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2014年4月 5日 (土)

中国経済崩壊の前触れか

今年に入って中国経済は明らかに変調をきたしているようだ。1月末には北京市の信託会社が組成した高利回り金融商品(理財商品)【金開1号】30億元分(約497億円)がデフォルト(債務不履行)騒ぎを起こし、中央政府の指示で元本は保証され、騒ぎをなんとか収めている。
2月に入ると吉林省の信託会社が組成した7日満期の理財商品【松花江】がデフォルトに陥った。松花江は大手銀行「中国建設銀行」を通して2億8900万元(約49億円)売られ、山西省の石炭会社に投資されたが石炭会社が経営危機を起こしたからである。
3月7日には上海の大手太陽光パネルメーカー【上海超日太陽能科技】の社債が債務不履行となり、倒産した。19日には中堅不動産会社【興潤置業投資】(奉化市)が35億元(約580億円)の負債を抱えて倒産している。中国では新築住宅の販売が低迷し、在庫が増え続け、その結果、住宅価格が下落していた。
そうした状況下で準大手の興業銀行が2月24日に不動産会社向けの融資を一部ストップすると発表したことが住宅価格の下落に拍車をかけた。中国中央政府の不動産バブル退治が表面化したのだ。今後、地方の不動産会社の倒産が増大する可能性が高まるであろう。
中国経済の驚異的な発展を牽引してきたのは公共事業、設備投資、そして不動産投資である。3本の柱の中で共産党、人民開放軍、政府系企業にとって倒れても実害の少ないのは不動産投資なのだ。そのために昨年あたりから不動産バブル退治に乗り出したという見方もできる。
投資ストラテジストの武者陵司は【中国経済が向かう「長期衰退」への道】と題する3月5日の【ロイターコラム】の中で、『このところの理財商品の焦げ付き騒動(正体不明の問題債権買い手の登場は明らかに当局が救済に動いていることを示唆する)を見ているとうそういう方向に向かっているように思われる。また、人民元安誘導による流動性供給と金利の引き下げは、問題債権の保有コストを大きく引き下げ、不良債権の顕在化を遅らせるのに効果がある。中身が腐っていると皆知っていても、ここまで膨れ上がると、臭いものには蓋(ふた)をするしかないということなのだろう。善し悪しは別として、それが中国経済のセーフティーネットであり、ハードランディングにはならないと先述した理由である。
ただ、より根本的な問題は経済成長をどのように実現していくかだ。投資主導の成長とは、投資額自体が年々増えるということによってのみ実現できる。投資額が去年と同じならば、成長に対する寄与はゼロだ。そういう意味では、投資が極端な水準まで高まったこと自体が、成長率の急減速を招きかねない巨大な潜在リスクとなっている。経済成長寄与の6割を占める投資がゼロないしはマイナスに陥ることは、ただちに成長率が半分以下に落ち込むことを意味する
投資は今の水準を維持するだけでも大変だ。さらにガラクタを増やし続けることになるから、本来はこれ以上できない。理屈から言えば、中国の改革はひとえに将来の不良債権のタネとなる過剰投資をやめてしまい、その結果起こる劇的な経済の失速を受け入れることだろう。しかし、それは共産党体制を危険にさらすので、受け入れがたい。となると、投資はなんとかそれなりの水準に維持しつつ、政治的に許容できるレベルまで成長率を緩やかに落としていくという選択肢しかなくなる』と述べている。
ところで、中国とロシアへの投資に集中していたドイツが中国からアフリカのサハラ周辺国や中南米に投資を移し始めた。世界の1,2,4位の経済大国の中国離れが顕著になっている。中国経済の崩壊の足音が聞こえ出したということかもしれない。   (おわり)

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