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2014年3月 6日 (木)

ウクライナを巡る武力衝突当面回避される

ロシアのプーチン大統領の3月4日の記者会見での発言によって市場は落ち着きを取り戻し、円安と株高の流れが生まれつつある。
プーチン大統領の記者会見の内容:『ロシアのプーチン大統領は4日、モスクワ郊外で記者会見し、ウクライナ南部クリミア半島で展開している部隊について「地元の自警団であり、ロシア軍は参加していない」と述べながら、武力行使に関して「現在は必要ないが、可能性は残されている」と語った。大統領がウクライナ情勢について発言するのは、2月下旬の政変以来初めて』。(毎日新聞3月4日)
こうしたプーチン大統領の発言の背景にはロシアの通貨ルーブルが為替市場で史上最安値を記録したこととロシアの主要国営企業の天然ガスの「ガスプロム」と日本の【ゆうちょ銀行】に該当する最大手銀行の「ズベルバンク」の株価が10%も下落したことが原因として挙げられる。
ロシアは下落したルーブルを維持するために100億ドルを投入したと西側の市場関係者は推測しているが紛争が長引けばロシア経済の停滞に繋がる可能性が高い。東西冷戦の再現を危惧する専門家もいるがそれはロシアの国力を買い被りすぎである。ロシアは旧ソ連邦時代のような広大な領土を保有していないし、経済規模も縮小している。何よりもロシア経済は西側の資本主義経済に組み込まれているのだ。
GDPで比較すると一目瞭然である。ロシアは2012年度の資料であるが、GDPは世界第8位の2兆291億ドルで、イタリアとほぼ同じ規模、フランス、イギリス、ブラジルの後塵を拝している。GDPでは日本の半分にも満たない。経済的側面から長期戦を維持できないないのである。
ロシアはそれ故、米・EUの経済制裁特に金融制裁を恐れている。2012年にロシアから560億ドルが国外に流出しているがその3分の2は犯罪絡みとみられ、大半が賄賂で築いた資産とされる。イギリスのロンドンの金融街のシティやスイスの銀行に隠匿されている。プーチン大統領自身も多額の資産を国外に秘匿しているという噂がある。資産が凍結がされるとプーチン大統領自身も困るのだ。
ウクライナ紛争を巡る米・露のせめぎ合いについて米の有力経済紙の【ウォール・ストリート・ジャーナル】は5日正午、『3日はロシアの債券と株式市場では売りが殺到したが、大統領発言や、ウクライナとの国境付近で実施されていたロシアの軍事演習の参加部隊に撤収命令が発せられたことが材料となり、持ち直した。
プーチン大統領は、クリミア半島で政府庁舎を封鎖した武装集団は「地元の自衛団」だと語り、ロシア軍による同地域での直接的な権力掌握を否定した。
「武力行使の可能性は存在するが、その必要性は現時点ではない」とし、「武力行使は完全に最後の手段となる」と述べた。
これに対してオバマ米大統領は「プーチン大統領は異なる解釈をする弁護士を抱えているようだが、それにだまされる者はいない」と述べた。
プーチン大統領は、西側諸国が検討している制裁措置は逆効果だと指摘。米政府高官は数日以内にロシアに制裁を科す構えを示しており、ロシア外務省は対抗措置を講じると警告した。

ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェビッチ報道官は声明で、ウクライナでのロシアの行動に関連して米国が制裁を科せば、「対応策が必要」だと指摘。
「米政府の性急で無責任な行動によって引き起こされるこのような状況において常にそうしてきたように、この状況はわれわれが選択したものではないことを強調する」とした上で、「成熟した国家同士の関係に一方的な制裁がそぐわない理由を、折に触れて米国側に説明してきた」と語った』と配信している。
ところで、今回のウクライナ紛争解決の鍵を握っているのはドイツである。ドイツの天然ガスの輸入量の40%はロシアに依存している。一方、ロシアの輸入量の13,5%はドイツである。ロシアはドイツ抜きでは経済が立ち行かない。ドイツがアメリカに同調し経済制裁に踏み切ればロシア経済は崩壊の危機に瀕することになる。ドイツがアメリカに同調しなければ対ロシア経済制裁はあまり効果がないことになり、解決の見通しが立たなくなるであろう。
  (おわり)

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