害者及び行方不明者を含む全ての日本人に関する調査を要請した。
北朝鮮側は、過去北朝鮮側が拉致問題に関して傾けてきた努力を日本側が認めたことを評価し、従来の立場はあるものの、全ての日本人に関する調査を包括的かつ全面的に実施し、最終的に、日本人に関する全ての問題を解決する意思を表明した。
日本側は、これに応じ、最終的に、現在日本が独自に取っている北朝鮮に対する措置(国連安保理決議に関連して取っている措置は含まれない)を解除する意思を表明した。』
この合意文書を作成した結果、北朝鮮は以下の【行動措置】(毎日新聞より引用)を取らなくてはならなくなった。
●全ての日本人に関する調査を包括的、全面的に実施
●全ての機関を対象とした調査をできる権限を付与された特別調査委員会を設置
●拉致被害者、行方不明者に対する調査状況を日本側に随時通報
●生存者が発見された場合、帰国させる方向で協議
ところで、今回の日朝協議を契機に日本は北朝鮮に対する従来の見解を改めるべきなのではなかろうか。
つまり冷戦時代中国は経済力がソビエト連邦(現ロシア)に比べて著しく劣っていたために北朝鮮を中ソの【緩衝地帯】として利用してきた経緯がある。ところがソ連邦が崩壊し、ロシアは国家共同体の盟主に成り下がり、その経済規模は世界のトップテンにも入らない。中国にとってロシアは脅威ではなくなったのだ。そうなると中国にとって北朝鮮の役割も自(おの)ずと変わってくる。
世界第2位?の経済大国に成長した中国にとって北朝鮮は巷間言われているような対等な関係の【同盟国】には値しない。傲慢になった中国は北朝鮮を属国と見下し始めている。その先にあるのは中国による北朝鮮併合と言えるであろう。金正恩第一書記の義理の叔父張成沢が処刑されたのは中国の指示によりクーデターを計画したという疑念が拭いされない。
北朝鮮は【孤立無援】の国家になったと考えるべきだ。これまでのように北朝鮮には日本と駆け引きする余裕はないはずである。もし駆け引きをするようであれば経済制裁解除に一切応じず、日本の公安警察が掌握している生存者全員の名簿が上がってくるまで妥協しないことであろう。    (おわり)

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